菅内閣の閣僚名簿を見ていて思うのは、ほぼ全員が東京およびその近郊の大学出身者ということである。ほとんど全員が東京で、神奈川・千葉が1名ずつだ。河野太郎の通っていたジョージタウン大はワシントンDCだが、河野太郎は神奈川県生まれで中学から慶応に通っていたのでほとんど東京枠だ。

 

菅さんは田舎の秋田から出てきてたたき上げで庶民派のイメージだが、内閣はかなり東京志向に見える。そもそも菅さんの実家は裕福な農家でお父さんは町議も務め、姉二人も高校教諭である。当時の女性の大学進学率を考えると2名を教員にするのはかなりインテリな家庭だろう。たしかに旧華族・政界・高級官僚の家系のサラブレットではないがド庶民というわけでもない。

 

出身大学(学部)でみると東大が6名で圧倒的に多い。かつて早稲田大は政界では東大に次ぐ勢力だったが、最近は世襲議員が増えたためか、慶応の躍進が続いている(現在、高校卒業後に入学した大学による集計だと1位東大、2位早稲田、3位慶応になっているが早慶の差は僅差であり;LINK、実は第47回衆院選の結果だと慶応が早大を上回っていた;LINK)。慶応は都心のキャンパスで幼稚舎からエスカレーターで通えるので富裕層の人気が高く、世襲議員の子女も多い。菅内閣は首相を除くと半数が東大・慶応出身で占めており、中学から慶応の河野太郎(慶応大中退しジョージタウン大卒)もカウントすると過半数が東大・慶応である。

 

菅内閣を見ても「政治の早稲田」の勢いは失われている。かつて経済は慶応、政治は早大がそれぞれ名門だったが、政治も慶応に押され始めている。上場企業社長出身大をみても慶応が早大を1.5倍の人数で圧倒的1位である。最近は政治家の最終学歴を早大にするケースも多い(青柳陽一郎(日大→早大院)、小渕優子(成城大→早大院)、中川俊直(日大→早大院)、武井俊輔(中大→早大院))が、問題は教育の中身であろう。大学院は箔付け機関ではない。

 

次に気になったのが、院卒の多さである。日本は大学院卒が少ないといわれるが、菅閣僚でみると4割が院卒であり、8人中7人が海外の大学院となっている。小泉進次郎の場合は完全に最終学歴の書き換えだが、他は国費留学や仕事上のキャリアップの取得のようであり、かなり堅実な人材を登用した布陣にみえる。

 

令和おじさんという愛称もあり知名度も高く、政権支持率も第二次安倍内閣発足時よりも高い。素人の感覚だが、菅さんのように意見地味だが仕事はやるタイプは、特に目立ったこともしないが大きな失敗もせず、つなぎの政権ではなく長期政権になるのでははないかと思う。