日本の残業時間が大幅減少。3年前と比べ月11時間減に
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」(http://www.vorkers.com/)を運営する株式会社ヴォーカーズ(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:増井 慎二郎)は、社員クチコミによる「平均残業時間推移」を発表しました。2013年からの3年間で月11時間の大幅減少が見られた調査結果となっています。
--- ヴォーカーズ
電通での自殺を受けて、残業時間に対して注目が集まっているが、上記の記事によれば、残業時間は減少傾向だという。残業時間の減少は、労働経済学のロジックでいえば非常に当たり前である。
従来の日本の大企業は終身雇用を前提としていた。終身雇用において、若年労働者は労働量が多い割に給与は低く、一方で歳をとるにつれて労働量は減るのに給与が高くなる。これは、若いときに多めに働いた分の給与を、歳をとった時に取り返しているのである。一生働くことで労働量と所得が等しくなるのだ。労働者としては若いうちに転職してしまうと、働いた分を取り返していないため損になるので会社に残らざるを得ないが、人生のライフコースに合わせて給与が高くなるので(家庭を持ち子供が大きくなるにつれ支出が大きくなるとともに給与も高くなる)ので、当該支給のシステムは合理的ともいえる。昔の人が我慢してでも終身雇用の企業にしがみついたのはそれが経済合理的だからであって、愛社精神によるものではない。
日本経済はこれから縮小していくので、若い分の多めに働いた分を歳を取ってから回収できる確率が下がっている。つまり、若いうちに一生懸命に働いても、途中でリストラされたり、会社が倒産すれば、働いた分だけ損になってしまう。いまやパナソニックが追い出し部屋でニュースになり、SHARPが台湾企業の傘下に入り大規模リストラを行い、東芝が不正会計で大赤字を出す時代である。こうなってくると若いときの多めの労働が無駄になる確率が高まるので、若い人ほど残業を行うことを不合理だと考えるのは当然の流れである。
かつては転職ができないのでサービス残業を行うことも致し方がなかったが、終身雇用が崩壊する中でそれを行う合理性は乏しい。賃金の不払いは労働法違反なので、社労士会や労働局の窓口があるので相談すればよい。以前、外資系企業勤務の友達が、会社が辞めさせてくれないがどうしたらいいのかと相談してきたが、社労士会の電話相談があると指南したところ、そこでアドバイスをもらいそれを会社に伝えたところ、会社側が「こいつは本気だ」と思ったのか折れて、丸くおさまったという。日本では空文化しているようなところもあるが、非常に頼れるアイテムであり、労働者も法律家をもっと活用すべきだ。電通も強制捜査を受けて、日本は法の支配する国だと悟っただろう。
日本の労働生産性は低いので、無駄な業務が多い。労働人口が減少する中で、より合理的な制度設計が求められる。企業は労働者が黙って働いてくれるなどという幻想は捨てるべきであり、労働者も少しは知恵をつけて会社に物申すことが必要であろう。
以下、おすすめ本。
労働経済学の入門として読みやすいのでおすすめ。
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