英語教員、TOEIC“合格”2割 京都府中学「資質」はOK?
京都府教育委員会は9日、京都市を除く中学校の英語科教員で、本年度に英語能力試験TOEICを受験した74人のうち、府教委が目標として課した英検準1級に相当する730点以上を獲得したのは16人で、約2割にとどまることを明らかにした。最低点は280点で、500点未満も14人いたという。府教委は「英語科教員の資質が問われかねない厳しい状況だ」としている。- - 京都新聞
中学の英語の教員の初回のTOEIC平均(74人受験)が、 578点だったらしい。セミナー等を行って受験した二回目の平均が588点。ちなみに、広島大H28年入学者のほぼ全員受験の平均が490点(小数点以下切り捨て)。学部学科によってだいぶ開きがあるが、ほぼ偏差値順で、当然ながら医学部医学科の平均スコアは高い(642点)。大学院の場合、一橋大法科大学院既修者コース合格者のTOEIC平均が702点。東大院生の場合だと、文系院生の平均が800点、理系院生の平均が703点である(生協調べ)。ある程度頭の良い大学の平均が500点ほど、一流の国立大学院生の平均が700~800点程度だ。ある程度頭の良い大学(学部)の平均450~500点ぐらいだろう。日本で最もレベルの高い大学の大学院でも平均は700~800点程度となる。
つまり、京都の公立の英語科の教員のスコアは学部生の平均に毛が生えたようなものである。とはいえ、「英語科の教員のレベルが低い、もっと優秀な人材を雇うべきだ」といえるだろうか。中学英語なんてTOEIC 500点レベルでも教えられるレベルのものともいえる。さすがに外国語大学の英語科の教員がTOEIC 500点レベルでは問題だが、京都市を除く田舎の公立中学校の先生の話だ。点数は高いが、人格的に問題がある人より、点数はそれなりでも、まともな性格の人の方が中学の教員には向いているだろう。
点数は低くてもいいんだといっているわけではないが、あんまりにも点数に固執するのもいかがなものだろうか。公立中学英語教師の現実的な目標として考えれば、TOEIC 600点ぐらいでいいんじゃないかと思う - - TOEIC 730点はオーバースペックだろう。