今年も丸の内~有楽町エリアで開催されるラ・フォル・ジュルネへ行ってきた。とはいっても、直前まで北京旅行していたので、今回はコンサートも2つだけ(抽選に外れたのもあるのだが)。それにしても出展ブースもちょっと寂しくなってきており、なんかコロナ後の規模縮小が気になってしまう。せっかく日本最大のクラシック音楽の祭典だからもっと賑わってほしいし、若手音楽家とかも大勢参加してほしいなと思う。

 

まずは、アリエル・ベックの演奏するリサイタルへ。 曲は次だ。

・シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番 イ短調 D784
・シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰へ短調 op.11

 

アリエル・ベックは2009年生まれの16歳。2018年に「青少年のためのショパン国際コンクール」で優勝しているが、国際コンクールでの入賞歴はないが、CDもリリースしており、早熟のピアニストとして活躍している。若いながらシューマンのピアノソナタ第1番に挑む力量には恐れ入る。若々しくも繊細なタッチで落ち着いた演奏だった。

 

2つ目のコンサートは、シューマン夫妻のコンチェルト。シューマンは旦那のロベルトのほうが有名だが、実は妻のクララも著名なピアニストで当時ではどちらかというと、良家出身のクララのほうが立場が上だった。

・ローベルト・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
・クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.7

 

ロベルトのコンチェルトを演奏するのは、小林愛実。ショパンコンクール第4位の実力者だ。ちなみに、旦那さんが同じくピアニストの反田恭平。クララのコンチェルトを奏でるのはダヴィッド・カドゥシュ 。パールマンに才能を認められデビューしたそうだ。なぜかプログラムの紹介に記載がないが、リーズ国際ピアノコンクール第4位の実力者である。

 

それにしても毎度思うのだが、5000席もある東京国際フォーラム ホールAは、音楽コンサート向きではない。大きすぎて音が散ってしまう。前のほうの列だったが、やはり音響はいまひとつ。小林愛実さんの繊細で感傷的なピアニズムが大型ホールでは堪能しきれない。小柄なこともあり、いかんせん音のボリュームがもう一歩になってしまう。このホールの規模だと、ダヴィッド・カドゥシュさんの演奏のほうが映える。カドゥシュさんのよく響きながら、色彩に富む情感ある演奏は見事だった。

 

今回は講演会にも行けず、マスタークラスも拝聴できず残念だった。やはりGWはラフォルジュルネに専念して、海外旅行は別のシーズンにすべきだなと自覚した。

北京観光も大詰めであるが、最終日は人民大会堂へ。日本でいう国会であり、全人代が開かれる場所である。こちらも3日前からの事前予約が必要。天安門広場に入るのに、大型連休なこともあり、最寄り駅は混雑防止のため閉鎖で、隣駅から徒歩。さらにセキュリティチェックも大行列で、合計2時間かかった(;´∀`) 

 

道路の向こうに見えているのが人民大会堂であるが、それにしても巨大だ。さすが日本の10倍の人口規模の国だ。

 

近くで写真を撮るとこんな感じで一部しか入らない。

 

中は各省の名前の会議室がある。いずれも豪華な装飾で立派である。

 

これが全国人民代表大会が開かれる会場。代表3000人が出席するが、傍聴席含めると合計で10000席あるらしい。サントリーホールが2000席程度なので5倍の規模と思うと、巨大さがわかるだろうか。

 

こちらがパーティー用のお部屋らしいが、とにかく広い。運動場か何かかと思うぐらいの広さだ。

 

未公開だったが、実は台湾の会議室も用意されている。中国政府の見解では台湾は中国の一部ということだ。

 

人民大会堂の規模に圧倒されて外に出て天安門広場を散策。孫文は共和主義者だったので、中国では評価されていないものだと思ったら、評価されているらしい。ちなみに、孫文の奥さんは4人おり、宋慶齢が有名だが、日本でも結婚して子供がおり、子孫の1人は日本で暮らしている。ちなみに、ラストエンペラーの溥儀の弟の溥傑は公家の嵯峨侯爵令嬢と結婚しているが、その子孫は日本在住である。

 

天安門広場の毛沢東主席記念堂。毛沢東の防腐処理された遺体が安置されている。

 

観光の最期はチベット仏教の寺院である雍和宮。もともと皇子時代の雍正帝の居館として建築され、乾隆帝もこちらで誕生しているそうだが、寄進されて寺院となった。清王朝は満州族の王朝だが、チベット仏教を信仰していた。高さ18mの弥勒仏など見ごたえがある。

 

建築は皇族の居所だけあって非常に豪華だ。

 

最終日のディナーは、洋食が食べたかったのでサーモン笑。
 

翌日、空港へ。空港にあった北京ダックの老舗の便宜坊で食事。1416年創業。老舗のわりに空港の食事エリアの一部にあって気があるに食べれて良かった。老舗といってもチェーン化されている。1864年創業の老舗の全聚徳もチェーン展開しており、日本にもある。

 

それにしても中国の大型連休の中日であるのにガラガラである。免税店も閉まっている。店員さんのほうが多い。

 

中国は供給過剰で需要不足といわれているが、経済失速は事実なのだろう。

 

帰国便はもちろん和食。ほっとする。長年の北京旅行の夢がかなってよかった。

さて、前回記事に続き北京旅行の記事だ。

 

旅行のハイライトはやはり紫禁城(故宮)。それにしても人民大会堂、国家博物院、故宮博物院なども一度は天安門広場に一度入り、そこからそれぞれの建物に入る必要がある。天安門広場へのまず入場で長蛇の列。セキュリティチェックも厳しいので、時間に余裕をもって出かける必要がある。なお、天安門広場にすら予約がないと入れない。

 

有名な天安門である。紫禁城(故宮)の大一門。

 

天安門から太和殿まで行きつくだけで相当な長さだ。上の写真の中央が太和殿であるが、皇帝が執務した場所だ。驚くほどに広大で、皇帝の権力と富の絶大さがうかがえる。現存の中国の木造建築としては、中国における最大の木造建築物となっている。なお、幅は少々太和殿が長いが、高さと奥行きについては、実は東大寺大仏殿のほうが巨大だったりする。しかし、太和殿広場の規模感はすさまじい。何を隠そう過去2000年のうち1800年間にわたり経済規模トップは中国だった。もちろん、紫禁城(故宮)は世界遺産。

 

さて、紫禁城(故宮)の広大さには驚かされたが、西太后の住んでいたエリアなども観れて良かった。上記の巨大な豪華な石の入れ物は何かというと、果物を入れておいたらしい。食べるためではなく、果物の香りを楽しむためだったそうだ。調度品等の装飾の見事さに舌を巻く。

 

こちらは映画「ラストエンペラー」を観た人なら見おぼえがあるだろう。自転車で走るシーンで有名な箇所だ。想像以上に長い。とにかく広い。

 

ランチは麻婆豆腐。辛いがデパートの中のお店だけあって観光客向けか食べやすい。

 

腹ごしらえ後に向かったのが天壇。写真は祈年殿である。皇帝が天に対して祭祀(祭天)を行った宗教的な施設(祭壇)となっている。こちらも世界遺産。色使いが見事で美しいと思う。こちらも大混雑だったが、緑地が大半を占めており、空いていたら気持ちよく散歩できるエリアだ。

 

歴史的な中国の遺産を観た後は、近代的な北京の街並みを観たくなり北京CBDへ。近代的なビルが立ち並ぶビジネスエリアである。一番高い建物がチャイナ・ズンといい、北京で最も高いビルで528m。左に移るのはテレビ局らしいが、すごいデザインだ。

 

その後、三里屯へ。北京のファッションや文化の発信地。南青山の洗練された感じと、若者向けの原宿のポップさが見事に混ざり合った良いエリアだと思う。レストランなども多くて、買い物して食事するにはベストな場所だろう。

 

三里屯は、ラグジュアリーブランドを集めたエリアも開発中のようだが、コロナ後の経済失速もあってヴィトンやディオールの開店は遅れているようだ。オープンしている店も多く、洗練されたエリアだが、大型連休中であるのにいかんせん人がまばらだ。中国の消費熱は冷めているという報道は本当だと思う。

 

石造りの胡同も残っており、近代的な北京とのいい対比になっている。

 

中国飲料チェーンの「覇王茶姫」の中国茶のミルクティーが激ウマ。スタバにも似たものがあるが、ホットのみだったり、フレーバーが限られているが、こちらは種類豊富で冷たいのでごくごく飲める。アメリカでも上場予定で、東南アジアにも進出している。日本進出を希望である。
 

晩御飯はキャビアと葱と牛肉の入った餅。餅といってもサクサクとした触感である。実は中国のキャビアの生産量は世界第1位。養殖に成功して品質も高いらしいので、食べてみたかったのである。北京ダックと一緒に食べる用のようだが、私は単品でオーダー。意外と塩味が薄いので、もうちょい濃い味でもよかったかな。日本でつくられるキャビアも塩味を抑えているので、アジア人の舌にあわせたのだろうか。どちらも美味だった。

さて、GWということで北京旅行へ行ってきた。紫禁城をどうしても観たい!という長年の願望と、単に特典航空券が北京行きなら取れたからというのも理由。あとは、中国経済がピークアウトしているといわれているので、どんな感じなのかをたしかめたかったというのもある。ただ知らなかったのだが、中国は5月1日から5連休らしく、大混雑だった( ̄▽ ̄;)

 

さて、飛行機はビジネスクラスだったが、なんと"The Room"だった。通常は欧米の便に使われる機体だ。モニターも大型だし、座席も広いし、全く疲れないで快適そのもの。

 

さて、空港からホテルまではホテルの車を手配していたので、空港を出てホテルに直行。お宿はグランドハイアット北京。部屋も広いし、バスタブ付で快適。ただちょっと古さを感じさせる部分があるな。ショッピングモール直結なのも嬉しいし、王府井にも徒歩圏内だった。

 

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初日は中国美術館へ。大変立派な建築。北京はチケットを事前予約しないと入れない。その際に中国の電話番号の登録しろとか、メアドはGmailは使えないとか複雑過ぎて、諦めてホテルに手配してもらいました。チケット予約していない人は観光地に入れないので要注意である。

 

 

 

中国画は結構好きですね。油絵などもあって、見ごたえがあった。おすすめ。ちなみに、中国国家博物館はチケットが売り切れで入れず。

 

王府井のショッピングモール。とにかく巨大で近未来的。ただ意外と人が少ない。中国は”箱もの”ばかりというのは嘘ではないように思う。明らかに供給過剰で、消費者が少ないと思う。

 

グランドハイアット北京の外観。

 

翌日は鄭和園へ。中国の歴代皇帝により整備され、面積は297haと広大。園地の大部分は、人工湖「昆明湖」に占められており、高さは60mの人工の山「万寿山」が特徴である。それにしても広い。ユネスコの世界遺産(文化遺産)である。西太后が国費をつぎ込み、国力衰退の要因ともなったといわれる。

 

船の形を模した建物。沈まないということから縁起が良いらしい。

 

「明の十三陵」。明王朝の13人の皇帝の陵墓が散在しているエリア。公開されているのは、永楽帝の陵墓「長陵」、隆慶帝の陵墓「昭陵」、万歴帝の陵墓「定陵」の三つだけで、私がみたのは万歴帝の陵墓「定陵」である。13人のお墓が1か所にあるのかと思ったら違った。。皇帝1人のお墓が途方もない規模である。十三陵で唯一開発された地下宮殿がある(宮殿といってもお墓なので石造りの部屋に遺物が残っているだけであるが)。こちらもユネスコの世界遺産(文化遺産)である。

 

さて、こちらは有名な万里の長城。ユネスコの世界遺産(文化遺産)。北方の遊民族が侵攻してくるのを防ぐための長城だが、すごい規模である。延々と連なる長城に歴史ロマンを感じる。

 

夜は中国雑技団のショー。以前、上海でみた雑技団よりもプロジェクトマッピングなども駆使したモダンなショーだった。1時間で終わるので、必見。実はカンフーミュージカルを別実に予約していたのだが、まさかの前日に中止になってしまい見られず ( ̄▽ ̄;) 次回、中国国家博物館とカンフーミュージカル目当てで再訪してもいいなと思う。

 

夜の王府井。シックでいい感じ。東京でいえば銀座みたいな場所だが、さすが中国、道幅が広い。

 

さて晩御飯のお供のビールは北京の燕京ビール。軽くて飲みやすい。

 

お目当ての北京ダック。まず皮を砂糖で味わって、その後、肉の付いた北京ダックを頂く。脂がのっていて美味しい。

新NISAが開始されたが、その際に人気を集めたのがS&P 500インデックスファンドなど、米国株への投資である。トランプ関税による株価暴落で慌てて損切りした人も少なくなく、投資初心者には手痛い洗礼となった。ただトランプ大統領は関税の発効を延期するなどして株価は回復している。投資において重要なのは狼狽売り、パニック売りの回避である。高値で買って、暴落時の安値で売却すれば当然損になるだけだ。

 

ただYoutube等でも米国株投資を推奨する投資系ユーチューバーが多いが、個人的には米国経済が今後も好調が20~30年と続くとは思えない。覇権国の寿命は100年前後とはいえ、アメリカだけ例外的に200年程度続いても不思議ではない(歴史は複雑な人間活動の集積の結果であり不変の法則はない)が、ただ富裕国だったアルゼンチンも政策ミスで没落し、米国と覇権を争っていたソ連もあっという間に崩壊したことを考えると、米国の覇権が徐々に終焉する可能性は否定できない。その可能性を考えると、米国投資一本打法はその点でリスキーである。

 

世界最大のヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツの創業者のレイ・ダリオは、自身の著書で変わりゆく世界秩序と、覇権国の隆盛を歴史と経済学の観点で分析し、米国覇権の終焉を予測している。移行の時期は30年代前半頃と見込んでいるが、ただ彼の次の覇権国候補の中国は、急激な少子化と不動産バブル崩壊で経済は疲弊しており、そもそも経済力も公表されたGDPの値が正しいかも分からない。個人的には共産主義的な管理経済は成長に限界があり、また、中国の傲慢な外交は軋轢を生んでおり敵があまりにも多く、覇権国にはなりえないと思う。規模的に覇権国足りえるのはインドだと思うが、まだまだ経済的には貧しく、覇権国になるには半世紀以上かかるだろう。いまは米国に投資が一極集中しているが、トランプ政権の政策の不確実性を考えると、今後は徐々にEU諸国・日本・新興国等に投資が流れ、国際社会は多極構造になると思う。

 

それにしても米国のトランプ関税は突然やってきたように見えるが、エマニュエル・トッドの予測の先見性はすごいと思う。彼によると自由貿易を推し進めると、労働力が安い国の製品との価格競争となり、先進国では労働コストの圧縮が起きる。結果的に先進国では単純労働者の賃金は押し下げられ国内では需要不足が起きてデフレ化し、また、格差社会が進展し、国内が分裂してしまうという。ウクライナ問題等の問題もあり、デフレ化ではなく現在インフレが問題となっている点は異なるが、それ以外の見立てはその通りだと思う。アメリカの製造業は低調であり、失業したプアホワイトが激増している。これは先進国でも共通で起きていることだ。トッドは、トランプの保護主義的な政策は誤りではないとしつつも、しかし、もはや米国には優秀なエンジニアが不足しており、寡頭政治化し、階級も固定化され勤勉さも失われており、手遅れだという。

 

レイダリオの説に戻るが、彼の見立てだとビッグサイクルは18段階あり、これが繰り返されているという。すでに格差社会と債務膨張は実現しており、トランプ政権の誕生は国内の混乱ともいえ、すでに15段階にあるという。次は基軸通貨の地位喪失だが、すでに世界主要国における外貨準備のドルはここ20年で減少しており、またトランプ政権の政策とも相まってドル離れが加速しつつあるから、これも実現し得よう(16段階目)。次のステージはリーダーシップの低下であり、その次が内戦または革命であり、これにより覇権は終焉する。米国の債務の増大、麻薬の蔓延、異常な格差社会、寡頭政治などをみると、米国内部は疲弊しており、また、すでに米国は自己の覇権を維持するコストに辟易しており、国際政治への不関与の傾向が強い。レイダリオの見立ては概ね正しいと思う。歴史は繰り返すのだ。ただ彼の見立てて通りにいかないとすれば、次の覇権が中国ではなく、多極構造化するという点だ。

 

ここ数十年の米国株の高騰をみると、米国株投資は合理的であるが、大きな歴史的な潮流を踏まえると、米国株一本打法は危険だろう。ドル資産のトリプル安が発生しているが、短期で終わればいいが、これがトレンドの変わり目で、「炭鉱のカナリア」だったかもしれない。2030年といえば遠い未来の感じがするが、もう5年後の話である。