ここ数日仕事が忙しくいろんな情報をウォッチできていなかったのですが、平成29年の司法試験の受験者数の速報値が公開されました。出願者数は6,716人で、去年も1000人以上の減少でしたが、今年も1,014人減少でした。減少率は13.1%。受け控える人が出ることを考えると、受検者数は6100~6200人ぐらいでしょうか。出願者数のピークは平成23年11,892人で、6年で5,176人も受験者数が減少していて、平均減少人数は年862人にもなります。このままいけば2020年に受検者は4000人ぐらいにまで減少すると予測できます。それにしても、速報値が出るのが今年はかなり遅れましたが、早めに出すと、受検者数減少をみて法科大学院進学を回避する人が出ることなどを危惧したのでしょう。大阪大法科大学院すら今年は再募集で、なぜか二次募集の出願期間が終了してからの速報値の公表でしたが、きっと何の関係もないことでしょう。

 

法科大学院は全入どころか、どこも定員割れで、学生の質の低下が著しく、受験者のレベルダウンが酷いと聞くので、今年の司法試験は合格者はさらに減少するでしょう。法科大学院という参入障壁の結果、司法試験は受検者数激減の憂き目にあっているわけです。司法修習で月13.5万円の給費制が復活しましたが、司法試験受験者数の歯止めには全く役に立ちませんでした。なぜなら大学卒業後に法科大学院に行けば24~25歳になります。どこかで浪人・留年すれば25~26歳にもなります。東京だと最低時給で、1日8時間・月20日働くと15万円ぐらい稼げます。院卒で難関の試験に合格してもたった月13.5万円しか貰えないわけですから、歯止めをかけられなかったのも当然です。

 

さらに犯罪は減少し、2015年は戦後最低の犯罪発生件数でした(ソース)。まさにマスコミはいじめ問題を取り上げて若者ネガキャンしていますが、「若者の犯罪離れ」をもう少し報道してもいいのではないでしょうか。さらに2016年は交通事故死者数も、1949年ぶりに3000件代にまで減りました(ソース)。当たり前ですが、そうなれば裁判も減ります。全裁判所の新受件数は2003年をピークに減少傾向で、2003年に比較すると2015年の新受件数は40%以上減少しています。つまり、弁護士の仕事は減少しているのです(もう弁護士歴が長い先生はまだ良いかもしれませんが)。企業弁護士は増加していると言われますが、採用されるのは毎年50~70人程度で合格者の3%程度で、即独する人数と大差なく、増加する弁護士を吸収するほどの雇用は生み出していないのが現実です。おまけに企業弁護士は一般社員と同じ給与体系というところが多く、数年とリスクをかけてつくには割に合わないという人もいます。

 

これを解決するのは簡単で、司法試験の受験資格を撤廃すればいいわけです。法科大学院の高額の学費や機会費用がなくなるので、経済的な問題で受験を控えている優秀な人も司法試験を受けることができるようになります。旧司法試験と同じ制度にし、合格者数のみ1300~1500人にすればいいわけです。そもそも司法書士・弁理士・社会保険労務士などの隣接法曹も多い日本では、法律家は足りていたのであり、政府の司法試験合格3000人合格はそもそも非現実的な数値でした。政府は法科大学院という利権をなかなか手放しませんが、このままでは制度存続は困難です。すでに深刻な状況ですが、さらに悪化する前に無用の長物と化した法科大学院制度は廃止すべきです。2050年には日本の人口は4分の3に減りますから、いま弁護士になったとしても競争はさらに激しくなるでしょう。企業弁護士でもない限り自営業の弁護士には、退職金もなければ、老後の年金は、サラリーマンや公務員の半分ぐらいしかもらえない国民年金しかありません。

 

もいまだ進学を悩んでいる人がいれば、個人的には浪人して民間就職や公務員試験を受けることをお勧めします。法科大学院進学は、あまりにもコストもリスクが大きいです。大きな野心がる人もいるでしょうが、弁護士にならずともかなえられる夢であれば、他の道を進まれることをお勧めします。

三陽商会は英国のバーバリーとライセンス契約をし、人気を博していたが、2015年にライセンス契約を改定し、バーバリーの名称及びホースマークが使えなくなった(チェック柄は使えるらしいが)。後継のブランドとしてはマッキントッシュを投入していた。しかし、2日前に発表された決算では2016年度は、三陽商会の売上が3割減り、営業益は84億円の大赤字に転落した。よく投資においては、1つの籠に卵を入れてはいけないという。これはリスク分散を示す言葉として有名だが、三陽商会はバーバリーのみに収益を依存していたので、バーバリーとのライセンス改定とともに失墜してしまった。分散投資してこなかった三陽商会にツケがまわってきたのだ。三陽商会はバーバリーの商標だけ借りて、日本でデザイン・製造し、安価で提供してきた。しかし、日本の市場は今後縮小するから、こうした廉価販売が、ブランド力をただ傷つけることだとバーバリー本社が判断し、三陽商会は切り捨てられた。

 
三陽商会は今後はネットの販売も増やしていき、不人気ブランドは廃止するという。しかし、私はこのまま三陽商会は経営破綻すると思う。まず、三陽商会のネット通販サイトをみるとアウトレットがあるが、そこでバーバリーの後継のマッキントッシュすら5割引き等で投げ売りされている。売れなくて在庫がたまっているのだろう。バーバリーはラグジュアリーブランドだが、マッキントッシュは実用品ブランドで、性格を異にする。バーバリーの顧客はマッキントッシュを買わないのだ。こんなネットの公式アウトレットで投げ売りされるブランドを誰が買うのか。おまけに三陽商会は大規模リストラを行っているせいか、売り場の店員のレベルが下がっている。例えば、三陽商会のブラックレーベル・クレストブリッジはバーバリー・ブラックレーベルのデザインや売り場を踏襲しているが(私は結構デザインは好き)、現場の店員の対応は悲惨を極める。数店舗まわったが、客がいるのに店員同士でお喋りして、こっちに気をかけないし、こっちがクレストブリッジの服を着ていても話しかけても来ないし、こっちからサイズ云々の質問をしてもこっちの着ている服に言及すらされない。バーバリー時代はこんなことはなかった。優秀なスタッフは、こんな会社には未来がないと転職したのだろう(その選択は正しい)。
 
三陽商会はバーバリーの絶大なブランドのもとで胡坐をかいていたので、マーケティング能力もブランディング戦略も持ち合わせていない。三陽商会の先ごろ発表された戦略は初歩的で幼稚でみるに堪えない。今後は百貨店以外にも出店するらしいが、ブランドを毀損するだけだろう。バーバリーのライセンス改定以後、全ての戦略は的外れでトンチンカンで、正直今後にも期待できない。来年度は黒字などとほざいているらしいが、楽観的に過ぎる。このままでは、三陽商会は経営破綻が濃厚だ。
 
 
ネット証券で株を買い始めたので、株の本を読んでみた。10年前の本だが、本書は導入本としては評価が高い。著者は経済小説も書いているだけあって、ウィットの効いた文章が洒落ていて面白いし、読みやすい。ただ、有名な投資本の要約集という感じは否めない。
 
ただ本書でも書かれているが、効率的市場仮説がいまだに根強く主張されるように、株で設けることはやや非現実的である。ファンドマネージャーが高度な金融工学を駆使して投資した場合と、サルにダーツを投げさせて投資した場合、結果的に収益は差がなかったという。ノーベル経済学賞受賞者のR.マートンや、J.メリウェザーがつくったヘッジファンド「ロングターム・キャピタル・マネジメント」はたった5年で破綻した。現在、証券会社が売っている金融商品の多くは情報弱者を狙ったもので、手数料で稼ぐためのものだ。
 
この前、元証券マンに話を聞いたら、「証券会社の推奨銘柄は買わないほうがいい」と言っていた。大口顧客を設けさせるために庶民に推奨銘柄を買わせて株価を釣り上げて、優良な大口顧客には売るように指南するのだという。いくら庶民が損しようと、大口が儲かればいいのだ。いくらゴミを売っても手数料さえ入ってくれば証券会社は儲かる。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の主人公そのものだ。
 
しかし、市場が効率的ならなぜバフェットやソロスのような人物が出てくるのだろう。これは確率論から求められる。例えば、投資家1万人を仮定する。最初の年に半分が1万ドルもうけ、半分が1万ドル損をして退出するすると、5年目には313人が5年連続で合計5万ドル儲けるのだ。察しが良い人は気が付いただろうが、これを繰り返していき、20年、30年もたつと確率的に勝ち続ける人が数人だけ残る。これがバフェットでありソロスなのだ。じゃんけんして、勝った人だけを残していく場合(確率1/3)で10回連続勝つ人は、59049人いたら1人は出てくる。この1人は天才なのだろうか?違う。単にたまたま勝っただけだ。じゃんけんだと「偶然だろ」で済むが、なぜか株になると、「あの人には株価を予見する何か特殊な手法があるのだろう」とみなが考える -- だから証券会社は儲かるのだ。
 
特にサラリーマンであれば、短期売買で稼ごうとは思わないで、株主優待狙いで得した気分になるぐらいがちょうどいいんだと思う。私もいくつか株を持ってるが、トータルではトントンだ。とりあえず、株主優待が来るのが待ち遠しい。庶民にはこれぐらいの楽しみがちょうど良い。
 
 
 
 
映画好きの人と話していると、「時計じかけのオレンジ」が好きという人が多く、食わず嫌いでずっと観ていなかったが、ようやく観てみた。評価が高い映画だし、たしかに見事な映画ではあるが、自分の感性には合わなかった。監督は鬼才スタンリー・キューブリックである。
 
夜な夜な暴力やセックスに明け暮れる不良グループ。そのトップはアレックス。しかし、ある夜、忍び込んだ家で、殺人を犯してしまい、仲間に裏切られてついに逮捕されてしまう。そこで彼は、政府が推進する科学的に暴力性を除去する治療の第一号に選ばれるが・・・。
 
ディストピア小説がもとで、管理社会と自由奔放の退廃した社会の対比が興味深い。独特のカメラワークなども興味深いが、やはり映画のラストが名シーンだ。管理社会側の政府が治療したアレックスはたしかに治療の効果はあったが、結局、管理社会側の政治的な都合によってその治療の効果を除去される。自由奔放な社会は退廃していく一方だが、管理社会では権力者の都合によって物事が決まってしまうというジレンマを上手く描いている。
 
ただ現在だと、教育水準の向上により、人々は以前よりも賢く合理的に生きるようになり、寿命も延びたし、犯罪も先進国で減っている。管理社会と自由放任の対立というテーマが古いように感じられる。
 
 
 
シャイニングもスタンリー・キューブリックの代表作である。冬の間は豪雪のために閉鎖されるコロラド州デンバーの山の上にたつホテル。もともとはインディアンの墓地で、過去には殺人事件の合ったホテルである。そこに作家の一家が管理人としてやってくる。その一家の子供には不思議な力があり、亡霊がみえるのだ。このホテルには何かがとりついている・・・。徐々に精神がおかしくなり、再び殺人が起きようとするのだった・・・。
 
ただ原作だと、ホテルにとりつく悪霊が人を狂わせるのが明確であるが、映画版だと、雪で閉ざされたホテルゆえ、孤独にさいなまれて精神をおかしくしたとも解釈できる。だから、映画版だとラストシーン(主人公の男が昔の写真になぜか映り込んでいる)の意味がよくわからないものとなっている。しかし、そこを曖昧にすることで、映画の不吉さ・恐怖を強調する効果を狙っているのだろう。ホラー映画の古典となっているが、名作には違いなく、映画好きであれば一度は触れるべき作品である。
英語教員、TOEIC“合格”2割 京都府中学「資質」はOK?
京都府教育委員会は9日、京都市を除く中学校の英語科教員で、本年度に英語能力試験TOEICを受験した74人のうち、府教委が目標として課した英検準1級に相当する730点以上を獲得したのは16人で、約2割にとどまることを明らかにした。最低点は280点で、500点未満も14人いたという。府教委は「英語科教員の資質が問われかねない厳しい状況だ」としている。- - 京都新聞
 
中学の英語の教員の初回のTOEIC平均(74人受験)が、 578点だったらしい。セミナー等を行って受験した二回目の平均が588点。ちなみに、広島大H28年入学者のほぼ全員受験の平均が490点(小数点以下切り捨て)。学部学科によってだいぶ開きがあるが、ほぼ偏差値順で、当然ながら医学部医学科の平均スコアは高い(642点)。大学院の場合、一橋大法科大学院既修者コース合格者のTOEIC平均が702点。東大院生の場合だと、文系院生の平均が800点、理系院生の平均が703点である(生協調べ)。ある程度頭の良い大学の平均が500点ほど、一流の国立大学院生の平均が700~800点程度だ。ある程度頭の良い大学(学部)の平均450~500点ぐらいだろう。日本で最もレベルの高い大学の大学院でも平均は700~800点程度となる。
 
つまり、京都の公立の英語科の教員のスコアは学部生の平均に毛が生えたようなものである。とはいえ、「英語科の教員のレベルが低い、もっと優秀な人材を雇うべきだ」といえるだろうか。中学英語なんてTOEIC 500点レベルでも教えられるレベルのものともいえる。さすがに外国語大学の英語科の教員がTOEIC 500点レベルでは問題だが、京都市を除く田舎の公立中学校の先生の話だ。点数は高いが、人格的に問題がある人より、点数はそれなりでも、まともな性格の人の方が中学の教員には向いているだろう。
 
点数は低くてもいいんだといっているわけではないが、あんまりにも点数に固執するのもいかがなものだろうか。公立中学英語教師の現実的な目標として考えれば、TOEIC 600点ぐらいでいいんじゃないかと思う - - TOEIC 730点はオーバースペックだろう。