格安スマートフォン「フリーテル」ブランドの端末を製造・販売するプラスワン・マーケティング(東京・港)は4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。負債総額は約26億円。「資金繰りの悪化により、債権者の皆様に対して従前どおり支払いを継続することが困難になった」(プラスワン)としている。事業や従業員引き受けについては今後、協議を進める。-- 日経新聞

 

フリーテルは、MVNO(キャリアから無線通信設備を借りて移動体通信サービスを提供すること)では結構勢いがあった企業である。テレビCMでも有名人を起用して知名度は低くなかった。しかし、通信速度に関する表示、シェアにかかる表示等において、不適切な表示を行っていたとして総務省から指導が入っている等(総務省)、新興企業ゆえに運営は杜撰だったようだ。もともとフリーテルは、速度測定アプリにおいてのみ通信速度が速くなるような対策をしていた等とのうわさが出るなど、あまり良い評判は聞かなかったので、個人的には今回の民事再生もさほど驚きはない。ちなみに、端末事業はプラスワンに残っているが、通信事業は楽天に売却している。このおかげで楽天は回線数で、IIJを抜いて業界第1位に躍り出た。ちなみに、私もSIMは楽天を使っている。

 

今後は、MVNO系の企業は淘汰が進むと思われる。まず、MVNOへの流出対策としてキャリアがサブブランドを強化していることがあげられる。ソフトバンクのワイモバイル、AUのUQモバイルがそれである。料金はMVNOより安くはないが、通信の安定性においてはやはりキャリアのサブブランドがやはり良好である。また、MVNO事業は中小企業でも参入可能だったので事業者が乱立しているが、サービスの質で問題のある企業が少なくない。それに、楽天であればポイント還元が高い等、大企業は他の提供サービスとの相乗効果がある。結局、中小のMVNO事業者は低価格路線に突き進めば利益が出ず、高価格路線に進んだ場合はサービスのクオリティで大企業には勝てない。故に、今後は中小のMVNOは淘汰され、大企業の運営するMVNOに収斂していくだろう。プラスワンの今回の民事再生は、MVNO市場の市場淘汰のまだ序章に過ぎないだろう。

 

 

気になっていた作品「マンチャスター・バイ・ザ・シー」を鑑賞。アカデミー賞で主演男優賞・脚本賞を受賞している。マンチェスターというのでイギリスかと思ったら、アメリカのマサチューセッツ州らしい。おまけに「マンチェスター・バイ・ザ・シー」という都市名だという。

 

ボストンに住む一匹狼のリー。アパートメントの便利屋として生計を立てている。そんな彼のところに、兄の訃報が届く。実家のあるマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻った彼は、甥っ子の後見人になったことを知る。兄を失った悲しみにくれながら、甥っ子と今後について話し合っていく。彼の兄は、リーに後見人としてこの町に住むことを望んでいたが、リーは頑なに拒む。どうしてもこの町にいたくない理由があるのだ・・・。心を閉ざし、過去の悲劇を背負いながら生きる主人公を描いた上質なヒューマンドラマである。

 

評判にたがわず、名作である。まず、マンチェスター・バイ・ザ・シーの凍てつく冬の風景が美しい。寒々しい海と空とカモメの群れ。あたかも主人公の内面を映しているようである。そこに悲しげに流れる美しい音楽はアメリカ映画らしからぬ情緒を漂わせる。

 

それにしてもリーの描き方がとてもうまい。彼の甥っ子は二股をかけてアイスホッケーの選手で喧嘩っ早い。おそらくリーも昔はそうだったのだろう。しかし、リーは過去の出来事故にふさぎ込んで人当たりも悪くなっている。バーでいきなり喧嘩し始めたり、窓ガラスを割ってみたりと、自傷してしまう。変えようもない過去に絶望し、そこから後悔・怒りなどの感情が湧き出て、衝動的に粗暴な行動に出てしまうのだろう。映画を通して、特にリーには特に大きな救いはない。人生なんてそんなものなのだ。変えられない過去に囚われつつも生きていかなければならないのだ。

 

若干気になるのはキリスト教の要素が散りばめられているところだ。リーが町に戻ると教会が目に留まる。ジョーの元妻はキリスト教徒だが、リーと甥っ子はその件で、俺たちもキリスト教徒だろという会話をしたりする。ここのキリスト教的な要素をなぜあえて混ぜているのかは良くわからないが、意味深である。リーの人間的な弱さを示したいのだろうか。神は、人に乗り換えられる試練しか課さないという。リーにとってはそれが過去の悲劇だったということか。

 

どうでもいいが、この映画を観て次の短歌を思い出した。

白鳥は 悲しからずや 空の青 海の青にも 染まずただよう

-- 若山 牧水

 

 

この前、経済誌の記者と会ったとき、やはり注目度の高いのはフィンテックや暗号通貨らしい。数年前から話題になっていたが、正直、あまり興味がなかったし、マウントゴックスの倒産など、あまりイメージが良くなかった。ただ、結構普及してきているようだし、ためしに口座をつくって買ってみた。とはいえ、買ってみたものの、仕組み等がよく分かっていないので、ビットコインブロックチェーンに関する本を読書。

 

著者は、早大院で物理学の修士号を取得し、実際にビットコインの取引所を運営しているので、技術的な話をちゃんと押さえている。ビットコインは紙のような媒体ではなく、ネット上でやり取りされる暗号通貨である。ビットコインにかかるブロックチェーンの技術は、自律分散型等と言われるが、これは特定のサーバを持たず、各ユーザが取引処理を担っているからだという。例えば、銀行のシステムは、銀行で管理しているサーバがあるが、ビットコインの場合には、それがないのだ。ではどうしているかといえば、ビットコインの取引を行う場合、世界中にいる「発掘者」と呼ばれるユーザがその取引の処理を行っていくのだ。ちなみに、この発掘者は個人でも可能だが、いまはコストの問題で個人はほとんどいないらしい。このような暗号通貨に関して、改竄の心配をする人もいるが、ビットコインの各取引は全て公開分散元帳として記録されているので改竄は不可能だという。ちなみに、なぜブロックチェーンというかといえば、各取引を一定時間でまとめて1ブロックとして処理を行い、1ブロックの処理が完了した場合、前回に処理されたブロックに連結していくので、ブロックチェーンというらしい。

 

ビットコインの取引をしようと口座をつくって知ったのだが、暗号通貨は実は相当な数がある。なぜいろんな種類があるかといえば、ビットコインの技術をベースに改良したものである。例えば、ビットコインは取引にどうしても10分程度かかるが、リップルだと数秒で完結する。ブロックに書き込める容量がビットコインだと1MBだが、イーサリウムだと1MB以上の書き込みが可能など、技術的な相違によって種類が分かれているようだ。

 

暗号通貨が順調に普及は従来の決済システムを大きく変えるだろう。ビックカメラではすでに全店でビットコインでの支払いが可能である。暗号通貨が世界的に広まれば、もはや両替などする必要性もなくなる。暗号通貨は主にはIT企業がイニシアティブを持っており、フィンテック企業が銀行業務を侵食している。おまけにメガバンクは数万人分の仕事をAIに置き換えるという。マイナス金利の影響もあるが、すでに地銀の半数が赤字だというが、銀行の凋落はこれからが本番である。いよいよ第四次産業革命は本格化していく。

法科大学院の志願者全員に課す1次試験である「適性試験」について、日弁連法務研究財団などでつくる実施団体は2日、2018年度は実施しないと発表した。予定利用校が少ないことが理由で、再来年以降については実施の可否を改めて検討するとしている。法科大学院修了者の司法試験合格者数が伸び悩んでいることなどから法科大学院離れが進み、適性試験の志願者も年々減少。適性試験を合否判定で重視しない大学院も増える中、中教審は来年から各校の任意利用とする方針を決めていた。適性試験は法律知識を問うのではなく、論理性や読解力など、法律家としての適性を探るのが目的とされている。-- 毎日新聞

 

従来は法科大学院進学には適性試験という知能検査のような試験を受けなければならなかった。しかし、法科大学院不人気となり、受検者が激減。結局、どこの法科大学院も定員割れのため適性試験は形骸化。ほとんど強制受験でも志願者が減っていたのに任意化した結果、ほとんどの法科大学院が利用しなくなり、ついに適性試験は廃止されるに至ったのである。

 

それにしてもまだ文科省は法科大学院制度にこだわりをみせているが、いい加減に失敗を認めたらどうだろうか。こんな制度は誰も必要としていない。弁護士1年目の所得は中央値で317万円しかない。中央値は上と下から数えてちょうど真ん中の値であるから、つまり半分は317万未満の所得ということである。法科大学院修了して合格率2割の試験に合格し、司法修習を経て20代も後半で、この程度の所得であればだれも法曹になりたがらない。おまけに弁護士の就職は飽和状態で、就職したとしてもアディーレ法律事務所のように業務停止の処分を受ける可能性もありリスクが高い職種ときている。5年前の平成25年の司法試験出願者数は10,315人だが、今年平成29年は6,716人。5年で出願者が、3分の2に減っており、法曹不人気が明白である。

 

この法曹激増の煽りは他士業にも及んでおり、隣接法曹である司法書士の出願者数は、平成25年に27,400人いたが、今年は18,831人と、司法試験と同じく3分の2にまで減っている。弁理士も志願者数が平成25年時点で7,528人いたが、今年は4,335人と、たった5年で志願者が約43%も減っている。とはいえ、司法制度改革により一時的に法律資格がブームだっただけで(ピークが平成20年前後)、もとの状態に落ち着きつつあるとも言えるのかもしれない。ただそのブームで士業の人数が全体的に増え、士業全体の年収が低下したため、士業全体が沈みゆく業界となってしまった。おまけに人工知能によって法律の仕事は浸食されていくだろう。2025年にも弁護士は5万人に達するが、もはや2030年、2040年に法律家という仕事がどうなっているのか、全く持ってみえない時代になってきたようだ。

第48回衆院選は22日投票、一部を除き即日開票された。安倍政権の継続を掲げた自民党が単独で280超の議席を得て圧勝した。連立を組む公明党と合わせ、安倍晋三首相(自民党総裁)の第4次政権は、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の310議席を上回った。立憲民主党は躍進し野党第1党となったが、苦戦した希望の党が公示前議席を下回り「安倍1強」の状況は崩せなかった。-- 日経新聞

 

2日前に衆院選の投開票が行われ、結果的に自民党の圧勝であった。希望の党は、小池百合子の排除発言をきっかけに逆風が吹き、小池氏のお膝元の東京10区で注目の若狭候補も落選し、結局、立憲民進党が野党第1党となった。副大臣を辞任し、わざわざ自民党から離党して希望の党に移籍した福田峰之は大差をつけられ落選、民進党を離党した馬淵元国交大臣、松野元内閣官房副長官なども落選し、厳しい結果となった。ちなみに、私の大学院時代の知人も希望の党に移籍したが落選していた。小池旋風は完全にやんだ。小池氏は都知事の座にすがりついているが、放置している豊洲問題などをさっさと解決すべきである。彼女の政治生命は尽きたので、あとは自分がやらかした都政の後始末をつけて引退すればいい。

 

それにしても酷いのはテレ朝や朝日新聞の偏向報道である。選挙前の党首討論でも、わざわざすでに解決済みのモリカケ問題を持ち出して首相を叩き、安倍首相が都合の悪い答弁をすると、途中で放送をカットするなどの暴挙に出て、挙句にコメンテーター風情が一国の首相にケジメをつけろ(退陣しろ)と進言する。選挙が終われば、「自民党は勝ち過ぎだ」、「希望の党のせいで批判票が割れたので漁夫の利で自民が勝った」、「野党が候補者一本化すれば逆転する小選挙区もあった」などと負け犬の遠吠えを繰り返している。放送法の政治的中立性の規定を知らないのだろうか。選挙制度改革の今後の制度改革の提言ならまだわかるが、現行制度で自民党圧勝は民意であって、これを無視して、自民党が負けてほしかったという願望を言い連ねるのは明らかに公平性を失している。田原総一郎のような老害はさっさと引退すべきだ。こんな時代遅れの老人がメディアにいるようでは日本のジャーナリズムは終わりだ。必要なのは新陳代謝だ。

 

自民が嫌い、自民を倒せない野党も悪い、自民が圧勝する選挙制度もおかしいと、自民性悪説から発想が出発する。しかしながら、自民党に票を入れたのは国民であって、民意は自民を支持している。ちなみに、若者ほど自民党支持率は高い。民主党政権のときは株価は低迷し、就職率も悪く、最悪の経済状態だった。北朝鮮の有事が現実化する可能性も高まっているなかで現実的な政策を掲げているのは自民党だ。若者は「悟り世代」と言われるが、リアリストなので、日本に何ら期待していない。一人当たりGDPはシンガポール・香港に追い抜かされ、韓国も猛追してきており、日本はアジアで抜きんでた経済富裕国ではなくなり、大学ランキングでも日本はシンガポール・香港・韓国・中国の後塵を拝するまでに凋落。おまけに高齢化ゆえ社会保障費の増大で負担が増加し、年金は払い損。願望や希望的観測しかない野党に票を入れないのは必然であろう。

 

今回の選挙で思うのは、テレビなどの既存メディアと、SNSとのギャップである。既存メディアしか情報源しかない高齢者ほど自民に批判的で、逆にSNSなどで情報収集する若者は自民支持が多い。情報弱者の老人は徐々に減っていくので、今後も自民優勢は変わらないだろう。それにしても朝日新聞はかつては隆盛を誇ったが、2017年前期の販売数は最大の下げ幅を記録。既存メディアはネットに抗えずに徐々に衰えていくだろう。朝日系列のメディアの昨今の自民批判は、死にゆく昭和的リベラルの断末魔なのだろう。