本日は、中華系アメリカ人のユジャ・ワンのピアノコンサートに行ってきた。本当は都内のコンサートに行きたかったが、あっという間に売り切れていて買えなかった。というわけで、我が国初の音楽専用ホールである神奈川県立音楽堂にいってきた。横浜駅から1駅いった桜木町駅から徒歩6~7分。1954年建築なので、60年以上の歴史がある音楽ホールである。ホール内は木でできており、古いが、音響は良い感じ。ロビーは写真の通り、モダニズム的な雰囲気。歴史を感じる良いホールなのだが、ただ、昔の日本人の身長に合わせて作ってるので(20歳男性で比較すると、1950年の成人の平均身長は現在より約12cm低い)、いかんせん椅子がかなり狭い。身長170 cmの私で膝が前の椅子についてしまうぐらいなので、長身の方は相当窮屈だと思われる。

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ユジャ・ワンは、youtubeでも演奏動画をみること出来るが、趣のある情緒的な演奏ではなく、超人的なテクニックで人気が高く、世界中からひぱりだこのピアニストである。また、派手な服にハイヒール姿というクラシックの殻を破る服装が好きなピアニストである。今回は1部では緑色のロングドレスで、2部はタイトなミニスカの白のドレス。スパンコールがついているのか、なんとも煌びやか。ハイヒールは15cmぐらいはありそうな高さ。初めてワンの演奏をyoutubeでみたときは、服装が気取ってると思っていたが、下記のyoutubeのインタビューで彼女の話を聴くと印象が変わった。動画内でも指摘されるように、単に兆発のためではなく、心地よい服を着ているだけなのだ。それに彼女の演奏を聴けば、演奏がいかに服装とマッチしているか分かる。

 

曲目は急遽変更され、シューマンのクライスレリアーナと、ベートーヴェンのピアノソナタ29番だった。1部の終了時になんとアンコールが入り、カプースチンの変奏曲op.41が演奏され、2部のアンコールではプロコフィエフのトッカータop.11、ラフマニノフの悲歌op.3-1、カプースチンのトッカティーナ、ショパンのバラード1番、トルコ行進曲(モーツァルト作曲、ヴォドロス/ファジル・サイ編曲ver)が演奏された。もうアンコールだけでプログラムがつくれそうなレベル。正確無比な打鍵と、瞬発力のある演奏で会場を沸かせた。芯のある演奏で、また音は明確、低音部の響きは素晴らしい。正統派のクラシックよりかは、ジャズテイストのカプースチン等の方が彼女の本領が発揮されていると思う。特にトルコ行進曲(モーツァルト作曲、ヴォドロス/ファジル・サイ編曲ver)は、彼女の十八番ともいえるが、アンコールのショパンのバラード1番が終わっても鳴りやまない拍手に、「これが聴きたいんでしょ?」とでもいうように弾き始め、大いに会場は盛り上がりそのままコンサートは終了した。それにしても彼女は楽譜をiPadに入れて持ち歩いているとは聞いていたが、アンコールの時にiPadをピアノにおいて演奏するのには驚いた。楽譜をみて演奏するピアニストはいるが、iPadをみて演奏するクラシックピアニストは彼女ぐらいではないだろうか。

 

クラシックの伝統に囚われない彼女の演奏スタイルはなんとも魅力的である。ますますのこれからの活躍に期待である。