「バーフバリ」「きっと、うまくいく」でインド映画にはまったが、年々インド映画はクオリティを増しており、国際市場でますます存在感を増しそうだ。観終わった感想は「クッソワロタ(良い意味で)」。少年ジャンプも顔負けの主人公たちの無双ぶり、ハリウッドも腰を抜かすご都合主義、戦慄するほどのドヤ顔、仰々しい音楽、恥ずかしくなるほどのド派手な演出、赤面ものの定番の展開。

しかし、インド映画になるとどうしてこうもサマになるのか。ほんとカッコ良い。ダンス勝負の展開とか日本映画なら赤面ものだったろうけど、主人公たちのインドの踊りはほんと躍動感があってエキサイティングでパワフルで凄い良かった。凄い説得力。そして3時間の長丁場なのに全然飽きない。ほんと一瞬。全体的に楽曲も良くて楽しめる。ラストが特によかった。

 

ただ映画の演出の問題だが、インドを植民地支配していた英国がかなり悪役として描かれてますね。部外者の感想としては「ブリカス、ザマァw」でしたが笑。大英帝国は負の遺産が大きいですね。日本文化と真逆のインドの生命力溢れるパワフルさがほんとたまらない。インドは歴史的には非常に強大な国で長い歴史と豊かな文化のある国で、それが重厚で説得力ある作品を創り出しています。ほんと一度観てみてほしい。インド映画のノリに慣れればほんと楽しめる。

 

ほんと本作はぜひ大画面と大音響で楽しむべきなので、ぜひ劇場で鑑賞してほしい。

 

インドは2回いったけど、もう一度、行きたい。インド文化とかインドの宗教とかいろいろ勉強してみたいなぁと思った。インドはもうすぐ中国を追い抜いて世界最大の「人口大国」になる。2030年にはGDP規模で日本を追い抜き世界最大3位の「経済大国」になるとも言われている。すでに米国のIT大手のCEOなどはインド系が活躍しているが、これから国際経済・社会でますますインドの存在感は高まっていくことだろう。

 

★ 4.0 / 5.0

昨日、東京文化会館の小ホールでピアニスト梯剛之の 「ベートーヴェン後期三大ソナタを弾く」というコンサートへ行ってきた。曲目は次のベートーヴェンの晩年のピアノソナタの傑作である。

 

・ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109

・ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110

・ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

 

アンコールでは、ドビュッシーの月の光とショパンのノクターン2番が奏でられた。

 

ちなみに、東京文化会館は、前川國男の設計である。小ホールはどこか石造りの古代神殿みたいな神々しさがあって好きだ。

 

梯剛之は盲目のピアニストであるが、ロンティボーコンクール第2位の実力者である。ショパン国際ピアノコンクールでも上位入賞が期待されたが、目印にしているピアノのキーを打鍵してしまい余計な音が鳴ってしまったことや、指示速度よりも遅い演奏をしたことなどが重なって予選で敗退となった。しかし、観客からの支持は厚く「ワルシャワ市長賞」を特別に受賞することとなった。

 

ベートーヴェンのピアノソナタは通常は3楽章から成るが、なぜ最後のソナタは二楽章しかないのだろうか。一定の秩序の中で、2つの主題が理性的にせめぎあってアウフヘーヴェンするというソナタ形式は啓蒙主義的であるが、もはやフランス革命の失敗でそれが幻想だと発覚してしまった。もはやソナタ形式を書く時流ではなくなったのだ。晩年のベートーヴェンの作品には1曲に様々な形式が出現する。これは百花繚乱のその後の自由社会を予感させる。

 

肝心の演奏であるが、毎度思うが、ベートーヴェンの演奏について、何も当方は語れない。深淵な音響哲学の世界。哲学者アドルノもベートーヴェンの音楽研究を畢生のテーマとしたほど、極めて深淵であり、当方がどうこういえるものではない。

 

梯氏のドビュッシーとショパンの演奏でいうと、どこか悟りを開いたような落ち着きを感じる。奇をてらったところもなく、派手さも求めるわけでもない。中立的に公正に音響を構築する極めて冷静な演奏家だと思った。

 

渋谷で映画「響け!情熱のムリダンガム」を観てきました。原題はSarvam Thaala Mayamで、直訳すると”すべてがリズムに満ちている”。インドのチェンナイで暮らすインドの楽器ムリダンガムの職人の息子ピーターは、父が作ったムリダンガムで巨匠演奏家がカルナータカ音楽を演奏するのを見たことがきっかけで、自身も奏者になりたいと思うようになり、巨匠に弟子入りし修行に励む。しかし、残るカースト差別などにも直面しつつ、彼は独創的な演奏家として人気をつかむ。

※インドの伝統音楽は大きく分けると、もともとのヒンドゥー教にイスラム王朝の出現もあって、2つの要素が混交し、北(ヒンドゥ・スターニー音楽。情緒的・イスラーム的)と、南(カルナータカ音楽。インド古来の理論的・ヒンドゥー的)の2系列に分かれたそうだ。

東京国際映画祭に出品されたが、なんと日本での配給は荒川区のインドカレー屋さんというから驚き。おかげで良い映画が観れました。日本でも上映はミニシアター1~2か所である。今回観に行ったら上映後にカレー屋さんのオーナーと東海大准教授の川尻道哉さんが出てきてトークショーがあった。

インド映画であるが、日本人にも音楽も聴き馴染みやすいし、ストーリー分かりやすくてよいです。試験を抜け出して映画を観に行くところの音楽が凄い好きだった。主人公がインドを巡るところの映像が、インドの多様性が分かり、またロードムービー的で良かったです。

インドには2回行ったけど、北部だったので次は南部に行きたいな。久しぶりに渋谷のイメージフォーラムいったけど、渋谷でインド映画ってのもおつですね。それにしても渋谷のハチ公前の混雑はもう30過ぎのおじさんにはきついですね( ̄▽ ̄;) 年々混雑増している気がするけど、観光客やに加えて、ユーチューバーとかの撮影も多いので尚更。コロナ鎮静化して海外の観光客増えたら年中ハロウィン並みの混雑になりそうですね。

 

世界各国の国力を評価したところ、大韓民国が6位になったという調査結果が出た。昨年の同じ評価によるものよりも2段階順位を上げ、フランスと日本を上回った。これは、米国のニュースマガジン「U.S.ニューズ&ワールド・レポート」が「グローバル・マーケティング・コミュニケーション企業VMLY & Rの系列会社であるBAVグループとペンシルベニア大学ウォートン校がこのほど調査・発表した『2022ベスト・カントリー・ランキング(世界最高の国ランキング)』のうち、『パワー・ランキング(世界国力ランキング)』部門で韓国が6位になった」と報道したものだ。-朝鮮日報

 

米国の名門ペンシルベニア大学ウォートン校とマーケティング企業が共同調査した「2022パワー・ランキング(世界国力ランキング)」で、韓国が6位となり、8位の日本を抜いた。国の敏しょう性や起業家精神など10の要素をまとめ、主観式の点数により順位をつけたものだ。- 朝鮮日報

 

ネット記事をみていたら韓国がいよいよ国力で日本を追い抜いたという記事があり、日本はそこまで転落したかと思ったのだが、やはり出典をたどってみたら、一部の指標を切り抜きして針小棒大にしたものだった。メディアリテラシーは大切だ。中韓のメディアの報道を、日本の左翼メディアが意図的に誤用するケースもあるので、ちゃんと解説する必要がある。

 

論拠の「U.S.ニューズ&ワールド・レポート」の調査は、「U.S. News Best Countries」(ブログ主訳「世界最高の国ランキング」)であるが、この総合順位を算出するサブカテゴリーは10項目あり、種明かしをすれば、そのうちの1項の「Power」の項目で韓国が日本を上回ったというだけの話である。

 

なお、世界最高の国ランキングの総合順位では日本は世界第6位で、韓国は世界第20位であり、日本が遥かに上位である。さらにサブカテゴリの順位も次のとおりである。韓国が日本を上回ったのは10項目中、「Power」の1項目だけである。これを殊更に強調する意味があるのだろう・・・?K-popやら韓国ドラマが人気なのは事実だが、それでもCultural influenceでは日本が上手である。

・Adventure:日本28位・韓国51位

・Agility:日本4位・韓国13位

・Cultural influence:日本4位・韓国7位

・Enterpreneurship:日本3位・韓国6位

・Heritage:日本9位・韓国30位

・Movers:日本8位・韓国13位

・Open for Business:日本39位・韓国76位

・Power:日本8位・韓国6位 ← 逆転したのはこの項目のみ

・Quality of life:日本14位・韓国24位

・Social Purpose:日本23位・韓国42位

※日本が上位なら赤、韓国が上位なら青で表示している。

 

ちなみに、韓国が日本を上回った「Power」の項目であるが、この項目は次の通りだ。数字はスコアを示す。ほぼ互角か日本が上だが、唯一大差なのは「強力な軍事力」の項目のみである。算出方法は不明だが、日本は憲法上、軍事力の行使が限定されていることが斟酌されていると想像する。結局、国力の内訳をみれば、韓国が上手なのは軍事力のみであるということだ。輸出力・政治的影響力でも韓国が日本をやや上回っているがほとんど誤差の範囲だ。

・A leader:日本44.3・韓国22.5

・Economically influential:日本95.4・韓国79.8

・Has strong exports:日本82.8・韓国84.0

・Politically influential:日本47.3・韓国48.6

・Strong international alliances:日本75.6・韓国66.4

・Strong military:日本25.3・韓国79.1 ← 大差なのはこの項目のみ

 

韓国は半世紀前はアジア最貧国で、20年前でも韓国の一人当たりGDPは日本の3分の1だったから、韓国が日本にキャッチアップしてきたのは事実である。しかし、全体的な国家の総合力ではまだ格差がある。日本はピークアウトして衰退傾向だが、韓国は現在がピークである。韓国は今年の合計特殊出生率は0.8人を割ると言われている。日本も少子化が著しいが、それを大きく上回る超少子化国家である。高齢化率でも2050年には日本を追い抜くが、韓国の年金や社会福祉は日本のそれより脆弱であり、今後、急速に衰退すると容易に予想できる。

 

日本はたしかにもはや抜きんでた経済大国ではないし、おそらくインドにも十数年で経済力で追い抜かれるだろう。しかし、治安は極めて良いし、文化は豊かで、国土は雪国から南国まで全国津々浦々風光明媚で、経済的にも上位層である。抜きんでた国ではないかもしれないが、十分豊かな国である。改善すべき点は多いが、しかし、過度な日本悲観論に陥ることは何ら生産的ではない。

英国貴族クローリー伯爵家の住むダウントンアビーを舞台にしたドラマの映画二作目。125分の中にいろいろな出来事が目白押しであっという間。観終わってみると、「新たなる時代へ」の副題の意味がなかなか重かった。1928年を舞台に、大英帝国の落日とアメリカの台頭という時代の変わり目を感じる。

雨漏りする居城、改修のための費用稼ぎに映画撮影の舞台にせざるを得ない懐事情が、当時の貴族社会の凋落を物語る。一方で、英国階級社会では下層だったモールズリーやバローは米国流の資本主義・自由社会の恩恵を受ける。それにしても、アイリッシュのトム・ブランソン(現伯爵の三女の旦那)はこんな貴族社会にどっぷりでいいのだろうか・・・?(英国流の猛烈な皮肉?)風雅な有閑階級が、時間と金銭によって計られる時代に移ろっていく様が随所に感じられる。

本作の主役は現伯爵のお母さんのヴァイオレット。ドラマで描かれたロシアの大公との恋バナに続き、本作ではフランスの侯爵との若かりき頃の思い出も登場する(ちなみに、公爵と侯爵で位は違うのに、日本語の発音は同じなので紛らわしいが、西洋の爵位を翻訳する際に中国・周王朝の位階を採用したためである。中国語だと公と侯は発音が違う。)。なお、1920年代はフランスは第三共和政の時代なので侯爵は公的な身分ではかったはずである(自称することは問題ない)。

ダウントンアビーのドラマシリーズは惜しまれながら終わったが、その後、映画でクローリー家のその後が描かれて嬉しい。本作の舞台は1928年だが、続編があるとすると、次は30年代、次は40年代だろうか?日本での本作公開の前にエリザベス女王が崩御。ちょうど約100年前を舞台にした”新時代”の幕開けを観れてよかった。

 

なお、以下は気になって調べたお金のお話。

ヴィクトリア朝時代(1837年から1901年)、医師や公務員の中流家庭で約300ポンドから800ポンドだったところ、貴族は3万ポンドほどの収入だったと言われいてる。社会情勢・経済情勢が異なるので比較はできないが、無理やり比較すると、日本の医師の年収は約1100万、キャリア官僚は1000万(全年齢平均)ぐらいというデータがあるので、これを無理くり基準にすると、貴族の年収は少なくとも最低でも4000万円~1憶円ぐらいはあったと思われる。当然、貴族とはいえども、税制も違えば、爵位や領地によっても異なるので、あくまでボーダーの最低ラインの話である。

 

現在、英国で最も裕福なウェストミンスター公爵の資産は1.5兆円なので、総資産を1%で運用しでも、税引き前で年収150億円にもなる。現英国王は前女王から600億円程度の私的財産を相続したが、これを1%で運用すると年収6億円ほどである。日本にも華族があったが、戦後にGHQに廃止され、莫大な財産税を課されて日本の上流階級は破綻し、総中流社会となった。昨今、階級社会化が進んでいるが、現在の先進国でアッパークラスなのは年に5000万円ぐらい収入がある世帯からだろうか。

 

日本だと、厚生労働省が公開する「2019年 国民生活基礎調査の概況」だと、平均世帯年収は552.3万円だそうだ(中央値437万円)。大雑把にいえば年収500万もあれば中流層だろう(世帯所得700万以上で上位3割)。当然、独身か否か、子供の有無によっても生活水準はかなり異なるが。国税庁による「民間給与実態統計調査」では年収1000万以上の世帯は全体の4.6%だそうだ。なお、野村證券の基準では富裕層は純金融資産保有額が、1億円以上ある世帯を指し、日本では全世帯約2.5%が該当するらしい(金融資産3000万円以上は13.5%)。こう見ると、日本で年収1000万以上又は金融資産1憶以上というのはかなり限定的であり、日本だと欧州貴族的な生活を送れるのは0.1%ぐらいだろうかと想像する。年収700万以上で金融資産3000万円もあれば立派な中上流階級だろう(これでも上位1割程度と大雑把に推定される。なお、ヨーロッパの貴族は経済資本のみで位置付けられるわけではない。)。世帯年収550万円未満は、世帯の中央値を下回る下層である。上はキリがないが、貧乏は下限があるものだ。そして、ピラミッドよろしく、底辺にいくほど幅広で、頂点にいくほどに先細る。

 

★4.2/5.0