さて、3月に受験した「日経テスト」の結果が公開された。

 

日経テストは正式名称を「日経経済知力テスト」といい、経済に関する基礎知識や時事問題を中心に100問出題され、1000点満点で「経済知力」を測定する試験である。スコア感は次のとおりである。

 

【日経TESTのスコアのレベル】

  • 700点以上:経済に関する広く深い知識をベースにした高い視座と広い視野を有し、経済全体の流れをつかみ、鋭い視点を武 器に先を読む力に秀でる。 組織全体の経営をリードし、変革を主導する素地をもつ。
  • 600点~700点:経済に関する必要かつ十分な知識をベースとした視野の広さや確かな視点にもとづく思考力を有し、先を読む力 をもつ。 部門をマネジメントし、組織変革の中核的人材になる素地をもつ。
  • 400点~600点:経済に関する基本的な知識を有しており、これをもとに日々の業務を着実に遂行できる。 部門の中核的人材として、組織力の強化に欠かせない存在である。
  • 400点以下:ビジネス活動に必要な経済に関する基本的な知識を蓄積する途上にある。

 

 

2022年の結果は635点(上位16%)だったが、3年経過した今年のスコアは・・・

 

676点(上位10%)!

 

少し進歩しましたね(;^ω^)

 

母数が社会人ということを考えると悪くはない結果かな。

 

 

この日経テストであるが、もう少し対策して受験したかったのであるが、ちょうど受験時期が会社の繁忙期なので、今年もあまり勉強時間が取れなかった。テキストを1周したのが限界だった( ̄▽ ̄;) 苦手分野を対策すれば700点はいくかなという感触だった。問題自体は難しくはないが、いかんせん出題範囲が広いので、経済関連の多様な知識が必要であり、ビジネスパーソンの教養として自己啓発で継続的に受験するのは良いなと思う。申し込みを忘れなければ、来年は700点を目指して受験しようと思う。

 

 

本日はイギリス人ピアニストのジョージ・ハリオノのピアノリサイタルへ行ってきた。場所はサントリーホールだが、溜池山王駅からはちょい歩く。危うく遅れそうになりました ( ̄▽ ̄;) 顔立ちがアジア人ぽいなと思ったら、母君はインドネシア人だそうだ。チャイコフスキーコンクールピアノ部門で第2位の実力者であるが、実は仙台国際ピアノコンクールでは第6位にとどまっており、そのほかの主要国際コンクールでも上位入賞歴はなかったようである。コンクールなんぞ水物だ。チャイコフスキーコンクールは有望なピアニストの才能を見事に見出したなと思う。

 

プログラムは下記の通り。

(前半)

 

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 「月光」

リスト:超絶技巧練習曲 S.139 R.2b より
リスト:第4番「マゼッパ」第11番「夕べの調べ」第12番「雪あらし」
(後半)
ショパン:バラード 第1番op.23
ショパン:バラード 第2番op.38
ショパン:ノクターン 第13番op.48-1
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(アゴスティ版)「凶暴な踊り」「子守唄」「終曲」

(アンコール)
久石譲:Summer

リスト:愛の夢第3番


演奏を聴いて思ったが、たしかにコンクールでは意見がかなり割れそうな演奏である。創意工夫に富んだ豊かな独創性のある演奏である。内声などに工夫がみられるが、少々くどい印象もある。独特のリズム感やフレーズ感を出すときがあるのだが、これにジャズっぽさを感じた(というと言い過ぎだろうか)。リズム感がいいので、ストラヴィンスキーとの相性は良かったと思う。全体的に鋭い感性を曲の演奏に反映させた、個性的な演奏だった。アンコール曲がまさかの久石譲の"Summer"だったが、こちらも自身による編曲。遊び心があり、とてもロマンティックだ。新時代の新進気鋭のピアニストである。それにしても演奏中に髪をかきあげるのだが、きざったくて少々気になったが、「令和のリスト」との異名が浮かんだ。悪くあるまい。

日本経済研究センターは今後50年の長期経済予測をまとめた。所得水準を示す1人当たりの実質GDP(国内総生産)について、日本は2024年の29位から75年には45位に下がる。世界の中位群に後退する。成長底上げには人工知能(AI)などデジタル技術の活用や雇用慣行の改革が必要と提起した。ー 日経新聞

 

日本経済研究センターの予測によると、2075年には日本の経済力は11位に転落し、また、1人当たりGDPは45位(世界中位グループ)にまで転落するらしい。1人当たりGDPは、2075年に韓国は21位で日本を大幅に上回り、日本はチェコ(27位)、スロベニア(28位)などの中東欧諸国や、ブルネイ(33位)、カザフスタン(36位)、ロシア(42位)なども下回るとの予測である。正直、昨今の急激な少子化の進展、決まらない政治、進まない改革などをみると、日本には行き詰まり感が漂う。

 

ただ一方で、経済予測は占いのようなものだ。5年前だとまだ中国が米国を抜いて世界の覇権国になるとの予測もあったが、現在では中国は急激な少子化と不動産バブル崩壊による経済の失速で、中国は米国を追い抜かないとの予測が大勢である。実際、日本経済センターの予測でも中国経済が米国経済を追い抜くことはないとの予測である。5年前のワシントン大の予測だと、日本は2100年でも第4位の経済規模との予測である(LINK)。経済成長は国内政治や国際情勢で大きく変動するので、一喜一憂する必要はない。

 

それに現在は円安であり、円高に振れれば大幅に日本の順位は向上する。一人当たりGDPもG7最下位であるが、1ドル100円になれば、5か国を抜いて米国の次に位置する。為替というのはそれぐらい影響が大きい。これから利上げが起き、円高となれば、計算上、日本経済の世界順位は上昇する。そもそもGDPで日本を抜いたドイツは、経済不調で再び「欧州の病人」と言われている(LINK)。

 

ただ一方で、日本はもはや楽観視もしていられない惨状である。急速な少子化で、社会保障は長期的にはもたない。現役世帯の負担増でしのごうとしているが、おそらくこれ以上の負担増を続ければ、自公政権が持たない。財務省解体デモがフィーチャーされる様をみると、国民のうっぷんは限界である。現役世帯から税・社会保険料と称して、高齢者に莫大な所得移転をし続ければ、消費は冷え込むし、経済成長もしない。労働市場の規制改革も進まないため、大企業には無能中高年、働かない中高年があふれかえっており、若年層は低賃金で疲弊している。

 

海外は日本が思っている以上に進んでおり、AI技術・ロボット技術では日本はトップランナーではないし、家電製品では日本企業は見る影もなく、自動車産業も中国メーカーが急成長している。昔と違い国際市場は激変しており、ぬるま湯の日本が競争力を維持できるかは怪しい。

 

円安により、日本人の留学・海外旅行は減っているそうだが、ますます日本人は内向きになり、国際経済社会からおいていかれてしまう。東南アジアは昔は貧しかったが、現在だと、シンガポールは日本よりはるかに豊かだし、マレーシアのクアラルンプール、タイのバンコク、ベトナムのホーチミンなども大都会である。日本の地方の100万~150万人規模の都市だと、東南アジアの大都市のほうが都会で発展していている。バンコクはいまや億万長者の都市に発展している(LINK)。15年前に韓国に一人当たり所得で追い抜かれるなんてありえないと思っていた人が大半のはずだ。

 

もちろん、10年後で日本経済が逆に好転している可能性もあるが、いまのところ明るい未来は想像できない。茹でガエルになるのは遠い未来と思っていたが、徐々にお湯はグツグツし始めている段階にきていると思う。

 

 

東洋経済オンラインアワード2024にて年間MVPに輝いた「ニセコ化するニッポン」を読了。現代日本の都市・消費のあり方を「ニセコ化」というワードで分析している。著者は、都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家の谷頭 和希。

 

ニセコは、海外富裕層を中心にスキーリゾート化した北海道のニセコ町のことだ。ここは物価が日本とは思えないほど高騰しており、日本ぽくない日本の自治体となっている。こうした現象はニセコ特有ではなく、日本の様々なところで起きている事象だという。ニセコ化とは、「選択と集中」により、その場所が、その土地の日常から切り離されて「テーマパーク」のようになっていく現象のことである。

 

「ニセコ化」は都市レベルではなく、施設レベルでも広がっており、東急歌舞伎町タワー・豊洲の千客万来など、富裕層をターゲットにしたビルが多い。もちろん、マーケティング的には「選択と集中」は合理的戦略かもしれないが、選択と集中をすることは、排除される人も存在する。渋谷の宮下公園にはホームレスもいてどこか近寄りがたい雰囲気だったが、現在では再開発の結果、ホームレスは”排除”されて、ハイブランドや洒落たショップの並ぶエリアになった。「選択と集中」は企業が実施する分には影響が少ないが、自治体など公共空間でも行われており、ツタヤが運営する図書館が良い例である。「ニセコ化」しているのに、多様性を尊重などと銘打つのは欺瞞で、誰にも居心地の良い場所は幻想だと本書は指摘する。公共空間で行う場合は、排除される人がいることを視野に入れて、ある施設では排除された人を受け入れる施設を用意しないと、公共空間は崩れてしまう。

 

本書で興味深いなと思ったのは、総合スーパーやファミリーレストランの失速である。現在のような物質的に満たされた社会だと、なんでもあることは魅力ではなくなり、逆に特定の世界観を有するお店が人気となっている。実際、ファミレスは、どこも品ぞろえ豊富であるが、それがゆえに特定の世界観を持たない。一方、スタバやびっくりドンキーなど一定の世界観を持っているお店は人気を維持している。強い世界観を持っているお店として有名だったのはヴィレッジヴァンガードだったが、ショッピングモールに大量出店したことで、アングラ・サブカル色が薄れて、独自の世界観を失った結果、人気を失って業績が悪化している。つまり、特定の消費者層に刺さるお店、つまり、ニセコ化したお店は繁盛し、そうではないお店は失速しているということだ。

 

ただ本書で言及されていないが、この「選択と集中」は諸刃の剣であり、特定の層に絞り過ぎると失敗してしまう。個人的には渋谷のサクラステージがその例だと思う。そもそもテナント料が高過ぎてテナントが入っておらずガラガラだが、レストランエリアはハイセンスで洒落たコミュ力の高い人向けの雰囲気で、とにかく近寄りがたい。理想の空間を求め過ぎた結果、消費者不在の空間となってしまった感が強い。サクラステージも大規模開発であるが、麻布台ヒルズの開発も大規模開発であるし、湾岸エリアの大手ディベロッパーの開発など、東京全体がニセコ化している感がある。不動産価格は高騰しており、もはやサラリーマンでは都心に新築マンションを購入することは不可能だ。都心全体がニセコ化し、富裕層以外が排除されつつある感がある。

 

「ニセコ化」は企業戦略でみた場合は有用な戦略になりえるが、公共空間レベルで観た場合、”静かなる排除”を視野に入れないと、公共空間が破壊されてしまうリスクがあるなと感じた。ただ総花的に誰にも訴求する空間や施設はだれにも刺さらないから難儀な問題である。小さな物語に多くの人が閉じこもり、選択と集中により分断されていく様を、”ニセコ化”という言葉で批評した良書だった。

このところ財務省の前では、減税や積極財政を求めるデモが続いています。(中略)参加者たちは「財務省解体」と書かれたプラカードを掲げたり、「増税反対」とか「消費税廃止」といった声を上げたりしていました。参加した人からは「SNSでデモのことを知り若い世代も考えないといけないと思って参加した」といった声や、「デモに来るのは3回目で、毎回人が増えている。所得が低い人たちは大変だ」などという声があがっていました。ー NHK

 

財務省解体デモがメディアでも取り上げられるようになったようで、NHKでも報道されている。ただこのデモは高邁な理想や確固たる信条によるものではない。国民の生活がどんどん苦しくなっているが、それを招来している元凶は財務省であるという、財務省悪玉論である。ちなみに、このデモを促進しているのは自称評論家の池戸万作である。彼については記事で書いたことがある。

 

池戸氏の名前は産経新聞でも確認できる。

この日のデモは、「元祖!財務省前デモ」という名称で2023年9月から、活動を行っている政治経済評論家の池戸万作氏(41)が主催。千葉県知事選に立候補した候補者が財務省前で選挙活動を始めたり、雨が強まったりするというトラブルもあったが、約30人が参加した。 池戸氏は冒頭、「『日本はこのままだと財政破綻する。だから国債発行をしてはいけない』ということがしきりに財務省を中心にいわれているが、こうしたことが真っ赤な噓だということで活動を行っている」と話した。その後、参加者が次々とマイクを握った。ー産経新聞

 

ただ財務省を解体したところで、歳入・歳出を担う官公庁は必要であり、新しい財務省が誕生するだけであり、財務省解体は何の意味もない。予算は国会で議決される以上、財務省前ではなく国会前でデモをするべきだ。

 

財務省解体デモ側の主張を簡易にまとめると次の通りだ。

① 通貨発行権がある国は、無限に通貨を発行できるから、税金は不要だ。財源は無限にあり財政破綻はありえない。

② 政府支出を増やせば、経済成長する。実際、政府支出が多い国ほど、経済成長している。

③ よって、減税し、通貨発行を増やしてベーシックインカムなどを実施すべきだ。

④ 上記であるのに財政破綻を理由に緊縮財政・増税を行っている財務省は日本の経済停滞の元凶だ。

 

しかし、上記は間違っている。

 

①の通り、大量に通貨を発行した場合、通貨はハイパーインフレして価値を失う。ハイパーインフレになった国は珍しくなく、ドイツやアルゼンチンでは経済が破綻した過去がある。②の政府支出を増やせば、経済成長するという論も賛否両論であり、経済成長したから財政豊かで政府支出を増やせたという「逆の因果」に過ぎない。日本は公共事業をさんざんやってきたが、結果、放漫財政を招き、現在の国債頼みの赤字財政になってしまった。①と②があり得ないから、③もあり得ないが、ベーシックインカムを求めているのは、収入がない池戸万作のただの願望だろう。もちろん、経済学者でも、ベーシックインカム賛成派はいるが、いくらでもお金は刷れるから、どんどん配ればいいなんていう主張をする人はいない。

 

ただ「財務省解体デモ」が一定の社会的影響を持っている以上、無視できない事象だ。「財務省解体デモ」の理論的な背景が薄弱としても、それに乗らざるを得ない人の心境はくむ必要がある。とにかく日本は税金・社会保険料が重く、手取りが少ない。会社負担分も考えると、平均的な会社員でも4割ぐらい国に取られている。さらにこれから子育て支援金名目の実質増税などが控えており、どんどん負担が増していく。現役世帯の負担は限界である。

 

こうした社会的なストレスが一定値を超えると、おかしな行動をとる大衆が出てくるのは世の常だ。江戸末期には「ええじゃないか」が起きた。評論家・作家の池田信夫は、「日比谷焼き討ち事件」(LINK)との類似を指摘している。ただ現代日本で大きな政治動乱が起こるかといえばNOだろうが、小規模な過激行動は増えるだろう。すでに安倍元首相は暗殺され、岸田元首相にも爆発物が投げつけられたが、最近でも、N国党立花孝志氏がナタで襲われている。ただ日本人の性質か、大きく行動を起こさないので、「茹でガエル」になる未来しか見えない。