昭和ボクシングその10~グラスジョ― | ジジイが来たりて愚痴を吹く

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人生還暦を超えていよいよロスタイムに入りました。
いろいろ過去をふりかえりながら未来を描きたい
#MIOつくし #FC草津26期生

★ボクシングNo10
1972年5月19日 日大講堂
WBC世界フェザー級タイトルマッチ15回戦
同級2位 クレメンテサンチェス(メキシコ)
 KO3R
同級王者 柴田 国明(BVDヨネクラ)

サブタイトル:戦慄のKOシーンその1
「アイツには本当に頭に来ているんですよ。
 ビジネス的にこうなっただけで。
 パンチが強いなら、いっせーのせーで
 互いに打ちこみましょう。
 どちらが強いかお見せしますよ。
 絶対KOで勝つ」
といつもなら挑発する側の柴田がめずらしく
感情的に試合に臨む。
サルディバル戦のオプションを取り戻すため
結構高い金額が動いたクルス戦。もともと
メキシコ側が地元開催で用意した相手が
このサンチェス。で、サンチェスは
「シバタは俺から逃げた」
加えて二度目の防衛戦で長身のマルセルに
苦戦を強いられた柴田は是が非でも
スッキリした勝ち方にしたいと必要以上に
入れ込む。

フジテレビ放送のゲストにアイジョージさん、
って誰や?(小学5年生さすがに知らず)
ボクシングの知識は豊富の模様。
パンチの応酬もなくしかし緊張感漂う序盤の
第三ラウンド。
サンチェスの教科書のようなワンツーが
パンパンッと柴田のあごを直撃!
腰から落ちる柴田。

上半身固まったままダウンする柴田。
人間の脳に与える影響って不可思議ですなあ


照れた笑いを見せながら立ち上がる柴田だが
足元に力が入らずそのまま倒れ込む。
後年の山中が見せる数多くの強烈な
KOシーンは一応さておき
このノックアウトは衝撃でした。
サンチェスのセコンドがリングに
入り込んできても柴田は伸びたまま。
あの柴田がこんな負け方するなんて、と
途方に暮れる小五。
ゴング誌でも負けた後のインタビューで
田舎に帰って休息をとります、と意味深な
発言。えーやめちゃうの?と嘆きましたが
1年後には見事に復活するのでありました。

それにしても沼田にしても柴田にしても
なんで当時の日本人ボクサーはこけると
大の字になるのか?と不思議に思ったものです。