2024年4月のざっと書き【まとめ】〜計5作 | 【発掘キネマ】〜オススメ映画でじっくり考察 ☆ネタバレあり☆

【発掘キネマ】〜オススメ映画でじっくり考察 ☆ネタバレあり☆

いつの時代も名作は色褪せません。
ジャンル、時代いっさい問わず、オススメ映画をピックアップ。
映画で人生を考察してみました。
【注意】
・ネタバレあり
・通番は個人的な指標です。
・解説、感想は個人の見解のため、ご理解下さい。

第1501作目・『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
(2023年・日本)
〈ジャンル〉コメディ/ファンタジー



《あらすじ》


『赤いずきんをかぶった少女、赤ずきんが旅をしていたところ、君の悪い魔女バーバラに出会う。バーバラの魔術でなくなった自分の靴を探していた赤ずきんは、自分の靴を履く少女シンデレラに出会った。白い魔法使いテクラの魔法によってドレスアップした二人は、お城で開かれるという舞踏会に参列することになる。魔法によってカボチャを馬車に変えて走っていた二人だったが、馬車は道中、道端に転がり込んできた何者かを轢いてしまう。慌てるシンデレラだったが、状況を見てこの男が馬車に轢かれる前に何者かに殺されていた可能性を推理した赤ずきんは、遺体をさっさと隠してお城へと向かった。お城で美しい王子様と出会った一同だったが、やがて死体が見つかり、城内での犯人探しが始まるのだった。


《監督》 福田雄一

(「銀魂」「今日から俺は!!劇場版」「新解釈・三國志」)

《脚本》 鎌田哲生、福田雄一

《出演》橋本環奈、新木優子、岩田剛典、夏菜、若月佑美、桐谷美玲、ムロツヨシ、加治将樹、長谷川朝晴、山本美月、キムラ緑子、真矢ミキ、佐藤二朗、ほか



福田監督作品として期待して見ると面白さがいつもより控えめで、ミステリーとして見るとファンタジー感が強めで。

色々な調味料が融合した複雑な味わいが感じられた。いつもの福田監督作品とは違っていた。

ただ、橋本環奈、ムロツヨシ、佐藤二朗ら福田ファミリーたちの伸び伸びと演じている雰囲気は相変わらず健在で、お馴染みのコントを見ているような安心感はあった。

それにしても橋本環奈ほど赤ずきん役が似合う女優はいないのではないだろうか。今までの福田作品の中で一番可愛い。

「悪巧みをしている時の顔」とか表情豊かなコメディっぷりも発揮されていて素晴らしかった。


それから桐谷美玲、6年ぶりの映画出演である。白い魔女テクラ役での登場なのだが、こうやって演技をする姿を再び見ることができるのは嬉しい限り。

子育てをしながらのドラマや映画出演は色々と調整が必要だろうが、ぜひまた今後もドラマや映画などでの演技を期待したい。






第1502作目・『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』

(1998年・日本)
〈ジャンル〉アニメ/ミステリー



《あらすじ》


『公園でジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が発生。重傷には至らなかったが、続いて蘭の母親である妃英理が毒入りチョコレートを食べて入院する事件が発生した。さらにコナンの目の前で阿笠博士までもが何者かにボウガンで狙われてしまう。それぞれの現場に残された犯人からのメッセージから、一連の事件が同一犯によるものであり、なおかつトランプの数字になぞらえて名前に13から順に数字が入っている人が狙われていることが判明する。目暮ら警察は仮出所したばかりの村上丈を犯人ではないかと推測する。村上はかつて毛利小五郎が刑事だった時代に取り調べを行った男であり、妃英理を人質にとったものの小五郎が躊躇わずに発砲して逮捕に至った事件の犯人だった。小五郎にとって因縁の事件であり、逆恨みされている可能性が高いのだ。蘭はこの事件が二人の別居の原因であると考えるが、コナンは事実と真実は違う見え方がするのではないかと推理する。やがて次のターゲットが狙われるのだった。


〜次に狙われるのは誰だ!?〜


《監督》 こだま兼嗣

(「シティーハンター 愛と宿命のマグナム」「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」)

《脚本》 古内一成

(「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」)

《声の出演》高山みなみ、山崎和佳奈、山口勝平、神谷明、茶風林、緒方賢一、鈴置洋孝、岡本麻弥、内海賢二、ほか



改めて見た。

当時はまだ小学生。今のようにSNSやネットでネタバレに簡単に触れるようなこともなかった。

劇場2作目にして、メインキャラたちが次々と被害にあっていくという予告編を見た時に受けた衝撃たるや。

それは最近のコナン映画よりも圧倒的に「劇場版」にふさわしいストーリーだったのだ。

しかも、登場人物たちの名前には数字が入っていてトランプになぞらえて順番にターゲットになるというルールも秀逸。最後が「新一」になるのも、よく見つけたなぁという発見であった。


歩美が勝手にやった占いに出た「Aの予感」のメッセージでなんか意識してしまったコナンが、蘭が口を拭いてくれる時にドギマギしてるのが可愛かった。

キザなセリフとかじゃなくて、こういう何気ないドギマギが初期の頃は多かった気がする。






第1503作目・『ウェディング・ハイ』

(2022年・日本)
〈ジャンル〉コメディ



《あらすじ》


『新郎新婦にとって人生最大のイベント、結婚式をサポートするウエディングプランナーの中越真帆は、ある一組の夫婦のサポートを担当していた。新郎、石川彰人と新婦、新田遥はこの日のために様々な計画やイメージを固めて準備を進めてきたのだ。長い労力を経て、ついに式当日を迎えることとなった。ところが、スピーチを頼んだ新郎の上司は会社や家庭での自身の威信を取り戻すため、全身全霊でこのスピーチに人生を賭けており、またそのスピーチを聞いて熱が入った新婦の上司の乾杯の挨拶もかなりの長尺で、式の進行が大幅に遅れてしまうのだった。このままでは余興を頼んだ友人たちの出し物の時間が確保できない。しかし、新郎新婦は中越に余興を予定通りさせて欲しいと依頼する。新郎新婦の依頼を断りきれない中越はプランナーの魂に火をつけ、残り時間ですべての演目を予定通り展開するように作戦を練り直す。一方その頃、新婦の元カレだった裕也は友人たちとの旅行中、遥の結婚式が開催されることを知った。裕也は遥との思い出を振り返り、自分こそが遥の新郎に相応しいと勘違いを重ねていく。


《監督》 大九明子

(「恋するマドリ」「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」)

《脚本》 バカリズム

(「架空OL日記」「地獄の花園」「劇場版 殺意の道程」)

《出演》篠原涼子、中村倫也、関水渚、岩田剛典、中尾明慶、浅利陽介、泉澤祐希、六角精児、尾美としのり、池田鉄洋、臼田あさ美、皆川猿時、向井理、高橋克実、ほか


ある一組の結婚式の裏側で起こっていたドタバタ劇を描いたコメディである。

結婚式版の『有頂天ホテル』と言ったら、分かりやすいのかもしれない。あぁいう展開が好きな人はきっと大好物ではないだろうか。

様々な準備を整えて、晴れ舞台を迎えた一組の新郎新婦。

ところが招待した客やスピーチを依頼した客が曲者揃い。新郎の上司としてスピーチを依頼された男はこのスピーチに自身の威信をかけて臨んでいる。開演VTRを担当した映像ディレクターは自身の好みのフランス映画調をふんだんに盛り込んだ独特な映像を披露し、乾杯の挨拶を頼まれた新婦の上司はウケを取ることにプライドをかけている。

結果、この3人の時間で押しに押されてしまったのだ。しかし新郎新婦は余興を含めて全員に予定通り協力してもらいたい。

そうなると、予定時間より1時間分の短縮が必要となる。ここでプランナーの出番。プランナーの中越は新郎新婦の願いを実現させるべく、皆で団結して困難に立ち向かうのだ。

ちょっと無理のあるプランなのも面白い。3分でケーキ入刀終わりって…


参加者たちのそれぞれの思惑やここに至るまでの経緯も描かれていて、彼らの背景や心境が分かりやすかった。

しかし、それが結婚式というもので、新郎新婦は元より、参列者も一人として欠かさず満足させることが求められるのだろう。プランナーさんたちは本当に大変だ。


脚本がバカリズムなのだが、披露宴が無事に終わってひと段落したと思ったその先に、もうひと展開があったのはさすがと思った。

分かってる!そうなのだ!あれでハッピーエンドだ、いろいろあったけど上手く事が運んで素敵な結末だで終わっていたら物足りなかった。

実はさらにその裏側にもう一つのドタバタ劇が生まれていたという仕組み。

そのもう一つのドタバタ劇の中心を飾るのは、新婦を式場から奪いに来た元カレと、式場に潜り込んだ泥棒である。

もはや式とは別の舞台で起きていた事件。しかし、この元カレにもまた新婦に対する並々ならぬ思いと、思いがけない事件との遭遇が展開される。

結婚式とは、内側も外側もドタバタと忙しいものである。ただ、本当に思いもよらないところで、影ながら様々な人々が支えてくれて初めて新郎新婦の幸せが形作られるのだと感じられた。







第1505作目・『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』

(2000年・日本)
〈ジャンル〉アニメ/ミステリー



《あらすじ》


『ある雨の日、少年探偵団たちは一人の刑事が電話ボックスの中で射殺される現場に遭遇した。またその日の夜、今度は別の刑事が何者かに狙撃されて亡くなる。警察内部では一連の事件の背景について目星をつけているらしいが、それは小五郎にも伝えることのできない極秘情報であった。そんな中、白鳥警部の妹の結婚パーティーが開催された。蘭やコナンたちも招待されるパーティ会場には当然のことながら警察関係者が集まっていた。やがてパーティの途中で会場が停電。その際、トイレに行っていた佐藤刑事に犯人の銃口が向けられ、佐藤刑事は狙撃されてしまう。ちょうどその時トイレにいた蘭も佐藤刑事の狙撃現場を目撃。佐藤刑事は重傷を負い、緊急手術を受けるも死線を彷徨うこととなり、蘭は目覚めた時、ショックのあまり過去の記憶を失ってしまうのだった。やがて蘭の身の回りに不審な人物の存在が見られるようになり、コナンは危険を感じ始める。どうやら蘭は犯人を目撃していたらしく、犯人が蘭の命を消そうと目論んでいるのだ。そんな中、記憶を取り戻すきっかけを掴むため、蘭は新一との思い出の場所であるトロピカルランドへ出掛けることになる。


〜蘭の瞳に隠された狙撃犯(スナイパー)を探せ!〜


《監督》 こだま兼嗣

(「シティーハンター 愛と宿命のマグナム」「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」)

《脚本》 古内一成

(「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」)

《声の出演》高山みなみ、山崎和佳奈、山口勝平、神谷明、茶風林、緒方賢一、大谷育江、林原めぐみ、高木渉、湯屋敦子、森川智之、井上和彦、ほか



これまですべてのコナン映画は見てきたが、コナン映画の中で一番おもしろいのはこの作品だと請け負える。
当時見てもおもしろかったが、今見てもすごく良い。ストーリーといい、サスペンス性といい、犯人の意外性といい、最高である。かなりレベルが高い。
蘭が記憶を取り戻すきっかけとなる瞬間も、しっかり伏線を張っていて素晴らしい。
何より、「キミがいれば」がかかる瞬間も犯人から逃げるだけだった二人が形勢逆転する瞬間で、ベストタイミング過ぎて神がかっているのだ。
やはり劇場版には「キミがいれば」が欠かせない。

本作では蘭は事件のショックでこれまでの記憶を失ってしまう。父や母のことも、親友のことも。
園子が記憶を失った蘭に涙しながら、それでも親友であることは変わらないと呟くシーンがある。
最後に記憶を取り戻した蘭が園子のことを見て「私の親友」と称し、それを聞いた園子は蘭に抱きつく。二人の友情にちょっと泣けた。







第1507作目・『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』
(2014年・日本)
〈ジャンル〉アニメ/ミステリー



《あらすじ》


『ある日、コナンたちは鈴木財閥が建設したベルツリータワーのオープニングセレモニーに参加した。しかしその式典の最中、ベルツリータワーの遥か遠くからの銃弾が飛来し、タワー内にいた一人の男性が射殺される。コナンは急いでターボエンジン付きスケートボードで犯人を追いかけるも、手榴弾でパトカーを爆破させた犯人はその混乱に乗じて行方をくらましてしまった。FBIと警視庁の合同捜査で容疑者として浮上したのは、元ネイビーシールズの隊員であるティモシー・ハンターだった。捜査本部はハンターを最重要容疑者として挙げ、次に狙われる人物に接触を試みる。しかし、第二の事件が起こり、直後に第三の事件が発生。第三の事件の被害者はなんと、容疑者であるハンター本人だった。連続狙撃事件の報道で日本中がパニックに陥る中、コナンは周辺の情報から次のターゲットがマーフィーという人物であることを突き止める。狙撃地点で狙撃を阻止しようとするコナンだったが、逆に狙われたコナンを守ったのは世良真純だった。世良は負傷し、マーフィーも狙撃されてしまう。犯人が現場に残したキーアイテムから、コナンは次の狙撃現場を推理し始める。


〜夜空を貫く正義の弾丸!その眼に映る禁断の謎!!〜


《監督》 静野孔文

(「名探偵コナン 沈黙の15分」「劇場版 シドニアの騎士」「GODZILLA 星を喰う者」)

《脚本》 古内一成

(「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」)

《声の出演》高山みなみ、山崎和佳奈、山口勝平、小山力也、緒方賢一、日髙のり子、林原めぐみ、池田秀一、置鮎龍太郎、中井和哉、大塚周夫、福士蒼汰、ほか


この当時、ラストの赤井秀一の「了解」の声はファン層衝撃(…というよりも、「やはりか」みたいな衝撃)だったと思うし、世良やFBIが本格的に関わってくるのが新鮮な劇場版だったと思う。

が、そういったキャラクターに当たるフォーカスよりも、犯人やハンターら元米兵たちの人間ドラマにフォーカスが当たり過ぎていて、なんか終始乗れなかった。


やっぱり「キミがいれば」が聞けないと物足りないのだなぁ。