LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン グループ(以下、LVMH)が、「ティファニー(Tiffany & Co.)」の買収を完了したと発表した。LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼CEOは、ティファニーの傘下入りについて「ティファニーとその優秀な従業員をLVMHグループに迎え入れることを嬉しく思います」とコメント。取引の完了に伴い、LVMHは新人事を発表し、ティファニーの新CEOにルイ・ヴィトン幹部のアントニー・ルドリュ(Anthony Ledru)氏、ルイ・ヴィトンのマイケル・バーク(Michael Burke)会長兼CEOが取締役会長、アルノー会長の息子で「リモワ(RIMOWA)」のCEOアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)氏がプロダクト&コミュニケーション部門のエグゼクティブバイスプレジデントに就任する。-- FASHIONSNAO.com

 

ティファニーといえばオードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーで朝食を」でも有名なアメリカの宝飾品ブランドである。米国を代表するブランドだったが昨年あたりからニュースにたびたび登場している。フランスのラグジュアリーブランドのコングロマリットであるLVMHがティファニーを買収するというのだ。アメリカでは反対も大きかったようだが、買収で合意された。毛皮を着た狼ことアルノーは、どうやら手ごろな価格帯もあるティファニーを純粋なラグジュアリーブランドにする計画らしく、安価なティファニーの商品は廃止されるだろう。

 

本作はそんなティファニーについてのドキュメンタリー。実のことさっぱり興味がなくて「ティファニーで朝食を」も観たことがあるが、あまりピンと来てなかったが、LVMHがティファニーを最近買収したことで、ティファニーが注目されているので、教養のため観てみた。

ティファニーのイメージカラーのブルーは、何が由来かと思っていたら”コマドリの卵”だそうだ。フランスのナポレオン3世の妃のウジェニー皇后が愛した色ゆえ流行し、ティファニーはそれにあやかってメインカラーに採用したそう。ウジェニー皇后といえば当時のファッションアイコンだったそうだ。彼女はルイ・ヴィトンを気に入って旅行用鞄をあつらえていたそう。ルイ・ヴィトンは皇后御用達ブランドだったのだ。

 

ティファニーは何で有名になったかといえば、やはり6本の爪でダイヤモンドを支えた”ティファニーセッティング”の指輪だろう。もともとダイヤモンドは埋め込まれることが多くて、その輝きを全然活かせておらず、カラーもないことから人気のない方式だった。ティファニーはブリリアントなカッティングを施して十分に光を取り込めるデザインにすることでダイヤモンドを一躍人気の宝石にしたのだ。ティファニーはダイヤモンドをあしらった指輪を、エンゲージメントリングのアイコンにすることに成功したのだった。

 

ただこうしたブランドの描く夢のような世界観も、私は教養が邪魔してうまく溶け込めない笑。そもそもダイヤモンドは産出量が多いし、ただの炭素の塊なので人工ダイヤモンドは天然物とほとんど見分けがつかない。ダイヤモンドがやたらと高いのはデビアス社が供給制限を行っているからだ。また、ダイヤモンドは”永遠の輝き”と宣伝して、永遠の愛の形を象徴する結婚指輪の代表的な宝石に仕立て上げたが、ルビーだってサファイアだって砕けない限り永遠の輝きである。ダイヤモンドの専売特許ではない。ダイヤモンドは最も硬いといわれているが、”ひっかき硬度”の話で、原子の普通にハンマーで叩けば砕ける。結婚指輪は一応は一生ものなので、転売されにくく中古市場を形成しないので転売による値崩れも防ぐ効果がある。ただのマーケティング戦略なんだろうなと私は考えているが、こういう無駄な教養が人生のQOLを下げてゆく笑。

 

そしてさらに追い打ちをかけるが本ドキュメンタリーはネット配信はほとんどが打ち切られている点だ。LVMH傘下のティファニーとしてのブランドイメージ構築のためにLVMHが配信を停止させたのだろう。ルイ・ヴィトンのデザイナーのマークジェイコブスがルイ・ヴィトンについて語ったドキュメンタリーも、いつの間にかレンタルは全て中止されているが、マークジェイコブスがルイ・ヴィトンから独立したからだ。LVMHは、ブランドイメージのために様々なメディアをチェックしているようで、ブランドの描き出す夢のような世界観の後ろにあるシビアな資本主義の論理を思い知らされる。

※ レンタルは中止されている。

 

なんだか出てくる出演者たちのティファニーの思い出話が話につくがご愛敬だろう。アメリカ人にとってティファニーはステータスであり、それを持つことはアメリカドリームなのだ。私には縁がない世界だが、面白いドキュメンタリーだった。

 

★ 3.7 / 5.0

 

 

久しぶりに映画館で、映画鑑賞してきた。場所は渋谷のBunkamuraのル・シネマ。もともとフランス映画中心だったが、最近はアメリカやアジア映画なども取り上げているミニシアター。当方がよく行く映画館の1つ。

 

本作は、レンブラントの作品と、作品所有者、美術収集家、政府、美術館などそれを取り巻く関係者の諸相を描いていくドキュメンタリー映画。レンブラントはバロック絵画を代表するオランダを代表する画家で、”光と闇”の明暗描写が素晴らしい。名画「夜警」を描いた画家といえばピンくる人も多いだろう。それにしてもレンブラントはなぜここまで人を惹きつけるのだろう?レンブラントの作品を巡る関係者たちの諸相がなんとも面白い。

一番興味深いのは、レンブラントに描かれたヤン・シックスの子孫で画商のヤン・シックス11世。彼はレンブラントの新作を発見し、そのことを隠したままオークションで一千数百万で落札し、レンブラント作であると公表するが、このことがきっかけで思いもよらない事態になる。彼の優しいマスクの下の、功名心と強欲さが人間ぽくて良い。一方で、大富豪ロスチャイルド家の一員でパリ在住のエリック・ド・ロスチャイルド男爵は、自身の寝室の2枚のレンブラント作品を売りに出すことにするが、レンブラント作品はなかなか市場に出ないためなんと200億円という途方もない金額がつき政府までしゃしゃり出てくることに。美術とお金の関係性が垣間見えて面白い。

こうしたお金と美術の一方で、実業家で美術コレクターのカプラン氏は毎週、絵画を購入するが、その作品は美術館で公開している。彼は美術を個人の所有から公に返すのだという。かたや広大な土地を所有する英国バックルー公爵は、レンブラントの描いた読書する老婦人の絵に格別の愛着があり、どこに置こうかと思い悩む。公爵の住む居城は広くて置き場所を選ぶのも一苦労だ(庶民の私は、レンブラントの作品より、バックルー公爵の広大過ぎる領地と居城に目がいってしまった)。公空間と私空間における美術との対峙の在り方の対比が興味深い。

 

本作は美術にどう接するべきとか、美術の経済的価値がどうあるべきだとか、そういう野暮な主張はなく、淡々と関係者の有り様を描いていく。わざわざ相対する人をクローズアップするのが皮肉的に感じられなくもない。美術好きならおすすめしたいが、ちょっと眠くなったのもまた事実。
 

なお、映画のタイトルから、レンブラントの作品がオークションにかけられて誰が競り落とすのかというような話だと思ったが、違った。これ原題の通り「マイ・レンブラント」とか「私のレンブラント」のほうがよかったのでは?

それにしてもレンブラントを所有できるようなアッパークラスの方々はお顔が優しいというか品があるというか。。育ちは人相に出ますね。。

 

★3.7 / 5.0

オランダの下院は25日夜、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で「少数民族ウイグル族に対するジェノサイド(民族大量虐殺)が起きている」と非難する決議を賛成多数で採択した。同種の決議採択は欧州で初めてとみられる。来年の北京冬季五輪を中国外で開くべきだとする決議は否決された。 -- 産経新聞

 

オーストラリアや英国、カナダ、米国の政治家は、22年北京五輪に選手団を派遣しない可能性について公に言及している。米上院では共和党のリック・スコット議員ら12人が昨年3月、中国での五輪開催を取りやめ、開催地選定をやり直すよう国際オリンピック委員会(IOC)に求める超党派決議案を提出した。しかし今のところ、正式に不参加を表明した政府や国家レベルのスポーツ協会は出ていない。-- CNN

 

日本だと森さんの女性蔑視発言が大きく報道されたが、海外で注視されているのは中国のウイグルにおけるジェノサイド(大量殺戮)である。森さんは大した発言ではないが、連日ワイドショーで報道されたが、中国ウイグルのジェノサイドは地上波ではほとんど報道しないというのはジャーナリズムの死である。米国はジェノサイド認定しており、カナダ・オランダも下院で非難決議を採択。英外相もウイグル問題を批判し、BBCがウイグル問題を報道したため、中国でBCCは放送禁止になっている。米国は五輪に参加は未定としており、ボイコットもあり得る。冬季五輪は欧米が主なので、ボイコットした場合は北京五輪の打撃は大きい。

 

米国は対中国を露骨に出しているが、もともと経済的に豊かになれば人民は自由を求めて独裁政権を倒し、民主主義国家になるという予測があったからだが、天安門事件で民主化はとん挫し、結局、経済大国になったのに習近平による独裁体制が始まり、香港への締め付けを強化し、おまけに経済力と軍事力で米国の覇権を脅かすまでに成長してきたので、米国は中国の拡大を阻止にかかっているのだ。80年代にジャパンアズナンバーワンの時代は、ジャパンバッシングにあって日本は覇権国競争から脱落した。

 

なぜ米国は覇権にこだわるかといえば、ミアシャイマーの理論によると、国際社会は無政府状態であり、他国の軍事力の総量が不明である以上、国家が自己の生存を最も確からしくすることは覇権を握ることであり、そのため覇権国は自己の覇権に挑むものを排除するということになる。経済力で米国を追い抜く勢いの中国を覇権の挑戦国としてみなして対立を激化させているのだ。56の民族が中国にはいるので、民族問題(特にチベット・ウイグル)が中国内で火が付けば中国は分裂の危機に陥る。ウイグル問題は昔からあるが、いまさらフィーチャーするのは中国内の動揺を狙ったものであり、戦略的である。

 

現在は「新冷戦」である。米中の影で何気に存在感を出しているのが日本である。米・日・豪・印の戦略的対話のクアッドを安倍晋三が提唱して、さらにここに英国も加わろうとしているし、TPPは米国が抜けたので主導国は日本であり、ここに英国も加わろうとしている(TPP反対派で大騒ぎしていた人はどこへいったのだろうか)。アジア太平洋地域での安全保障や経済の枠組みを日本が主導しているのである。ここらへんも日本ではあまり報道されない。なお、英国はEUから離脱したので日英同盟の声もあるが、英連邦の枠組みは依然として強いので英国との連携は日本にとってメリットだろう。英連邦諸国は日本とも友好的である。

 

中国への配慮で報道できないのだろうが、ウイグルのジェノサイドのほうが、森さんの発言よりも遥かにインパクトが大きい。テレビ離れと言われて久しいが、ただ幸いなことにメディアが多様化したためYoutubeで優良なコンテンツが無料で観れる時代になったことは良いことだ。ネットがあればテレビは要らないと思う。

 

テレ東は優良なコンテンツが多い。

 

高橋洋一は東大数学科を経て経済学部を卒業して財務官僚になり、小泉政権で首相官邸の政策スタッフになり、退官後は大学教授、菅政権で内閣参謀参与に就任している。

 

考察系Youtuberの動画。都市伝説を扱ったり下品な動画も多いが真面目な動画は真面目。よくまとまっている。

 

日本の報道は文字通りゴミだが、海外のメディアは良い報道が多い。

 

 

 

韓国の合計出生率が0.84人に減り、初めて人口が自然減少した。韓国政府が低出生対応予算に過去10年間で200兆ウォン(約18兆9600億円)以上を注ぎ込んだが、効果がなかった。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で唯一の出生率0人台国家で、他国との差はますます広がっている。-- 中央日報

 

韓国の去年の出生率がいよいよ0.9人を割り込み過去最低の0.84人になったそうだ。人口を維持するために最低でも合計特殊出生率は2人ないといけない。両親(2名)から生まれるので、2人は子供を生んでくれないと人口は維持できない。実際のところ途中で亡くなる人もいるので、実際は2.07~2.08人で人口は維持される。

 

韓国の場合、0.84人ということは単純計算で、ある世代が100人とすると、その次の世代は40人に減るということを意味している。まさに「人口絶壁」といっていい水準である。さらにコロナが直撃したため出産を控える人が増加したので、来年の出生率は悲観的な予測0.72人を下回るおそれすらあるという。ソウルの出生率はすでに0.7を割り込み0.69人であるから国全体で0.7人割れもあり得ない推計ではない。国家の出生率としてここまで低い出生率は文字通り前例がない。いままでは「人口ボーナス」を韓国は享受してきたが、これから急速に「人口オーナス」へと転じるわけであり、韓国の潜在成長率は0.4%水準まで下落する。人口増加がストップすることで低成長国へと転落するのだ。

 

儒教国家圏だと、子供が親を養う私的扶養が主流だが、これも成り立たなくなる。社会的扶養はというと、韓国の国民年金制度は1988年にスタートしたが、歴史が浅く制度も脆弱であり、高齢者の年金受給率は4割に満たない(私的年金を含めても44%)。韓国では投資が盛んだが、年金制度が脆弱なので路頭に迷ってしまうため、投資で儲けようという人が後を絶たないという。これがバブルを生んでおり、正直、韓国の不動産や株は高騰しているが、いつバブルがはじけてもおかしくない。雇用環境は悪化傾向であり、若年層の失業率はさらに高く、経済不安から非婚化を促進しさらなる出生率低下をまねている。日本も同様の傾向があるが、韓国はそれがさらに顕著なのである。

 

また若年人口の急激な減少により軍事力も維持も限界がある。2025年には必要とされる兵力を下回ると予測されており、このパワーバランスの崩壊によって安全保障に危機が生じる懸念もある。米中の代理戦争として朝鮮戦争が再開されるリスクはゼロではないのだ。韓国の人口危機は日本にとっては対岸の火事とはいえないのだ。

 

そして朝鮮半島のお隣の中国も急激な少子化に悩まされている。2020年の出生数は韓国も驚く前年比3割減。これも前例がない出来事だろう。「一人っ子政策」を撤廃したが、出生率の改善には効果が出ていないのだ。中国はまだ人口ボーナスが続くが、数十年後に確実に人口オーナスとなって成長を止める。中国は一人当たり所得でみた場合、富裕国になる前に経済成長が止まるだろう。

 

日本はすでに成熟国になり成長率が低迷している。中国・韓国の経済成長率から中国・韓国のほうが優れているという論調もあるが、それは人口動態をみるとそうした傾向は長く続かないと言い切れる。21世紀はアジアの世紀といわれるが、その幕引きはおそらく人口減少による市場縮小である。

 

当方は、学部のときは法学をメインに勉強して、その他、政治学・国際関係学・経済学・社会学・統計学なども少々勉強したが、商学・経営学には明るくない。特にマーケティング関連の本はほとんど読んだことがないので、読書案内集として本書を読んでみた。ビジネス書は「世界のエリート」とか「ハーバード」「グローバル」とかのワードが好きだけど、実際、売れ行きが良いんでしょうねぇ。この著者の本(下記)は以前にも読んでいるが、読書案内としては悪くない。ただ50冊を一冊にしているのでダイジェストに過ぎないが、教養として名著のタイトルと概要ぐらいは押さえておきたいという人には良いと思う。

 

本書を読んでみると、マーケティングが上手な会社はたしかに成長しており、ダメな会社は失敗していることがよくわかる。当然景気などにも左右されるが、マーケティング下手な会社は生き残れない。

 

「星野リゾート」は順調に成長しているが、これはちゃんとした戦略がある。市場を細分化して、顧客をターゲティングした上で新ブランドを着々と展開しているからだ。ホテルに対する需要といっても、ビジネス目的の宿泊であれば立地や機能性が重視されるが、観光目的であればリラックスできるか否かが重視される。これがさらに価格帯ごとに分類できるから、ホテルマーケットは市場が細分化されており、ゆえにターゲティングが重要なのだ。「星野リゾート」は、いままでにない都市型だが観光のテンションを上げるホテルブランドを展開したりとかなりこのターゲティングが上手なのだ。さらにブランドというのは成長し、成熟し、そして衰退する。既存ブランドにこだわり続けると新奇性がなく、保有しているすべてのホテルブランドがいつか衰退期に突入してしまう。それを防ぐために様々なブランドを展開しているのだ。実際、世界最大のマリオットグループも様々なホテルブランドを保有しているが、様々なホテル需要に対応するためだ。

 

「いきなりステーキ」は怒涛の勢いで成長したが、見事に失速し倒産寸前である。これは「チェーンストア理論」で説明がつくという。その理論では、チェーン化するには、サービスの標準化、関係者の教育、ルールの改善を繰り返して例外の発生を最小化しながら徐々に店舗数を増やすことが最善とされる。この理論からすると、そもそもサービスなどが標準化されていない状態で、次々に店舗を展開して店舗を増やすのはサービスの劣化を招き顧客離れを引き起こす。最初は物珍しさで入っていた客足も、徐々に飽きていく衰退期に突入していく。ただ最近はドンキのようにストア側に大きな権限を渡すなど脱チェーンストアが指摘されているが、チェーンストア理論の終焉ではなく、チェーンストア理論の進化なのだという。

 

世界的に人気の「スターバックス」であるが、意外なことに大々的な広告は打っていないし、割引セールなども一切ない。それは口コミが最大の武器であると考えているためである。コーヒー体験を重視しているので店内に入ったときのコーヒーの香りと、美味しい一杯の提供がブランドの最大の要素なのである。実は過去に割引をしたそうだが、割引前の売り上げが下がり、割引日に顧客が増えて商品提供が遅滞したり、品切れになったりさんざんだったそうだ。それ故に体験重視のスタバは割引はもう実施しないこととしたそうだ。常に最上のものを提供するという点ではルイ・ヴィトンの戦略とも似ている。ルイ・ヴィトンは創業以来、一度も割引をしたことがないのだ。

 

ネット販売が普及すると、小売業はなかなか苦境といわれるが、スターバックスのように体験重視型は店舗販売に強い。なぜなら店舗に行かないとその体験ができないからである。従来は店舗でみてその場で購入することが主流だったが、ネット社会では店舗で商品を実際にみてみてネットで購入することが増える。ネットで購入すればレジに並ばなくても良いし、持って帰る負担もない。これから店舗スタッフはブランドアンバサダーになり、店舗で体験してもらいネットで購入するという形態が主流になるだろうし、実際、日本でも百貨店でそのような動きが出てきている。小売りは死なない。単に新しい販売形態へと脱皮しているだけなのだ。

 

日本の労働環境はクレイジーともいわれるが、日本では労働は一種の修行のようであり、ひたすらに仕事に打ち込むことがよしとされる風潮がある。これの思想的な源流は江戸初期の禅宗の僧侶 鈴木正三だという。彼は「職分仏行説」と呼ばれる職業倫理を重視し、日々の職業生活の中での信仰実践を説いた。労働を宗教的な修行と見出したのである。その思想は石田梅岩へと受け継がれ「商人道」へとつながり、さらにそれらの思想を米沢藩主の上杉鷹山が実践して藩の財政を再建したのである。日本の労働倫理は長い蓄積によるものである。最近は欧米の経営理論などが主流だが、日本のこうした労働倫理や経営倫理はいまいちど見直されてもいいと思う。それにしても労働倫理感の違いは興味深く、日本では労働を修行としてとらえるために過労になるが(ゆえに日本には安くても素晴らしい製品・サービスが多い)、キリスト教では、楽園であるエデンの園で暮らしていたのに罪を犯したから楽園から追い出されて労働せざるを得なくなったから労働は原罪ゆえの産物で忌避されるべきものである(ゆえに労働はただの金を得る手段であり、欧米だと安くて良いものはほとんどないし、安いレストランやホテルのサービスは最低水準である)。

 

まぁ、50冊も紹介されているので、興味を持った本以外はあまり記憶に残っていないが、マーケティングとはアートの要素が強い。結局、消費者は人間であり、消費者の感覚などは時代によって変わっていくので理論化が難しい。それに理論化すると容易に模倣されるので、戦略がコモディティ化してしまい有効性を失う。マーケティングツールは様々あるので、それらを適時に組み合わせていくのがマーケティング戦略なのだ。だから経営学は自然科学のような普遍性・厳密性・理論性は持ちえない。当方はコーポ―レート部門で今後も働いていくので、あまりマーケティング知識が役に立つことはないと思うが、企業側の販売戦略などを見抜く賢い消費者になるにはマーケティング知識を身に着けるのは良いと思う。