世界各国の国力を評価したところ、大韓民国が6位になったという調査結果が出た。昨年の同じ評価によるものよりも2段階順位を上げ、フランスと日本を上回った。これは、米国のニュースマガジン「U.S.ニューズ&ワールド・レポート」が「グローバル・マーケティング・コミュニケーション企業VMLY & Rの系列会社であるBAVグループとペンシルベニア大学ウォートン校がこのほど調査・発表した『2022ベスト・カントリー・ランキング(世界最高の国ランキング)』のうち、『パワー・ランキング(世界国力ランキング)』部門で韓国が6位になった」と報道したものだ。-朝鮮日報
米国の名門ペンシルベニア大学ウォートン校とマーケティング企業が共同調査した「2022パワー・ランキング(世界国力ランキング)」で、韓国が6位となり、8位の日本を抜いた。国の敏しょう性や起業家精神など10の要素をまとめ、主観式の点数により順位をつけたものだ。- 朝鮮日報
ネット記事をみていたら韓国がいよいよ国力で日本を追い抜いたという記事があり、日本はそこまで転落したかと思ったのだが、やはり出典をたどってみたら、一部の指標を切り抜きして針小棒大にしたものだった。メディアリテラシーは大切だ。中韓のメディアの報道を、日本の左翼メディアが意図的に誤用するケースもあるので、ちゃんと解説する必要がある。
論拠の「U.S.ニューズ&ワールド・レポート」の調査は、「U.S. News Best Countries」(ブログ主訳「世界最高の国ランキング」)であるが、この総合順位を算出するサブカテゴリーは10項目あり、種明かしをすれば、そのうちの1項の「Power」の項目で韓国が日本を上回ったというだけの話である。
なお、世界最高の国ランキングの総合順位では日本は世界第6位で、韓国は世界第20位であり、日本が遥かに上位である。さらにサブカテゴリの順位も次のとおりである。韓国が日本を上回ったのは10項目中、「Power」の1項目だけである。これを殊更に強調する意味があるのだろう・・・?K-popやら韓国ドラマが人気なのは事実だが、それでもCultural influenceでは日本が上手である。
・Adventure:日本28位・韓国51位
・Agility:日本4位・韓国13位
・Cultural influence:日本4位・韓国7位
・Enterpreneurship:日本3位・韓国6位
・Heritage:日本9位・韓国30位
・Movers:日本8位・韓国13位
・Open for Business:日本39位・韓国76位
・Power:日本8位・韓国6位 ← 逆転したのはこの項目のみ
・Quality of life:日本14位・韓国24位
・Social Purpose:日本23位・韓国42位
※日本が上位なら赤、韓国が上位なら青で表示している。
ちなみに、韓国が日本を上回った「Power」の項目であるが、この項目は次の通りだ。数字はスコアを示す。ほぼ互角か日本が上だが、唯一大差なのは「強力な軍事力」の項目のみである。算出方法は不明だが、日本は憲法上、軍事力の行使が限定されていることが斟酌されていると想像する。結局、国力の内訳をみれば、韓国が上手なのは軍事力のみであるということだ。輸出力・政治的影響力でも韓国が日本をやや上回っているがほとんど誤差の範囲だ。
・A leader:日本44.3・韓国22.5
・Economically influential:日本95.4・韓国79.8
・Has strong exports:日本82.8・韓国84.0
・Politically influential:日本47.3・韓国48.6
・Strong international alliances:日本75.6・韓国66.4
・Strong military:日本25.3・韓国79.1 ← 大差なのはこの項目のみ
韓国は半世紀前はアジア最貧国で、20年前でも韓国の一人当たりGDPは日本の3分の1だったから、韓国が日本にキャッチアップしてきたのは事実である。しかし、全体的な国家の総合力ではまだ格差がある。日本はピークアウトして衰退傾向だが、韓国は現在がピークである。韓国は今年の合計特殊出生率は0.8人を割ると言われている。日本も少子化が著しいが、それを大きく上回る超少子化国家である。高齢化率でも2050年には日本を追い抜くが、韓国の年金や社会福祉は日本のそれより脆弱であり、今後、急速に衰退すると容易に予想できる。
日本はたしかにもはや抜きんでた経済大国ではないし、おそらくインドにも十数年で経済力で追い抜かれるだろう。しかし、治安は極めて良いし、文化は豊かで、国土は雪国から南国まで全国津々浦々風光明媚で、経済的にも上位層である。抜きんでた国ではないかもしれないが、十分豊かな国である。改善すべき点は多いが、しかし、過度な日本悲観論に陥ることは何ら生産的ではない。