昭和ボクシングその7~雪崩現象を食い止める | ジジイが来たりて愚痴を吹く

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人生還暦を超えていよいよロスタイムに入りました。
いろいろ過去をふりかえりながら未来を描きたい
#MIOつくし #FC草津26期生

★ボクシングNo7
1971年10月23日 日大講堂
WBA世界フライ級タイトルマッチ15回戦
同級王者 大場 政夫(帝拳)
 判定3-0
同級1位 フェルナンドカバネラ(比)

「哀れ!沼田も王座転落」
2週間前に行われた沼田義明対アルレドンド戦
のプロボク誌の見出し。締め切りの関係か
同月の大場の試合は掲載されず。
しかし哀れって、他のタイトルはないのか?
てことで安定王者3人が立て続けに王座を失う
異常事態に立ち向かう我らが大場政夫。

この年の大場は
王座獲得第一戦でスイスのフライ級王者に
KO勝利。(スイスってボクシングあんのか?)
ゴンザレスに初防衛
わざわざテキサスに渡りメキシコフライ級王者
にダウンを喫するも9回逆転KO。

さらに米国の世界ランキング10位相手に
終盤疲労から大金星を与えかねない判定勝ち
と現在ならすべて世界戦レベルの試合を
既に4試合もこなしていた。
減量の厳しい体重管理のため
常にベストウエイトにしておくという
ジムの方針とはいえ気性が荒いといわれる
大場からすれば試合をするのが楽しみだった
んでしょうね。
逆転KOや一進一退の判定勝ちなど
いつスリリングな展開をむかえるか
ファンにとってはたまらないスタイルが
この年に原型として見えていたとのこと。

で、この試合小学四年生からすれば
安心していられたぐらいしか記憶になく
それでも防衛に成功した大場に
ホッとしたもんでした。

完勝にトロフィを受け取る大場
ボクシングのベルトで一番好きなのがコレ
ダサいイメージを払拭する斬新なデザイン


長野ハルマネージャー
大正生まれで女子専門学校を終戦時に
卒業し、しかし混乱時に就職の
当てのない彼女に知人は帝拳㈱を紹介。
業務は会長秘書。
以降帝拳ジムのマネジメントを一手に
引き受けるも血まなぐさい世界で怱忙の
毎日を送る間に独り身を続ける。
そんな彼女が大場とめぐりあい
我が子のように可愛がり、
大場も「お姉さん」と慕う。
大場が王者になるまでの長野さんの
ストーリーはワタシもこの歳になると
泪を誘います。そんな彼女に
18歳で自動車免許を取った大場が
世界王者となった時
マイカーの所有を申しでる。
ボクシングという狂気の世界で
生き続ける大場にとって唯一の趣味は車。
禁欲だらけの青春を不憫に思う彼女は
「二度防衛したら」と条件をつける。
あっさり条件をクリアした大場は
4百万円の大金でポンティアック
ファイヤーバードという車を購入。
「くれぐれも慎重に運転してね。」
「事故を起こさないでね。」
と祈るしかなかった....