![]() | 毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代 今を読み解くキーワード集 (光文社新書) 799円 Amazon |
三浦展氏は、一橋大社会学部卒業後にパルコに入社、その後三菱総合研究所に転職し、現在は株式会社カルチャースタディーズ研究所の代表取締役である。大学でも教鞭をとるマーケティングや消費・社会・都市の動向の研究から、次世代の社会デザインを提唱している。「下流社会」などは三浦氏の造語である。本書は三浦氏の生み出した多くのキーワードをまとめた一冊。データも一応参照しているようだが、論拠付が弱い個所が散見される。最近の日本の消費・社会・都市の動向を概略するにはちょうど良いが、三浦氏のつくった用語の解説集で読みごたえがない。
大正~昭和初期に中流社会の消費生活の原型が確立された第一の消費社会。第二の消費社会は戦後で、経済成長によって第一の消費社会にて確立した消費社会が大衆化した。みんなが持っている物を自分も持ちたいという欲求が主軸にあり、より多くの物を、より大きな物が志向された。1970年以降は第三の消費社会であり、物が十分に普及したため、消費の個性化やブランド志向が強まる。しかし、2000年ころからそれすら飽和し、第4の消費社会となるのである。ここでもはや物質的な豊かさからの脱却がはかられ、ブランド志向は弱まり、個人で持つことからシェアエコノミーのように共有することが志向される。現代はこのような時代にあり、ブランドショップの多い百貨店の売り上げが減少しているのは当然の流れだという。
いくつか自分に当てはまると思ったのがいくつかある。1つは「新・四畳半暮らし」である。自営業が多かった時代は職住一致だったが、サラリーマン人口が増える中で、徐々に職住分離が進み、都心の郊外にマイホームを構えることが一般的になった。しかし、その結果として通勤時間が長くなる。長時間通勤している親を見て育った世代は、通勤で疲れた親をみた世代はそれを嫌い「職住近接」を志向するようになる。それが現代の若者であり、狭くとも都心にある部屋が人気なのはそういう理由だという。現在だと写真を撮る、音楽を聴く、動画の視聴、電話・メールをする、読書をするなどもまとめてスマフォ1台で済む。様々な物が電子化される中で、持たなければならない物が減っている中、広い部屋に住む必要性は減じている。また、一生独身やディンクスなど多様な生き方がある中で、狭いが都心の住宅への需要は高まるだろう。私もドア to ドアで通勤時間が20~25分という職住近接タイプなのでこのタイプである。
本のタイトルになっている毎日服を着るというのは最近流行のミニマリストのスタイルである。スティーブ・ジョブズで一躍有名になったと思う。彼は上は黒のタートルネック、下はジーンズという服装に彼は統一していた。ちなみに、上はイッセイミヤケで、下はリーバイスだからシンプルな服装だが意外とお高い。オバマ大統領もスーツの色などを統一しているらしい。決断すべきことが多いので、何を着るべきかという服装の決断の時間を削減したいのだという。彼らほど私のような庶民は重要な決断に時間を割くことはないが、同じ友達と何度も月に会うことはないので服装のバラエティも正直そこまで要らない。同じタイプの服装でも色違いで何着か持ったりするのがいいかもしれない。私の場合は、普段使いのブランドは三陽商会のクレストブリッジに統一して、消耗品はユニクロにしようかと思う。何軒もショップを回るのが好きな人ならいいが、ショップを回るのが辛い私のような人にとっては私服の制服化が合理的かもしれない。

