4月21日、東京地裁で、野田聖子元総務相(60)の夫・文信氏(54)が週刊新潮を訴えた裁判の判決が言い渡された。結果は文信氏側の請求棄却。さらに文信氏が「反社会的勢力」に属していたことを裁判所が認めるという、異例の認定が下されたのである。

 ことの発端は2018年7月。当時の安倍政権で総務大臣を務めていた野田氏の秘書が、文信氏と懇意にしていた仮想通貨事業者を同席させた場で、金融庁の担当者を呼びつけ“圧力”をかけたのではないかとの疑惑を朝日新聞(7月19日付)が報じたことがきっかけだった。

 これを受け週刊新潮は、“圧力”の背景に文信氏の存在があると指摘し、暴力団に所属する構成員であった経歴を報じた。この記事を“事実無根”とする文信氏は、発行元である新潮社を相手取り、1100万円の損害賠償を求め東京地裁に訴えたのだ。 -- デイリー新潮

 

「え?」というのが当方の正直な感想であるが、野田聖子元大臣の旦那さんが、裁判所によって「反社会的勢力」に属していたと認定されてしまったらしい。金融庁への圧力やらNTTによる接待疑惑やらが報道される中で、野田聖子氏への疑念は深まっていく。もちろん、国会議員・元大臣とはいえ、夫は私人であるが、もと暴力団構成員というのは看過しがたい事実である。

 

企業間での契約だと、反社会的勢力の排除の条項があり、もし契約相手方がそれに該当したら損害賠償などの責務無く即時に契約解除できるようになっているのが通常である。暴力団対策法なども立法されているが、それぐらい反社会的勢力というのは社会的に忌避される存在である。まさか元大臣の旦那さんが反社会的勢力というのは笑えない。元大臣が暴力団構成員だったというのはビッグニュースであり、議員辞職するかどうかというレベルの問題である。なぜかテレビのワイドショーは報道しない。あれれーおかしいぞー(コナン君風に)。

 

通常は大臣に就任する際に身体検査があるはずであるが、一体全体どうなっているのだろう・・・。野田聖子さんの旦那さんは逮捕歴が2回もあるようだから、警察が知らないはずがない。貴重な女性議員だから大目に見たのかもしれないが、国民からすると「えー」という感想しかでないだろう。違法性のないモリカケ問題で大騒ぎした野党が何も言わないとすると、野党にも何かやましいところが・・・と勘繰ってしまう。申し訳ないが、これは笑えないニュースだ。

早稲田大学は2018年に、政治経済学部の一般入試で数学を必須科目(数学I・A)にすること等々を発表し、3年間の周知期間を経て今年2月に実施した。-東洋経済

 

早大政経がなにやら文系なのに数学を必須化したといろんなニュースで取り上げられている。文系3科目+数学1Aが必要になって大騒ぎということらしい。ただこのニュースにはちょっと違和感がある。政治経済学部は「国際経済学科」と「経済学科」があるが、海外では経済学は理系の学問とみられることも多い。実際、経済学をやればわかるが、数式のオンパレードである。経済学者の経歴をみると、数学専攻の人も目につくし、ノーベル経済学賞受賞者のジョン・ナッシュは経済学者ではなく数学者だった。それに政治学や国際関係学なども統計を使った実証や、ゲーム理論による数理モデルでの分析が主流になってきているので、数学の基礎力がないとほとんど最前線の研究は理解できない。ちなみに、海外の論文を読むには英語力も必須である。

 

ただ実際のところ早大ぐらいの倍率だと、くじ引き的要素も入ってくるので、科目数が増えて志願者が減ってくれた方がくじ引き的要素が減るので受験生にとっては良いのではないかと思う。志願者はかなり減ったようだが、文系専願が減っただけで、国立大(東大・京大・一橋等)との併願者にとっては倍率が減ったので恩恵であろう。志願者が減って倍率が下がっても、受験者のレベルが維持できるのであれば、受験料収入の減少という面はマイナスだが、学生の選別という点では特にデメリットはない。

 

青山学院大も志願者を減らしているが、共通テストに加えて二次試験という国公立型の方式にして、さらに法学部の場合だと、二次試験が総合問題(国語か英語 + 日本史B・世界史B・政治経済)となったので幅広い知識が求められるため忌避されたようだ。しかし、志願者減少で相当入りやすくなったかと思いきや、青学大法学部の共通テストのボーダーは82~83%(3科目)であるが、3科目入試(共通テスト+二次試験)で受験可能な、国立の滋賀大経済は前期76%・後期78%(3科目)であり、信州大人文も77%(3科目)であるから、地方国立大のボーダーを大きく上回る。志願者が減っても、受験する層のレベルが維持できれば問題ないのである。

 

入試改革はかなり混乱を招いたし、過渡期の学生は気の毒だが、時代によって求められる学問も変容するので、時代にあわせて変革していくことも重要なのだ。一方、学部構成はあまり改革されないが、AI・IT・情報系の学部が絶望的に少ない。明らかにIT人材不足で、AI化にも乗り遅れているのに、危機感がない。受験生側も安易に文学部などを選ぶ人いるが、社会人になってから活躍したいのであれば実用的な学問を選んだほうがいいと思う。文学が重要性が低いといっているわけではない。欧州上流階級では文学の知識は一般教養である。しかし、庶民が生きていくうえで、大学レベルの文学の知識は必要ないし、労働者の需要と供給の観点からも需要があるとは到底思えないのだ。

 

本年度のアカデミー作品賞候補として「ミナリ」「ノマドランド」が有力視されている(「ノマドランド」の映画評はこちら)。ポスターの感じ的にミナリは大衆映画っぽくて観るのを迷ったが、作家性を重んじる「A24」が製作・配給しているので観てみた。

 

「A24」は、アメリカの映画制作・配給会社である。エッジの効いた作家性を重んじた作品が多い。最初はさほど注目されていなかったが、配給する映画が次々と高い評価を受けていまや映画賞レースの常連である。「ルーム」で第88回アカデミー主演女優賞、「エクス・マキナ」でアカデミー視覚効果賞、「AMY エイミー」でアカデミー長編ドキュメンタリー賞、2016年に「ムーンライト」で第89回アカデミー作品賞、2018年には「レディ・バード」が第75回ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞している。その他にも、ソフィア・コッポラ監督でエマ・ワトソン主演の「ブリングリング」、ダニエル・ラドクリフ主演の「スイス・アーミー・マン」、ヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、日本でも話題になった「ミッドナイトサマー」も「A24」が製作・配給である。どれも私好みの作品で、なるべく「A24」の作品は観るようにしている。

本作は映画のポスターによらず優しいタッチの良い映画だった。コミカルな台詞には、かなり微笑ませてもらった。映像美と感傷的な音楽はA24らしい。韓国移民のアメリカンドリームへの憧れと、挫折をエモーショナルに描いている。朝鮮戦争、米国に移民せざるを得なかった韓国移民の辛さ、韓国移民間の分裂なども滲んでくる。

 

「ミナリ」とは植物の「セリ」のことだ。作中でも語られるが、セリはどこにでも植生するが、薬にもなる。このミナリは、移民の暗喩でもある。映画のラストで主人公家族は挫折に直面するが、深く根を生やすミナリをみて観衆はホッとできる。ミナリは移民で構成されるアメリカの、移民家族の現実を淡い色彩で描いているのだ。出演陣の出演陣の演技は、子役を含めてただただ素晴らしい。

アカデミー作品賞では「ノマドランド」と作品賞を争っているが、個人的にはこの2作品では「ノマドランド」が優勢ではないかと思う。前回が韓国映画「パラサイト」だったから、今回はその揺り戻しで米国の現実を描く「ノマドランド」が支持を集めやすいと思う。加えてアカデミー賞はより国際性を重んじているようで、その点でも米国社会の韓国移民に焦点を当てたミナリはやや劣勢ではないかと思われる。ただコロナでアジア移民への差別もあるので、もしかしたら「ミナリ」への同情票が集まる可能性もある。ここらへんは最有力だった「ラ・ラ・ランド」が受賞を逃し、泡沫だった「ムーンライト」が作品賞になったから、賞のレースは読めないところがある。

まぁ、俗っぽい賞のレースはおいておいて、A24製作の映画はとても良いのでオススメしたい。くどいが、個人的には日本の映画のポスターはちょっとなぁと思う。本作はもっと繊細な作品である。

2021年度の国家公務員採用総合職試験の申込者数は1万4310人だった。人事院が16日発表した。20年度と比べ2420人(14.5%)減った。5年連続の減少で、総合職試験を導入した12年度以降で最大の減少幅となった。(中略)若手キャリア官僚の離職傾向も高まっている。人事局の調査で、自己都合を理由に退職した20代総合職は19年度に87人いたとわかった。6年前から4倍に増えた。別の人事局調査では30歳未満の若手男性職員の7人に1人が数年以内に退職する意向を示した。-日経新聞

 

キャリア官僚というと、日本の国家的エリートというイメージが強いし、実際、天下の東大法学部が幅を利かすエリートコースである。しかし、キャリア官僚になるための国家公務員総合職の申込者数は過去最大の減少だという。これは慢性化した長時間労働のわりに、たいして給与は高くないという事情がある。高額の退職金、天下り、豪華な官舎などが叩かれるが、それはあくまでキャリア官僚のうち幹部に上り詰めた上澄みのみである。

 

国家公務員になった学部・院の同期に話を聞くと、人手不足が深刻な割にどんどん仕事は増えているらしい。おまけに優秀な人は民間に転職していくという。予算は決まっているので、支給可能な残業代も上限があるらしく、財務省など強い省庁は残業を多めにつけられるが、弱小の省庁はサービス残業三昧らしい。「厚生労働省は、強制労働省」というほどに多忙だという話は私が大学院生時代に聞いたし、実際、厚労省勤めの友人は終電を逃すことも多いと言っていた。キャリア官僚ではないが、国家公務員から民間に転職した知人も少なくない。キャリア官僚になっても多くは「肩たたき」にあうのでセカンドキャリアを考えておかなければならない。私も大学院時代の最初のころは公務員志望だったが、公務員の人の話を聞いて、どんどん志望度が下がって結局、企業就職した。

 

昔からキャリア官僚の仕事は過酷だったと思うが、それでも国家的エリートとの矜持があった。しかし、昨今だと公務員叩きが蔓延しており、たいして給与は多くないわりに過酷労働で、さらに世間からもバッシングを受けるという憂き目にあう。そうだとすると公務員離れが起きるのは当然だろう。総合商社、外資系のITやコンサルなどにいけば、キャリア官僚クラスの頭脳の持ち主であれば、30歳前後で1000万プレーヤーも夢ではないだろうから、キャリア官僚を目指すのは経済的にみると割に合わない。

 

実際、東大京大生の就職人気企業だと、トップ20のうち半数近い9社がコンサル系である。当方も外資系コンサル勤めだが(転職組でおまけにミドルバックオフィスの外様だけど)、新卒だと東大が最多で、東大・早大・慶応の3校で6割近くになり、京大・一橋・東工大・海外大でほぼ埋まる。いまだにキャリア官僚だと1~3年目はコピー取りやら、紙の書類の整理とか不毛な業務をやっているらしいが、コンサルだと1~2年目からシビアな現場に触れられるし、様々な研修で知識も身に着けられるので、かなり良い環境だと思う。

 

【東大京大 22卒就活人気ランキング】

01 三井物産

02 野村総合研究所

03 アビームコンサルティング

04 KPMGコンサルティング

05 三井不動産

06 三菱商事

07 三菱地所

08 資生堂

09 アクセンチュア

10 ボストンコンサルティング

11 伊藤忠商事

12 富士フィルム

13 住友商事

14 デロイトトーマツコンサルティング

15 味の素

16 サントリー

17 マッキンゼー

18 ソニー

19 ベイン・アンド・カンパニー

20 ベイカレント・コンサルティング

※出典:ONE CAREER

 

ただ個人的には東大クラスの知的エリートは、医者・官僚とかではなくて、もっとクリエイティブな知的職業に就いた方が日本経済にとっては良いのではないかと思う。アメリカでは知的エリートがITや金融分野で様々なイノベーションを生み出しているが、日本では規制が強くて民間の自由な活動が制限されており、イノベーションが阻害されている。官僚は国益のために動いていると思われているが、実際は省益や天下り確保など自己保身の場合も多い。実のところキャリア官僚離れによる官の弱体化は、官治からの脱却という点では、凶と出るとも限らないのではないか。一方、東大生の外資系企業就職が増えるということは、頭脳流出である。知的エリートが日本企業のために働こうと思える環境づくりをしないと、日本の行く末は厳しいのではないかと思ったりもする。

 

 

マーク・ジェイコブスルイ・ヴィトンのデザイナーをやっていたときの2007年のドキュメンタリー。彼はヴィトンのデザイナーから離れているため、本ドキュメンタリーもレンタルも停止されている。私は中古DVDを購入して視聴した。

マーク・ジェイコブスは思っていた以上にとても陽気でフレンドリーで、鳥の格好でパーティに行くシーンから始まるが、彼の社交性がうかがえる。ドキュメンタリーでは新しいコレクションや日本でのイベントの裏側などに加えて、アルコールはやめたけど煙草はやめられず、それでも健康のために食事に気を使っているところとか、彼のプライベートも垣間見える。

ちなみに、彼はアート収集が趣味だそうだ。そうだからか知らないが、日本のアーティストとのコラボも多く、ドキュメンタリーには草間彌生・村上隆が登場する豪華さ。来日した際にインスピレーションを得たものをデザインに活かしたりするシーンは日本人として嬉しいものだ。

 

アートとラグジュアリーブランドとのコラボはよくあるが、これはブランド価値向上には大いに役に立つ。日本製品は性能や価格をアピールするが、それは容易に模倣される。結果的に中韓に猛追されてシェアを奪われている。しかし、ラグジュアリーブランドの放つ世界観は容易には模倣されない。それゆえラグジュアリーブランドはその価値を維持できるのである。ラグジュアリーブランドの原価率は3割ほどで、広告費にかなりの額を投じているのは魅惑的なイメージを作り出し維持するためだ。ハイブランドとはいえバッグなどは日用品であるが、そこにアートの至高性や独自の優雅な世界観というエッセンスを加えることによって、模倣困難なブランド価値が生じるのだ。理系的な発想で性能・価格などの数値的な比較ではビジネスは模倣される。消費者の心をつかんで離さないマーケティングが重要だとラグジュアリーブランドは教えてくれる。


ちなみに、もともとファミリービジネスのルイヴィトンをグローバル企業にしたのは日本人コンサルタントの秦 郷次郎である。一時期、ルイヴィトンの売り上げの4割は日本が占めていたというからヴィトンの日本びいきも納得だ。ちなみに、マーク・ジェイコブス自身のブランドは日本のオンワード樫山の支援があった。そうした経緯もあって大の日本好きだという。

ヴィトンはもちろんマークジェイコブスの属するLVMHグループはフランス随一の大富豪アルノーが創り上げたが、まだラグジュアリーブランドがグローバルビジネスになりえると思われていない中で、巨大ラグジュアリーブランドのコングロマリットを構築したアルノーには先見の明があったといえる。

マーク・ジェイコブスのファッションへのこだわりとかファッションセンスに加えて、彼のマーケティング能力とか商才も垣間見えたと思う。しかし、彼のブランド”マーク・ジェイコブス”はメンズラインは廃止しているから、いくらブランド名の威光があろうともブランド運営は一筋縄ではいかないようだ。

 

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