観ながら「あれ、こんな話だっけ?」と思い、映画を観終わってあらすじを再度読んだのだが、だいぶ改変されている。というか、後半部分は全カット。主人公キャサリンのお兄さんも出てこない。原作に忠実な映画版ではなく、エメラルド・フェネル監督が「嵐が丘」を原作に、現代風に再構築した映画。

前半は物語に引き込まれたし、全体通して興味深く観させてもらった。ただ、当初は全体的に装飾や調度品などがモダンなテイストで素敵だなと思ったのだが、さすがに過剰でくどい。キャサリンのお父さんが亡くなるシーンで、背景のうず高く積まれた空き瓶とかギャグにしか見えなかった。キャサリンが身に着ける服装はあまりに派手で、身に着けている宝石は主張があまりに強く、大き過ぎる。ヒースクリフの部屋もいくらなんでも荒れ果て過ぎだろう。

そして、原作にはない性的シーンがあれこれ追加されているのだが、SMタッチのシーンなどは、正直、気分が良いものではない。暖炉の手をモチーフにしたデザインなども個人的には少々悪趣味に感じられた。

ただ全体的には登場人物を削り、表現は過剰だが、キャサリンとヒースクリフの純愛に焦点を当てたプロットは分かりやすく、ストーリー展開も推進力が維持され、飽きずに観れた。衣装や室内装飾なども節度あるものについては素晴らしかった。格調高い文芸作品の映画版と思ってみると、全く異なるものであるが、モダンなテイストで再構築されたものとして鑑賞すると、斬新で興味深かった。英国のシンガーソングライターのチャーリー・XCXの楽曲なども個人的には良かったと思う。

 

★ 3.7 / 5.0