日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題に対し、全国の大学教員や学生らの団体から抗議声明が相次いで発表されている。 国内の研究者約4000人が所属する「日本科学者会議」は3日、「学者、研究者の危機は日本の将来を危うくしかねない。政府の介入を取り下げることを要求する」とする談話をホームページに掲載した。5日に菅首相宛てに文書を郵送するという。-- 毎日新聞

 

菅首相が、日本学術会議に推薦された6人の任命を拒否したことで、学問の自由の侵害だという意見が聞かれ、共産党機関紙の新聞赤旗なども政権批判の論陣を張っている(LINK)。しかし、日本学術会議法第7条第2項にある通り、「会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」のであり、任命権者は内閣総理大臣である。もともと推薦された人員を唯々諾々と任命していた。これを菅政権は解釈を変更し、推薦された人を精査して任命を拒否したに過ぎない。学問の自由への侵害云々の議論は成り立ち得なくはないが、何ら違法な行為ではない。いままでは推薦された人を精査もせずに任命していたが、そのガバナンスの不存在・無責任体質が今回改められたに過ぎない。

 

日本学術会議は科学コミュニティが戦争協力をしたことの反省を標榜しており、1950 年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対に これを行わない」声明を、また 1967 年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研 究を行わない声明」を発しており、これを現在も踏襲している(LINK)。京都大などでは軍事研究を行わないとしているが、例えば、インターネットはそもそも軍事的に開発されたものが民間に広まったのであり、軍事研究とそれ以外との線引きは不可能に近い。軍事利用の転用可能性を言い出すと、化学や物理はもちろん、AIやIT分野などもほとんど研究が出来なくなってしまう。現在の武器はAIやITなどを利用したものが多いからだ。

 

こうした戦争協力への反省を標榜する日本学術会議の会員任命拒否について、大騒ぎしているのはほとんどが左翼なのは偶然ではない。毎回思うが、政府のやり方が嫌なら自民党の候補者を選挙で落とせばいいだけだ。残念ながら国際政治はリアリズムで動いており、中国や北朝鮮の脅威に日本はパワーバランスを保つために防衛能力を持たなければならない。その防衛力向上のために軍事研究は不可欠である。その意味で軍事研究は日本国民の生命と財産を守るための国家プロジェクトであり、血税で運営される日本学術会議がそれに反対するのは論理矛盾である。自虐史観に基づいて軍事研究を忌避し、悪しき戦後レジームに拘泥するのは自由だが、私費でやっていただきたい。

 

日本学術会議は10億円以上の血税で運営されているが(LINK)、学問の自由を標榜するのであれば、完全に政府から完全に独立して民間団体として運営されればいい。学問の自由は、血税を貰いながら会員の任命も好き勝手にやるという我儘勝手な運営を許す論拠にはなりえない。日本学術会議を解散すれば10億円が浮くが、その1億円は若手研究者の研究費用なり、上位大学の研究助成金にあてた方が費用対効果を考えればよっぽど有益である。

レオパレス21が2020年6月末に100億円超の債務超過となったことが25日分かった。20年4~6月期の最終損益は120億円を超える赤字(前年同期は57億円の赤字)となったもよう。施工不良問題による経営不振によって、3月末に自己資本が13億円まで減少していた。- 日経新聞

 

レオパレスは違法建築をテレ東の「ガイアの夜明け」ですっぱ抜かれて、ずさんな施工が明るみに出てから業績悪化に歯止めがかからない。決算発表も8/7に実施予定だったが、経営再建に向けて希望退職を募ったところ、決算業務担当者が想像以上に退職してしまい二度延期して9/30に発表予定となっている。なお、この希望退職では社員の6分の1が退社している。それにしても仮にも東証一部上場企業が、「担当者がみんな辞めてしまって決算発表できない」など前代未聞であろう。決算業務の担当者は会社の財務状態をもろに見てしまうので、彼らが逃げ出すというのは相当に経営がやばいということである。おそらくこれ以上、経営が悪化してから転職した場合、退職金などもカットされる危険も高まる。ちなみに、レオパレスの公式のリリースがこちらである;LINK

 

100億の債務超過といっても明日にも倒産というわけではないものの、レオパレスの経営はかなり危ない。補修工事のコストの他にも、違法建築に住んでいる住居人の転居費用などのコストもかかっており、おまけに企業イメージが毀損されたので入居率が減少し逆ザヤ転落すれすれである。さらにコロナの影響で外国人入居者が多かったレオパレスは打撃を受けている。レオパレス物件は隣の家の人と、壁を隔てて普通の声量で会話できるぐらいの壁の薄さなので(レオパレス伝説で有名だが、youtubeの検証動画をみると隣の部屋の爪切りの音も丸聞こえ)、コロナで在宅勤務をしている場合、取引先との大切な会話も駄々洩れであろう。経営が好転する要素が何もない。

 

悲劇なのはレオパレスの甘言に騙されてアパート経営を始めてしまったオーナーである。建ててしまった施工不良のアパートだけが残される。人口減少社会だから高入居率を維持することは無理である。2018年にはスマートデイズのシェアハウスビジネスの「かぼちゃの馬車」でも不動産ビジネスが問題化したが、不動産ビジネスは初期投資を回収するのに時間がかかる。日本は人口減少が続くのに不動産ビジネスが持続的にうまくいくはずはない。かぼちゃの馬車やレオパレスは、営業マンの甘言に騙されてはいけない今後の良い教訓になろう。

 

 

エマニュエル・トッドはフランスの人口学者だが、人口指標からソ連崩壊を予見し注目を集めた。彼の家族構造から政治・社会を読み解く手法は斬新である。ちなみに、ポール・二ザンの孫である。本書はトッドのインタビューをまとめた本だが、過去にも彼に関する本はいくつか読んで記事にしたことがある(エマニュエル・トッド「問題は英国ではない、EUなのだ」)。本書は前半で教育により新階級化社会となったことを指摘し、後半ではグローバル化の弊害やアメリカ社会の変質について述べている。ただインタビューをまとめたものなのに加えて、フランス人的な(というのかトッド的な)かつ哲学的な(というのか抽象的な)主張ゆえ、若干散漫な印象を受け、特に後半はあまり本の副題とも関係がない。

 

興味深い指摘が、教育機関がもはや支配階級の再生産の場となっているという指摘である。実際、日本においても社会学的な実証研究において社会階層の移動はかなり弱くなっているのは事実である。つまり、親のどっちかでも大卒なら子供は約75%が大卒になるが、両親が高卒の場合に子供が大卒になることは約25%に過ぎない。他にも親の所得水準や地理的な教育資源へのアクセスの容易さによっても子供の学力水準・学歴水準は左右される。教育水準の高い富裕層は、子供にもある程度の学歴を期待して教育費をかけ、再び教育水準の高い子供が再生産されホワイトカラー職に就くが、その逆も然りでグレーカラー・ブルーカラー労働者は親から子へと再生産される。

 

日本はここ十数年で大学進学率は上昇したが、2019年の大学(学部)進学率は53.7%であり(LINK)、半数は四年制大学未満の学歴である。ちなみに、上位大学(神戸・横国・千葉・金沢・広島・上智・明治・青学・立教・同志社・立命館等のレベル以上)の卒業生は年間出生数120万人を基準とすると上位1割程度である(2019年生まれは86万人に過ぎず、少子化により競争は緩和するがそれでも上位15%程度と推定される)。よくメディアには上位大学出身者ばかりが登場するが、そもそもそれが日本全体でみればアッパークラスに所属する人々なのだ。地域格差も酷く東京は大学進学率は7割を超えるが、九州・東北・山陰・四国などの田舎では大学進学率は4割に満たないところが多い。

 

おまけに昨今は上位大学もAO推薦入試が拡大しているが、AO推薦入試のような特殊な入試は普通学校では対応できず、実質的に芸術・スポーツ・ボランティア活動などに費用を割けるアッパーミドルクラス以上の家庭向け入試になっている。特に私立大の場合、早慶ですら約4割はAO推薦で入学し、上智大は6割近く、関西学院大にいたっては7割近くがAO推薦という非学力入試で入学している(ただ理科大は8割が一般入試組で、明治大も7割が一般入試であり全部の上位大学がというわけではない。一方、国立大も3人に1人はAO推薦で入学している(LINK)。)。もはや大学は学力選別機能を果たしておらず、上位大学は教育水準の高いお金のある大都市部に住むアッパーミドル家庭という社会階層の再生産機関になっている。

 

おまけにトッドも指摘するように高学歴(四年制大卒以上の学歴取得者)が知的とは限らない。学校で与えられるタスクをただこなす順応性が高いだけで、本当に知的かどうかは分からないという。これは日本でもその通りで、受験予備校の言うとおりに勉強すれば、そこそこのIQを持つ人であれば上位大学の入試はパスできる。しかし、それは答えのある問題への正答能力に過ぎない。そうであるのに、さらにAO推薦などの非学力入試が氾濫する現在では、学歴はもはや順応性の証明機能ぐらいしか意味をなさなず、知性との関係性は弱まっている。実際、大学生の半数は1日に読書を一切しないという惨状である。

 

ただフランスではエリート層とブルーカラー層の対立は「黄色いベスト運動」として顕在化したが、日本でそのような対立はない。これをトッドは家族形態から説明しようとしているが、あまり説明力はないと思う。日本では権威の天皇家と実権の将軍家と権力の二重構造が成立し、また江戸時代には百姓一揆のせいで増税できずに士族は困窮し、豪商が生まれた。士族は社会階級は上だが貧困化し(それゆえ「武士は食わねど高楊枝」ということわざが生まれた)、一方で商人・農民は社会階級は低いが経済的には豊かになっていった(増税されないので生産性を上げるほど豊かになったので日本は西欧とは逆の「勤勉革命」が起きたのだ(LINK))。こうした社会階層と所得階層の非相関が江戸時代に成立した。それゆえ、フランスのように教養も経済力も独占した上流階級 vs 無教養で貧乏な庶民という対立が成立しにくかったのだろう。

 

トッドは基本的に研究対象はあくまでヨーロッパであり、彼は日本の話をする際は詳しくない旨を断っているが、実際に無理解と思える発言も見受けられる。それにしても彼のヨーロッパのドイツ主導によるアメリカ覇権からの独立と、ヨーロッパ支配という見立てはかなり日本人からすると意外に感じる。日本は戦後は完全に地域覇権への意欲もなくなり内向的になったが、ドイツはまだ地域覇権を諦めておらず、ドイツのEU支配は続いているという。そして、英国はEUから離脱したが、ドイツが支配するEUの崩壊の兆しではないかという。

 

若干後半の論調は、インタビューをまとめたので仕方がないが、歯切れが悪く散漫な印象があるが、トッド節が味わえる一冊だった。特に教育機関が再生産機関になってしまった(というかもともと高等教育は上流階級向けだったけど)という指摘は興味深い。教育が創造する新たな階級社会に我々は無自覚に向かっているのかもしれない。

 

 

本書は韓国社会の2020年現在を活写している。データも豊富で、最近話題のドラマ・映画までカバーし、守備範囲も広い。ただもう少し政治・経済との関係性まで踏み込めていたらより肉厚な一冊になっていたが、紙面の関係上割愛したようだ。加えて、統計データ等から表面的な分析を行うだけではなく、より深く「なぜそうなったのか?」まで歴史的背景まで踏み込んでいたら良かった。

 

最近は日本でも若者を中心に韓国の印象は悪くはなく、K POPや韓国コスメなどは実際に人気が高い。しかし、おそらく若者の大半は1960年代当時は韓国は世界最貧国で北朝鮮より貧しく、脱北ならぬ「脱南」があったことすら知らない。北朝鮮のほうが豊かだったというと驚くだろうが、日本統治時代は農耕に適さない寒冷な北朝鮮は工業化し、南朝鮮を農業化したので、日本からの独立後は工業化していた北朝鮮エリアのほうが豊かだったのだ。社会主義はもとから行き詰っていたわけではなく、当初は上手くいっていたので労働者革命によって平等な社会となるという理想はある程度の現実味を持っていた。いまでこそ日本の学生運動はナンセンスに語られるが、当時は日本がレッドチームに入る可能性は少なくなかったと思う。そんな当時世界最貧国の韓国は軍事政権が続いたが、日米からの経済援助を使って半世紀で経済成長を遂げ、いまや一人当たりの所得では日本に猛追している。しかし、もともと貧しかった李氏朝鮮時代に儒教的な序列社会が形成され、その硬直的な社会構造は現在でも引き継がれている。

 

硬直的な学歴社会は、縦社会の儒教国家らしい。韓国は財閥系企業が幅を利かせており、財閥系企業に入れないと満足な所得を得ることが難しい。そこで韓国ではトップ大学である「SKY」(ソウル・高麗・延世)に入ることが至上命題となっている。ちなみに、韓国の4年制の学士課程は「大学校」で、「大学」だと3年制ということになってしまうらしい。この3校に並ぶのがPOSTECH・KAISTである。この5校が韓国社会の頂点をなすエリート校であり、この大学に入るために韓国の学生は死に物狂いで勉強するのだ。しかし、韓国では学校の後も塾で勉強するが、これは単に日本以上に長時間労働なので塾が子守代わりになっているのが実際のようだ。そして日本と違うのが、韓国では一部を除き普通は大学まで受験がないので、それまで学力でのスクリーニングも挫折もないことだ。それゆえ、みんながトップ5校に入れるという幻想があるのだという。日本では少なくとも高校受験でスクリーニングされるので自分の学力の相対的な立ち位置に気が付くが、韓国ではそれがない。大学受験まで受験がないことが総受験・総競争化を招いているという。しかし、韓国は現在では大半が書類選考で大学の合否が決まるので、留学させたりスポーツ・芸術にお金を投資できる富裕層が有利になっているという。韓国は格差社会だが、それが子供の受験にも影を落とす。

 

こんなお受験大国の韓国なので教育費はべらぼうに高いし、親も厳しいく、教育虐待も珍しくない。結果的に家庭を持つネガティブなイメージも広まり、おまけに経済負担も相まって韓国では少子化に歯止めがかからない。歴史的に見ても一国の出生率が1人を割ったのは韓国が初であるが、今年の出生率はさらに悪化し、史上最悪の0.8人代にまで落ち込むと予測されている。悲観的なケースでは100年後には韓国は1000万人強の小国に転落する。日本も少子化は深刻だが、それを上回るほどの超少子化先進国が韓国である。

 

さて、勉強を頑張っている韓国の若者だが、しかし、若年層の失業率は高いし、おまけに新卒社員の平均年齢は30歳を超える。20代はずっと徴兵や就職浪人等で潰れるのだ。生計を立てるのが遅いため、これも少子化に拍車をかける。こんな経済環境なので実のこと大学進学率はここ数年は低下傾向らしい。韓国は高等教育機関の学費が高いのに就職率が悲惨なので、教育投資に合わないということで進学が忌避されるようになってきているという。若者を取り巻く環境は良いとは言えないが、社会保障も脆弱ゆえに貧困に苦しむ高齢者も多い。貯金もせずに子供の教育費にかけたのに、過度なプレッシャーをかけたせいで子供との関係がこじれて見捨てられるという悲劇的な高齢者も韓国では珍しくないという。

 

昨今のコロナ禍で、日本のデジタル後進国ぶりと韓国のデジタル先進国ぶりの明暗が分かれたが、韓国は利便性の裏で国家に情報を全てコントロールされているのが実際であり、個人情報の漏洩もあとが立たないという。韓国では個人番号によって出身地から銀行口座・学歴・通院歴などがすべて紐づけされている。日本でも韓国を見習おうという動きがあるが、マイナンバーを銀行口座に紐づけることすら大きな反対がある日本ではおよそ不可能だろう。当然、韓国でも反対はあったが北朝鮮のスパイが多く、朴正煕暗殺未遂事件などのように国家的な危機が相次いだので、身元確認の容易さのために国家が個人情報をコントロールすることが受け入れられたのだ。平和な日本ではおよそ無理だろう。手放しに韓国を良く描こうとする日本のメディアも見受けられるが、祖国への憧憬でもあるのだろうか?

 

少子化で国力は衰えるのが必至であり、若者は競争に晒されるが、良い大学に入ったとしても就職難に直面し、やっと就職しても長時間労働を強いられるのに終身雇用ではないので安心することはできず、子供を産んでも教育費に家計は圧迫され貯金もあまりできず、老後も不十分な年金しかない。こんな韓国の現状を「ヘル朝鮮」という。

 

朝鮮半島は歴史を通して大国間の緩衝地帯に過ぎなかったが、現在、韓国は米中対立に巻き込まれている。韓国は経済的には中国に依存しているが、政治的には米国の同盟国である。しかし、文大統領は親中を隠さない。徴用工問題を関係がこじれた日本は韓国にもはや興味がなく、米国も韓国を見限りつつある。文政権がいつまで続くかわからないが、徴用工問題という爆弾を暴発させれば、いよいよ韓国は窮地に立つ可能性が高い。韓国は金融機関が脆弱ゆえに日本のメガバンに資金を頼っている。日本が資金を停止したら韓国経済は終わりなのだ。中国に資金を依存したら、また中国の属国として扱われるのが目に見えている。そればかりか韓国企業を中国が買収して技術だけ貰ってあとはポイ捨てだろう。韓国市場は人口規模で比較して中国の4%に満たず、1つの省程度の扱いだ。そうでなくとも中国は韓国の半導体事業などのシェアを露骨に奪おうとしているが、おそらく数年でひっくり返るだろう。さてさて強国の間でコウモリのように揺れ動く韓国は今後どうなるだろうか。明るい未来ではないことだけはたしかだ。

菅内閣の閣僚名簿を見ていて思うのは、ほぼ全員が東京およびその近郊の大学出身者ということである。ほとんど全員が東京で、神奈川・千葉が1名ずつだ。河野太郎の通っていたジョージタウン大はワシントンDCだが、河野太郎は神奈川県生まれで中学から慶応に通っていたのでほとんど東京枠だ。

 

菅さんは田舎の秋田から出てきてたたき上げで庶民派のイメージだが、内閣はかなり東京志向に見える。そもそも菅さんの実家は裕福な農家でお父さんは町議も務め、姉二人も高校教諭である。当時の女性の大学進学率を考えると2名を教員にするのはかなりインテリな家庭だろう。たしかに旧華族・政界・高級官僚の家系のサラブレットではないがド庶民というわけでもない。

 

出身大学(学部)でみると東大が6名で圧倒的に多い。かつて早稲田大は政界では東大に次ぐ勢力だったが、最近は世襲議員が増えたためか、慶応の躍進が続いている(現在、高校卒業後に入学した大学による集計だと1位東大、2位早稲田、3位慶応になっているが早慶の差は僅差であり;LINK、実は第47回衆院選の結果だと慶応が早大を上回っていた;LINK)。慶応は都心のキャンパスで幼稚舎からエスカレーターで通えるので富裕層の人気が高く、世襲議員の子女も多い。菅内閣は首相を除くと半数が東大・慶応出身で占めており、中学から慶応の河野太郎(慶応大中退しジョージタウン大卒)もカウントすると過半数が東大・慶応である。

 

菅内閣を見ても「政治の早稲田」の勢いは失われている。かつて経済は慶応、政治は早大がそれぞれ名門だったが、政治も慶応に押され始めている。上場企業社長出身大をみても慶応が早大を1.5倍の人数で圧倒的1位である。最近は政治家の最終学歴を早大にするケースも多い(青柳陽一郎(日大→早大院)、小渕優子(成城大→早大院)、中川俊直(日大→早大院)、武井俊輔(中大→早大院))が、問題は教育の中身であろう。大学院は箔付け機関ではない。

 

次に気になったのが、院卒の多さである。日本は大学院卒が少ないといわれるが、菅閣僚でみると4割が院卒であり、8人中7人が海外の大学院となっている。小泉進次郎の場合は完全に最終学歴の書き換えだが、他は国費留学や仕事上のキャリアップの取得のようであり、かなり堅実な人材を登用した布陣にみえる。

 

令和おじさんという愛称もあり知名度も高く、政権支持率も第二次安倍内閣発足時よりも高い。素人の感覚だが、菅さんのように意見地味だが仕事はやるタイプは、特に目立ったこともしないが大きな失敗もせず、つなぎの政権ではなく長期政権になるのでははないかと思う。