「映画を知って、映画をもっと楽しもう」をテーマに、2006年より始まった〈映画検定〉。これまで約3万人が受験し、コロナ禍で休止を余儀なくされたものの、2026年2月にキネマ旬報社とWOWOWの強力タッグのもとで7年ぶりに復活する。しかも新たな検定システムの開設(マイページやランキング表示あり)により、楽しさがアップした。本日(12月1日)より早期割引価格の2026年度受験チケットが各プレイガイドで販売されるので、ぜひチェックしたい。ー キネマ旬報WEB


映画誕生から120年が経過しているが、そんな映画についての幅広い知識を問うのが映画検定である。以前は級別だったようだが、今回はスコア制になっている。1000点満点で、点数に応じて下記の称号が付与される。完全にオンラインなので気軽に受けられる。受験期間は、2026年2月6日(金)10:00から3月9日(月)10:00で、試験時間約60分、受験料は5500円。趣味程度に受けるにしては5500円は高いが、話のネタにはなると思うし、こういう切り口から映画観たことないなぁという気付きもあるので、個人的にはオススメ。

 

なお、特にカメラなどもONにしなくていいので、カンニングできてしまうが、ハイスコアをとる実益はない。ちなみに、ラキングが公開されているが、82人がランクしているが、受験者数が82人ということだろうか笑。とんでもないマイナー検定である笑。

 

1000点    ?

900~999点 グランドマスター

800~899点 マスター

700~799点 シネフィル

600~699点 映画の地図を持つ人

500~599点 映画の旅人

300~499点 映画を歩き始めた人

200~299点 映画に熱中している人 

000~199点 映画好き

 
問題を受けてみると、監督・俳優・映画賞・映画の歴史・業界知識などからまんべんなく出題されており、バランスよく映画産業への知識を測定できる。
 
ちなみに、私は映画は暇な時に観るが、個人的に気になる作品しか観ないし、監督・俳優などは気にしないし、映画業界の知識もないのでそうした問題はさっぱり。検定に向けた勉強も一切していない。というわけで、私の結果は「映画を歩き始めた人」でした!満足な結果だし、これ以上、上を目指す気もない笑。
 
個人的な感覚だが、映画をほとんど観ない普通の人は100点もいかないと思う。500点を超えるだけでも、一般的にはかなり映画に詳しいレベルだろうし、700点以上になると映画業界で働いている人とか、映画を専門的に学んだ人とか、趣味であればかなりの映画通だと思う。
※アカウント名等は削除している。
 
ちなみに、映画に詳しくなるというのは、時代を経るごとに難易度が上がっていると思う。半世紀前だと、劇場公開の欧米・日本の映画をカバーしていればよかった。現在だと新興国でも映画の製作が拡大し、配給される本数がかなり増えている上に、Netflixなどの新しい製作主体が登場している。年間の映画の公開本数に加えて、ネット配信の新作映画なども網羅するのは無理がある。
 
実際、1955年~2004年にかけて、日本の劇場公開映画の本数は550~700本で推移していたが、2013年には1000本を超え、2024年になると1315本を超える。20年前であれば、毎日映画館にいけば、劇場公開作品の5~7割が網羅できたが、現在だと3割も網羅ができない。ここにネット配信の映画まで加わるのだから、その量は膨大である。昔は「映画好き・映画通だったらこの作品は観たよね?」という会話が成り立ったのかもしれないが、現在では共通項を持つことが難しくなってきているように思われる。そうした中でこうした幅広い知識を求められる映画検定というのはなかなか位置づけが難しいのだろうなと思う。
 
また、映画館で映画を観た回数の調査(LINK)によると、そもそも直近1年で映画館に行った人が49%で過半数割れであり、12回以上(つまり月1回は映画館に行った人)はたった3.7%しかいない。もちろん、自宅で観ているケースもあるのかもしれないが、映画を年間で12本以上みているだけでも、世間的にはかなりの映画好きに入るのだろうと思われる。
 
上記を踏まえて映画検定の受験者数の少なさについて思うのだが、映画好きといわれる人は意外と少ない上に、さらに、わざわざお金を払って幅広い映画知識が求められる映画検定を受けたいというモチベーションがある人で絞り込むと、相当なニッチ市場である。それゆえの受験者数と思うと、納得がいく。大半は娯楽で映画を観ているので、映画検定はもう少し大衆的でエントリーレベルの内容だと、もう少し受験者数は増えるだろうかと思う。
 

 

トランプ大統領のメラニア夫人を焦点にあて、2025年の大統領就任式までの20日間をドキュメンタリーとして映し出す。就任式に向けてのパーティー会場の準備、着る衣装のデザイナーとの打ち合わせ、プライベートジェットでの移動などが映し出されており、就任式に関するセキュリティに関する会議や私生活での会話などが興味深い。

ただどこまでも表面的で、あくまで綺麗な部分しか映さないので、ドキュメンタリーと言っていいのかよく分からない。元モデルにして権力者の妻であり、カッコ良く働くキャリアウーマン、そしてチャリティーや弱者保護にも関心があるという、どこまでも作り上げれた完璧なファーストレディーのイメージを流布するためのドキュメンタリー。ただ実際、社会問題に無関心で、放蕩三昧より何倍も偉いと思う。こうしたセルフイメージの維持管理だけでも相当なものである。

個人的にはトランプタワーの私邸の内部や別荘マー・アー・ラゴの様子など、アメリカ大富豪の生活が垣間見えて、個人的には満足度高めだった。デザイナーが自宅に来てドレスの調整なんて実際にあるのね。自宅の調度品などみると、やはりトランプ大統領は、力強くて派手で豪華なのが好きなんだろうな。ちなみに、トランプ大統領の総資産は3000~4000億程度といわれているからこそなしえる優雅な生活である。優雅な生活は眼福だった。

 

★ 3.7 / 5.0

さて、本日は、東京芸術劇場 コンサートホールで開かれた「ショパンコンクール入賞者ガラコンサート」へ行ってきた。チケットは争奪戦だったが、なんとか席を確保できたので行ってきた!前大会のガラコンサートはチケット確保できたけれども、コロナで中止になって涙をのんだ・・・。しかし、開始が18時だったため、間に合わず・・・(;´∀`) 結局、ウィリアム・ヤンさん、ヴィンセント・オンさん、ヴィンセント・オンさんの演奏が聴けず(´;ω;`) とはいえ、桑原詩織さん、ワン・ズートンさん、ケヴィン・チェンさん、エリック・ルーさんの演奏を聞けて満足だった。



出典

 

曲目は下記の通り。

 

■ウィリアム・ヤン(第6位):2つのノクターン Op.32より 第1番 ロ長調、第2番 変イ長調
■ピォトル・アレクセヴィチ(第5位):アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
■ヴィンセント・オン (第5位):幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
■桑原志織(第4位):舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
■ケヴィン・チェン(第2位):ポロネーズ第6番 「英雄」 変イ長調 Op.53
(休憩)
■ワン・ズートン (第3位/ソナタ賞):ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
(休憩)
■エリック・ルー(第1位):ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
 

桑原志織さんから演奏を聞いたが、やはり桑原さんの演奏は貫禄が違う。音も安定感と美しさが段違い。音の鳴りも良く、とてもよく音が通る。桑原さんは、シルバーコレクターとの表現もあるが、マリアカナルス/ヴィオッティ/ブゾーニ/ルービンシュタインコンクールでそれぞれ第2位だからだ。ショパンコンクールでも第4位。ただ演奏の説得力が高く、おそらくコンサートピアニストとして活躍されるのではないかと思う。

 

ケヴィン・チェンについては、以前も名古屋で演奏を聴いているが、彼の演奏は、練習どうのこうので到達できる次元にない。天才とは彼のことを言うと思う。ただ今回の英雄ポロネーズを聴いても思うが、彼の圧倒的な技量は、ショパンではなく、リストやラフマニノフでいかんなく発揮されるのではないかと思う。なお、彼はモーツァルトコンクール、リストコンクール、ジュネーヴコンクール(ピアノ部門)、ルービンシュタインコンクールでそれぞれ優勝しているが、ショパンコンクールではなく、チャイコフスキーかエリザベートに出ていたら、もしかしたら優勝していたかもしれない。

 

ワン・ズートンさんについては、正直、ソナタを聴きたかった。ズートンさんの演奏は繊細で流麗で、一次予選から応援していたが、コンチェルトに関しては、コンクールのときも思ったが、少々難があるように感じてしまう。今回も少しオーケストラと合っていないと思われる個所があった。ソロコンサートにうかがいたいと思う。

 

エリック・ルーさんについては、リーズ国際ピアノコンクールでも優勝しているが、実は17歳のときにショパンコンクールで第4位に入賞している。なんとも素晴らしい演奏。磨き抜かれた音と演奏だった。特に第2楽章の甘美なこと、美しいこと。ただ遠目にみても、かなり痩せているようで、体力面でハードな演奏活動が続くのだろうかと心配になってしまった。

 

こうして聴いてみると、音楽に序列つけるなんて無理だなとつくづく思う。順位が上だから良い演奏とか、逆に入賞しなかったから悪い演奏ということもない。好みの世界。聴衆が演奏家を育てていくのだなと思う。次のコンクールは2030年。次回もガラコンサートを楽しめたらいいなと思う。

 

(蛇足)それにしてもやはりショパンコンクールのガラコンサートはチケット獲得が大変なので、物見遊山の観客というより、それなりに音楽好きが集まっているためか、演奏中も会場が静かで快適に聴けた。演奏の合間の咳払いとか、鞄をガサゴソとかは、必然ではなく、マナー意識のレベルの問題なのだなと思った。

 

実在のローマ皇帝の暴君のカリギュラを描いた問題作「カリギュラ」。「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェル、後に「クィーン」でアカデミー主演女優賞を受賞することになるヘレン・ミレン、「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥールら英国の大物俳優が出ている。

1976年、男性向け月刊誌「ペントハウス」の創設者であるボブ・グッチョーネは、約46億円もの巨費を投じ、自主製作映画として本作を作ったのだが、グッチョーネが勝手に脚本変更したり、無断でポルノシーン追加したりして、トラブルだらけになった。結果的に監督はクビ、音楽家などはクレジットを拒否するという有様だった。批評家からは酷評の嵐だったが、一部の観客には評価され、伝説的な作品となったものである。

本作は、破棄されたと思われていたフィルムが発見されたことで、90時間以上の映像を再編集して、再び1本の映画として完成された再編集版「カリギュラ」である。ちなみに、私は1976年公開版は未視聴。

178分の長丁場だが、エロ・グロ的なアート作品ぽいなと思う一方で、それぞれのシーンのインパクトはそこそこ強いし、俳優陣の演技は素晴らしいのだが、映画としての推進力には欠けるため、観ていると眠くなる。衣装なども悪くないのだが、なんか印象に残らない。

そして、当時としては問題作だったとはいえ、CGなどが発達して、もっと高精度の映像を見慣れている現代人からすると、グロいシーンも正直作り物が強く、何も感じなかった。正直、裸体も多いが、頻度が多く、集団で出てくるとそれが普通に見えてしまう。なんというか、変態性に乏しく、ありきたりなただの裸体にしか見えない。やはり公開当時は問題作だったのだろうが、その後、これを上回る作品や描写がいくらでも出てきたことで、衝撃が陳腐化した感が否めない。

当時観ていたら「なんて作品だ!」と思ったのかもしれないが、正直なところ、個人的には悪趣味で豪華な映像以外に特に観るべきところがあまりない。正直、3時間は長いので、2時間のダイジェスト版があればいいなと思う(映画製作陣・再編集陣には申し訳ないが)。伝説的な作品なので、あくまで教養として観ておくのは良いかもしれない。

 

★ 3.4 / 5.0

 

 

大ヒット英国ドラマ「ダウンタウンアビー」の劇場版三作目にして、ダウンタウンシリーズの完結編。シリーズ開始から15年。いよいよ、完結だと思うと切ない。グランサム伯爵一族の絵巻物として観ても面白いし、時代のうねりや社会変化という観点に着目しても興味深く観れる作品だった。可能であれば、第二次世界大戦からその後まで描いてほしかったが、1930年を描いた本作で打ち止めである。

フィナーレを飾る作品だからこそ、明るいハッピーエンドだと思っていたが、本作はどこまでも当時の貴族・上流社会のシビアな現実を描きこんでいる。そもそも本作の時代設定の1930年の前年の1929年にはアメリカ発の世界大恐慌が始まっており、数年後にはドイツでヒトラーが台頭し、1939年に世界大戦がはじまるから、当時は風雅な時代ではなく、貴族社会が大きな変革にさらされていた時代であるから当然といえば当然である。本作でも描かれるが、当時は貴族も相続税が課されるようになり、貴族の邸宅は次々と売却されていき、経済環境も大きく変化していた。

本作のテーマは「世代交代」だろう。執事のカーソンはアンディに引き継ぎ、パットモアはデイジーに料理人の座を譲り、伯爵家の居城ダウンタウンアビーはメアリーが当主となる。メアリーは離婚スキャンダルで上流階級では立場がなくなるが、新しい時代の変化を受け入れながら、自身の未来は強く切り開くのだという強い意志が感じられた。その後の時代の変化という荒波にも、グランサム伯爵家は辛くとも耐えていってくれるだろうと期待感を抱かせてくれるラストだった。フィナーレを飾る素晴らしいラストだった。

本作はドラマや劇場版など長編だったので、多くの人が登場したが、やはりマシューやシビルなど、劇中の故人を思い出すと感傷的になる。そして、劇場版二作目で先代の伯爵夫人バイオレットは作中で息を引き取ったが、バイオレットを演じたデイム・マギー・スミスも 2024年9月27日に天寿を全うした。ぜひこれまでに出てきた多くの登場人物も偲びながら本作を鑑賞してほしいなと思う。

(追伸)本作の原作者は一代男爵のジュリアン・フェローズ卿であるが、彼のニューヨークの1880年代の上流社会を描いたドラマ「ギルテッドエイジ」はまだ続いている。本作の伯爵夫人コーラは米国出身だが、当時、米国の大富豪の令嬢が困窮したイギリス貴族に嫁ぐことはあり、数百人いたそうだ(ダラープリンセスと呼ばれた)。「ギルテッドエイジ」では、アメリカ上流階級が、社会的ステータスのために英国貴族と婚姻するエピソードもあり、「ギルテッドエイジ」を観ると、アメリカ側の事情も少し垣間見えて面白いと思うので、オススメしたい;配信はUNEXTだけであるが。

 

★ 4.0 / 5.0