小池劇場は、意外と幕引きが早そうだ。築地の豊洲移転問題で、パフォーマンスで移転を延期にしたものの、ろくに問題点が見つからず、結局、豊洲移転の話に戻った。しかし、この時、小池百合子はただ計画をまったく元の通りに戻すと延期していたことの理由がなくなり、自己の責任になるので、築地再開発も行うと明言してしまった。そうしたところ、豊洲にオープン予定だった観光施設を運営する万葉倶楽部が撤退の意向を示した。築地・豊洲の共存では採算が合わないためだ。万葉倶楽部は、都に再三説明を求めたが、明確な回答が得られなかったという。事業者としては赤字を出せないので、当然の判断だ。

 

すでに築地市場で水産仲卸を営む7人が、小池百合子の不当な判断で、不要な維持管理費が生じているとして1憶8000万円の訴訟を提訴している。今回の万葉倶楽部の撤退の場合、契約の前提条件を変更した都側に違約金が発生する可能性もある。おまけに江東区は、観光施設と豊洲市場が一体であることを前提に受け入れを了承していたため、江東区側は、賃料収入が減少してしまうと、難色を示している。築地には選手村と会場の移動のために「環状2号線」が通る予定だったのが、今回の移転のゴタゴタで環2の工事が延期。五輪に間に合うのかどうかも怪しくなってきた。

 

小池百合子は都民ファーストの代表を選挙翌日に辞任してさっさと逃亡した。都民ファーストは先週、党3役が決定したが、音喜多氏などは外され、誰も知らないような人選だった(どのように人選したのかは不透明)。都民ファーストで横領問題を抱える平慶翔は、下村議員を、横領問題の上申書の文書を偽造した件と名誉棄損で刑事告訴すると週刊誌で息巻いている(週刊誌でアピールしてないで、さっさと裁判で白黒つけたらどうだろうか)。都民ファーストの醜聞はこれからだろう。

 

小池百合子のせいで、豊洲移転はめちゃくちゃだ。1億8000万円の損害賠償に、違約金などは誰が負担するのか。都民の血税から支払われるのは到底承服できない。今回の問題の解決法は簡単だ。小池百合子が会見を行い、「延期は間違いでした。豊洲に計画通り移転します。延期にかかった費用は都が負担します。今回のゴタゴタは、元はと言えば、私を選んだ都民のせいです。」と言えば済む話である。小池百合子や都民ファーストに投票した人も同罪だ。

民進党 勘違いしていませんか
本人の政治判断とはいえ、プライバシーである戸籍を迫られて公開すれば、例えば外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか。民進党と蓮舫氏はいま一度、慎重に考えるべきだ。-
朝日新聞社説

 

都議選での民進党敗北の議論の中で、民進党の国会議員が蓮舫の二重国籍問題を取り上げ、ついに蓮舫氏が戸籍を公開するという(ただ本当に戸籍の公開かどうかは怪しい)。この問題で、いくつかのメディアが多様性社会に逆行すると騒いでいる。上記の朝日新聞の社説もその1つだ。これらは明らかに問題を取り違えている。

蓮舫は、1985年に帰化と選挙公報に書いていたから、これが事実に反すれば虚偽事項公表罪に当たる。罰則もあり「2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金」が科される可能性もある重大な罪である。経歴詐称ごときと思われるかもしれないが、新間正次(元参議院議員)のように、学歴詐称で最高裁で有罪が確定した例がある。蓮舫が国籍詐称を行っているのであれば、重大な問題である。

蓮舫は国務大臣経験もある国会議員であり、現在は公党の党首である。その選挙違反について、意味不明な説明をしてきた以上、身の潔白を晴らさねばならない。蓮舫が、二重国籍であったならば、投票しなかった人も多かったはずであり、国民の代表たる国会議員に選ばれなかった可能性は否めない。朝日新聞は「外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか」と論じるが、公人中の公人である蓮舫と、そこらの一般人の話をごちゃごちゃにする論調には首をかしげざるを得ない。選挙公報が虚偽事項ではないことを立証するには、戸籍を公開するしかないのだ。

朝日新聞は、何が違法なのかも分からない加計学園問題で安倍首相を印象論でバッシングしておきながら、蓮舫の公職選挙法違反については擁護するなど、遵法意識が欠落し、単に反自民・反安倍の風を煽る世論誘導装置と化している。新聞に限らず、加計学園問題では、愛媛県元知事の加戸氏が明瞭な説明をしているのにも関わらず、テレビではほとんど取り上げられない(ネット上ではなぜ取り上げられないのかと批判が出ている)。ワイドショー等は番組制作会社に委託している場合も多く、同じ会社がいろんな局の報道番組をつくることがあり、同じような内容になるのだ。日本のメディアは本当に終わっている。

 

新聞各紙は発行部数が激減し、凋落が激しい(ソース)。朝日新聞はこんな低クオリティの記事ばっかり書いてたら、本当に潰れるよ。

6月は株主総会シーズンで法務部は一年で一番忙しい。というバタバタした6月が終わって一息。本日は有給とってレ・ミゼラブルを観てきた。場所は帝国劇場。たぶん初訪問。
{FD0036E5-529E-4B89-94D5-93B820C9E42C}
平日だが満席だった。「レ・ミゼラブル」は1987年にトニー賞8部門受賞のロングランヒット・ミュージカル。ブロードウェイのイメージが強いが、初演はロンドン・ウェストエンドである(「オペラ座の怪人」「キャッツ」もロンドン発)。原作はかの有名なヴィクトル・ユーゴー。
 
ブロードウェイでも以前観たが、やはり日本語のほうが聴きやすい。本当にとても満足で、ラストはスタンディングオベーションだった。一つ気になったが、囚人番号は「24601」だったはずだが、日本語版では「24653」なっていたのが興味深い。韻があわないのだろう。ここらへんは言語の難しいところである。
 
{E1C5589F-019B-415A-9E40-9E2476E22A35}
ロビーにおいてあったパネル。

 

image
階段からみたロビー。1966年に建て替えられてそのままらしい。趣があってとても良いのだが、いかんせん座席が狭い。当時の日本人の身長にあわせているためだ(その10年前に建設された神奈川県立音楽堂はさらに座席が狭かった)。おまけに傾斜もない。建物自体を残すのはいいかもしれないが、ちょっと座席はどうにかしたほうがいいように思われる。

 

森美術館と国立新美術館の二館で同時開催の「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」へ行ってきた。ASEAN設立50周年記念の美術展だ。二館セットで1800円なのでお得。美術館が若干離れているので、移動も含めて観終わるのに3~4時間はかかる。ちなみに、サンシャワーとは東南アジアでよくある晴れているのに雨が降る現象のことである。
 
それにしても、アジアの現代美術についてあまり明るくなかったが、ここまで洗練されているとは思わなかった。日曜だったがかなり空いていた(やはりアジア美術に興味を持つ人が圧倒的に少ない)。予想以上に素晴らしい美術展なので一押し。急成長するアジアのアートのいまがわかる展示会。以下、気になった作品などを乗せます(本美術展は一部を除き撮影可能です)。
 
◆国立新美術館
{9178AB6F-B0B9-4F58-9A40-9C6396F1318F}
手前の赤いオブジェはインドネシアで虐殺された華僑を追悼するモニュメント。
 
{E158F3F7-AA77-4BE6-82F3-4D4192F68290}
これは写真のネガで、紛争で夫を亡くしたマレー系イスラム教徒のタイ人の女性たちが映されているが、陽にさらされて真っ黒になっている。彼女たちはいまは団結して自活しているという。陽にさらされたネガは、みえないが現に存在する人を象徴する。そして黒のネガは反射していまの私たちを映す。黒のネガは忘却された過去と、今を生きる人をメタファーだろうか。
 
image

ホー・ルイ・アンの講演をまとめたインスタレーションが面白かった。インスタレーションとは、場所や空間を作品として展示するアートである。ホー氏は「汗」を労働の象徴(「記号」)として論を進める。植民地支配で隠蔽された「汗」という記号、そこから植民地支配、西洋に対してまた、現代の各国の労働の疎外の実情にも批判的なまなざしを向ける。講演のラスト、エリザベス女王の人形(上記写真)が手を振り、背を向ける。シンガポールがかつて英国の植民地だったことを示唆し、講演を幕を閉じる。

それにしてもプンカワラという職業は初めて知った。東南アジアは年中暑いので部屋の天井に布をぶらさげ(彼のサイトの下から2枚目で布がぶら下がっているがそれに当たる)、それを左右に揺らして扇風機のように使用するが、それを動かす人をプンカワラというらしい。隠蔽された「汗」(労働)の一例で登場するが、興味深かった。

※彼のサイトに講演の写真があった:サイト

 

{D78BC75F-6830-45B4-93CD-8BC85F9727EC}
アンコールには頭部のない仏像が多い。現地では胴体だけの仏像を信仰するが、一方で欧米ではそれを仏教や歴史的文脈から断絶し美術として展示することもある。ベトナム戦争で移住を余儀なくされた作者ディン・Q・レの、美術へのアイロニーを感じる。
 
{3D26FE93-2CC6-4FBE-92E3-882049074829}
ラオスはアメリカに200万トンの爆弾を投下された歴史を持つ。この絵は、爆弾投下直後(着弾前)をテーマにし、破壊・殺戮の一瞬の静寂を描く。あえて破壊の前の静寂を描くことで、これから起こることを観る者に想像させ、それの当事者として立ち合っているかのような臨場感を与えることに成功している。
 

 

 

{CD61D9E5-6CE5-4304-92A7-0204C208916A}
ミャンマー出身のティン・リンは長く刑務所に収容されていたが、そこで看守から着色料を秘密裏に入手し、囚人服などに絵を描いた。ミャンマーの負の歴史を感じさせるアートである。
 

{90C93B4A-6F0C-4A91-A5F1-4DF7BA19944A}

クソンウォンの作品。一面の布きれの中に金のネックレスが隠されており、発見すれば持ち帰ることができる。みんな必死に探しているが、はたからみると滑稽だ。人の欲望をあらわにすることで、消費社会と資本主義への批判的なまなざしを感じる作品。

 

◆森美術館

{1BBF4A5D-DE8A-4CC7-8EB2-E0A175B2A816}

国立新美術館から森美術館へ移動。入口にはアピチャッポン・ウィーラセタクンの像のオブジェが。タイで神聖とされる像を入口に配置し、ASEANの今後の発展を祈っているかのよう。

 

{5B83E5F2-E6AE-43A1-B85A-3F8D7A3C6BCB}
マレーシアのクンユウの作品。マレーシアの都会の写真を用いたフォトコラージュ。これは都市の発展を讃美するかのようにみえるが、俗悪にもみえ、その急速な発展へのアイロニーともとれる。こうした派手なものは観る者を楽しませるが、刹那的な印象もある。そこには失われていくものの郷愁すら観念できない。都市発展の両面性をあらわしているようにも思われる。
 

 

 

image

仏教の思想体系のアビダルマにおける宇宙の要素と、それを存在させる空間を抽象的な図で表現されている。欧米的な物質主義、合理主義とは違うスピリチュアルなモチーフである。

 

{FDE51E46-7ACB-4CDB-9E12-705A6407FDBC}

 

インスタレーションアート。画面の前に大きなクッションがあり寝ころびながら鑑賞が可能。作者のラップから映画・森での創作の様子が次々に動画で流れていく。様々な映像を流し、タイにおける見えざる社会文化の姿を映し出している。
 
{0B2FA94D-B277-460D-B495-3EBCD5BC7564}
仏教の影響を受けたブンマーの作品。お香を練りこむことで微かにお香をにおわせる。ブンマーが妻の治療のために寺院を訪れた経験に基づくという。円形の図形、茶色一色。静謐な印象を与えて、観る者に落ち着きを与える。
 
image
1200個の風鈴が風に揺れて音色を奏でる。フィリピンは暴風雨が多い。そうした空模様を表現しているという。人間は温暖化を引き起こし、気候にも影響を与える。風鈴は鳥獣を追い払う警告としての意味もあるという。鳴り響く風鈴の音を、人間への警告とみるのは深読みし過ぎだろうか。
 
東南アジアはイスラム教、キリスト教、仏教など宗教も多様で、人種もそれぞれ異なり、文化は多様だ。19~20世紀に経済成長から乗り遅れたものの、もともとは文明を築き、偉大な王国が各国にあり、その文化の素地は盤石だ。大戦後にベトナム戦争、ポルポトの大虐殺など暗いニュースがあり文化の断絶があったが、それを乗り越え、いまASEANは経済成長の軌道に乗りつつある。アジアをただの遅れた地域とみるのは誤りだ。負の歴史の超克、経済成長によって生じる歪み、アジア文化の多様性・重層性、アジア社会の活力、本美術展ではそうしたアジアのいまが感じられる。まことに素晴らしい美術体験で、ぜひ多くの人に鑑賞してもらいたい。
 
=追伸=
本美術展はやけにレベルが高いと思ったら、キュレーター4人が参加し、数年がかりの緻密な調査に基づいているよう。調査の様子の紹介サイトがあったので、紹介しておく:サイト

<都議選>自民惨敗、小池系圧勝 安倍政権に打撃

東京都議選(定数127)は2日投開票され、小池百合子知事が代表の「都民ファーストの会」が現有議席を大幅に上回り、選挙協力する公明党などの支持勢力と合わせて過半数(64議席以上)となることが確実になった。都民ファーストは第1党に躍進する見通しで、自民党は加計(かけ)学園問題や都議選応援での稲田朋美防衛相の問題発言などが影響し、過去最低の1965年と2009年の38議席を下回る可能性が高くなった。安倍政権に打撃となり、今後の政権運営に影響するのは必至だ。投票率は前回(43.50%)を上回る見込み。--毎日新聞

 

想像以上に都民ファーストが票を集めて過半数の席を確保し、圧勝した。自民党は国会議員の不祥事が相次いだため、反自民の波が都議選を直撃し、57議席から過去最低の23議席まで減らし、公明党と同数だった。公明党は安定した票を獲得している。これは党の支持母体の違いによる。自民党の支持母体は基本的に地方である一方で、公明党(というか創価学会)は田舎の農村から都市部に出てきた孤独な人々を組織化したので都市部に強い。東京は、三代にわたって東京生まれは数パーセントしかいないことからもわかるが、居所の移動が多い。地元に密着している人たちは少数派で、多数派は浮動票である。この浮動票はマスメディアの扇動に弱い。結局、多くの人は「都民ファースト」という分かりやすいシグナルに反応して投票するので、自民から離党し都民ファーストに鞍替えした人は選挙戦略上は合理的だった。

 

選挙で厄介なのが、若年層はSNSでマスコミ以外の情報源を持つが母数が絶対数として少ないうえに投票率が低く、高齢者層はメディアリテラシーが低いのに母数が多く投票率が高いことだ。マスコミは左翼系が強いので、反自民になりがちで、選挙はマスコミの操作が幾分だが効く。SNSの使えない高齢者は知る由もないが、マスコミが報道しない「平慶翔問題」は深刻だ。

 

元下村議員(元文科大臣)の公設秘書の平慶翔(姉は女優の平愛梨、義理の兄がサッカー選手の長友)は、横領問題で事務所を退職し(下村議員は平氏の問題を情けで表面化しなかった)、そのために自民で出馬ができなかった。しかし、彼は下村議員の不祥事を週刊誌にリークし(結局、ガセネタ)、自民の選挙妨害。都民ファーストから出馬し当選した。しかし、下村議員は横領問題等に関して、民事訴訟を提訴及び刑事告訴の準備中と明かしている。弁護士同席で作成した上申書もあるので、平氏は絶望的だ。平氏は上申書は偽造と主張しているが、退職届の筆跡と同じなので言い逃れは不可能だ。この問題はほとんど報道されていないのは不公平だ。

 

「民主党」や「維新の会」の波のときもそうだったが、波にのって当選した人は不祥事が多い。本人の政策への問題意識、地盤作りの努力とは関係なく票が入るためだ。墨田区の成清梨沙子氏も当選したが、街頭演説も「無理、出来ない」と逃げ回る状態だったが、当選してしまった。これでは地域の活動は不可能だろう。「平慶翔問題」の他にも、都民ファーストはこれから不祥事が出てくるだろう。小池都知事の議会支配による独裁は、迅速な決断が可能かもしれないが、判断を誤れば大きな損失が出る(豊洲移転問題が好例)。この選挙結果によって都政がどうなるのかは、数年後になってみないと分からない。浮動票はしょせんは浮動票。波がなければ票にはならない。2期目に当選する都民ファーストの議員は半分ぐらいだろう。