『ヒストリエ』のフィリッポスの暗殺について他 | 胙豆

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傲慢さに屠られ、その肉を空虚に捧げられる。

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書いていくことにする。

 

実際、次の『ヒストリエ』の記事の書く内容は決まっていて、ほぼほぼそれのための資料集めは終わっていて、一応、あとは西洋古典叢書のアテナイオスの『食卓の賢人たち』を検証すればもう、その記事は書ける状態なのだけれど、それはそれとして、今月は事情があって『ヒストリエ』についての記事を書くことにした。

 

2020年9月現在、『ヒストリエ』は隔月連載になっていて、大体、2か月に一回くらいの頻度でアフタヌーンに十数ページだけ掲載されている。

 

だから、2019年の7月に出た11巻の終わりの時点から大して進んでいるということもないのだけれど、パウサニアスがフィリッポスを斬りつけるシーンで前回の『ヒストリエ』は終わっていて、事と次第によってはフィリッポスが今月に死ぬのであって、そのための言い訳の記事を作ることにした。

 

僕は『ヒストリエ』のフィリッポスは暗殺劇を生き延びて、主人公のエウメネスの生涯の敵であるアンティゴノスへと転身するという物語の構造を想定していて、その話は過去に十数回書いてきた『ヒストリエ』の記事で度々言及している。

 

フィリッポスは偽名としてアンティゴノスと名乗っていたけれども、実際に後にアンティゴノスになるのだろうという話です。

 

(岩明均『ヒストリエ』5巻p.118 以下は簡略な表記とする)

 

アンティゴノスというのはアレクサンドロスの横死の後に権力争いをした後継者(ディアドコイ)の一人で、『ヒストリエ』の原作である『英雄伝』ではエウメネスの列伝のかなりの紙幅がアンティゴノスとの争いに費やされているし、その『英雄伝』ではエウメネスとアンティゴノスが親しい間柄であったという記述がある。

 

戦場で再開した際に抱き合うし、自らの体を盾にして群衆から敵であるエウメネスを守ったりもしているような人物で、まぁイメージとしては『ヒストリエ』のアンティゴノスが王じゃなくて将軍になったような人物像になっている。

 

そのアンティゴノスについて、『ヒストリエ』のフィリッポスが名を変えてアンティゴノスという人物を演じるのだろうという話は、過去に僕が言及してきたとおりに、その事を示唆させる描写が『ヒストリエ』には多数あって、物語の配置的にフィリッポスはアンティゴノスになるのだろうとは思っているのだけれど、実際、今月死ぬかもしれないということもある。

 

結局の所、漫画なんてものはリアルタイムで色々物語を構成しているわけであって、当初の予定が存在していても、諸々の事情でその予定を変更するということは実際問題として行われている、良くある話でしかない。

 

ちょうど先月の終わりの頃に、僕は漫画の『シグルイ』が如何に予定変更を経ているかについて解説記事を一つ書いている。(参考)

 

今用意したリンク先を読んでいただければ『シグルイ』がどれ程に予定変更をしたのかを理解していただけると思う。

 

…本来的にここで2~3作品、作中で予定変更した漫画の話をして、こういう風に漫画家は予定変更しがちですよと示したのだけれど、少し冗長だと思って削除した。

 

『ぼくらの』、『BLEACH』、『ベルセルク』の話をしていたんだけれど、仕方ないね。

 

とにかく、漫画家というものは往々にして予定を変更するものであるらしい。

 

岩明先生にしても予定変更をするタイプの漫画家であって、その事は『寄生獣』の旧版の単行本の後書きから理解することができる。

 

その後書きには当初、「傲慢な人間どもめ」という内容を想定していたけれども、『寄生獣』の連載中に環境保護の気運が世間様で高まってきてしまって、連載当初では結構メッセージ性があった人間の暴慢さの啓発が陳腐化してしまって、「傲慢な人間どもめ」というのは本来的には作品全体のメッセージだったけれども、あくまで市長の広川の一意見に変更したという話が言及されている。

 

1990年代や2000代初頭はダイオキシンとか環境ホルモンと言った環境汚染の問題がメディアで頻繁に取り沙汰されていて、それが『寄生獣』の作中の予定変更に影響を与えたらしい。

 

『寄生獣』では本人が言っている通りに当初の予定を変更しているわけであって、岩明先生は当初の予定を変更する可能性がある漫画家であるということは確かだと思う。

 

『ヒストリエ』において、フィリッポスは暗殺を生き抜いてアンティゴノスというディアドコイになるということは、作中に既に示された描写にそれを示唆する内容がかなりある。

 

けれども、岩明先生は予定を変更して、フィリッポスを殺して、アンティゴノスを別途用意するというそれに変えてしまうという出来事は十分あり得るそれになる。

 

だから、もし、今月とか次回掲載分でフィリッポスが死んだのならば、それは予定変更があってフィリッポスはやっぱり殺すことにしたのだろういうことになると思う。

 

実際、フィリッポス=アンティゴノスを示唆する材料は大量にあって、まず、フィリッポスの部下として『ヒストリエ』で出て来たメナンドロスは普通に、アンティゴノスの部下として、『ヒストリエ』の原作である『英雄伝』に登場する。

 

あぁそうそう、『ヒストリエ』の原作が『英雄伝』であるって話は以前ねっとりとした調査をして確定的に明らかにしたので興味があったらどうぞ。(参考)

 

その原作の『英雄伝』のエウメネスの列伝に出てくるアンティゴノスは『ヒストリエ』のフィリッポスにそっくりで、エウメネスもやっぱりそっくりだから、僕はまず初めにあまりに似すぎている二人から、『ヒストリエ』の原作は『英雄伝』なのではないかと疑い始めたという経緯がある。

 

一方で同じ『英雄伝』のデモステネスの列伝に、マケドニア王フィリッポスは出てきているのだけれど、『ヒストリエ』のフィリッポスとは全然似ていない。

 

以下の記述はアレクサンドロスが撫で斬りとかをやった、カイロネイアの会戦の直後の話です。

 

「 ところで、戦が終わると喜びのあまりフィリッポスは直ぐに傲慢になって、酔ったまま死体の上で乱舞し、デーモステネースの決議案の最初の文句を韻に合わせて口誦さんだ。『パイアーニアーのデーモステネースの子デーモステネースは提議する。』しかし酔が覚めて唯一日のしかも小部分に賭けさせたこの弁論家の手腕と力に身慄した。(プルタルコス『プルターク英雄伝 10巻』河野与一訳 岩波書店 1956年 p.145)」

 

カイロネイアの会戦で大勝利を収めたフィリッポスは戦場で戦勝祝いにその場で飲みだして、気分が良くなって死体の上に乗り上げて、檄を飛ばして敵軍を集結させたデモステネスのことを馬鹿にして、踊りながら彼の言葉を嘲けて歌ってみせたけれども、酔いが覚めた後に、あんな軍隊を口先一つで用意して、マケドニアという国にカイロネイアでの決戦を選ばせたデモステネスとかいう奴やべぇな(素)と思って戦慄したという話になる。

 

酒を飲むところまでは『ヒストリエ』のフィリッポスと同じだけれども、死体の上で相手を馬鹿にした歌を歌って踊ったり、酔いが覚めた後に相手のヤバさに気づくという軽率さは、『ヒストリエ』の冷静なあのマケドニア王とは似ても似つかない人物描写になる。

 

『ヒストリエ』の原作が『英雄伝』なのは現状だとほぼ100%でそうであって、その原作のフィリッポスは『ヒストリエ』のフィリッポスに似ていない一方で、アンティゴノスは『ヒストリエ』のフィリッポスとそっくりな性格になっている。

 

冷静で、優秀な指揮官で、エウメネスのことを強く警戒していて、高く評価していて、出来るなら仲間にしたいと思っていて、降服をエウメネスに求めたり、エウメネスはそれに靡かなかったり、最終的にエウメネスを捕虜にしたけれど危険すぎて仲間に出来なかったし、目的が叶わないと分かると直ぐに果断な決断をする人間だし、人望や旗下の勢力の違いで彼の方が優位であるけれども、根本的な軍才ではエウメネスの方が一枚上手、そのような人物が『英雄伝』のアンティゴノスになる。

 

まんま、『ヒストリエ』のフィリッポスのような人物で、『ヒストリエ』ではエウメネスに気付かされる描写が結構あって、軍事的な判断力ではエウメネスの方が上である様子がある。

 

(8巻pp.36-37)

 

もちろん、それだけでフィリッポス=アンティゴノスと僕は言及しているわけではない。

 

『ヒストリエ』ではフィリッポスは一つ目の巨人、キュクロプスと譬えるシーンがある。

 

(5巻pp.116-117)

 

こういう風にキュクロプスとフィリッポスは譬えられているけれども、フィリッポス二世という人物は片目しかないとはいえ、特に彼自身に神話上の化け物であるキュクロプスと関連付けられる要素は存在していない。

 

『ヒストリエ』において…というか、この世界にフィリッポス二世の事績について書かれた本なんて多くなくて、日本語訳があるようなのは『地中海世界史』というそれしかないのだけれども、『ヒストリエ』作中のフィリッポス二世の描写は『地中海世界史』に由来している部分が結構ある。

 

 

 

まぁ事績がこの本にくらいにしか言及されていないのだから、それに依るのは当たり前なのだけれども、フィリッポスがエパミノンダスの師事した話や、トリバロイに襲撃を受けて足を怪我して、その事が禍いだのなんだのとされたこともしっかりと『地中海世界史』に言及がある。

 

その『地中海世界史』のアンティゴノスの注釈には以下の内容が書かれている。

 

「(ピリッポスの息子アンティゴノス、)別名、モノプタルモス(独眼)、またはケクロプス。前二八二年頃―三〇一年。アレクサンドロスの部将。前三三二年、プリュギアのサトラップとなったが、本文にある通り、大王の死後、パンピュリア・リュキア・大プリュギアを得る。(後略)(ポンペイウス・トグロス『地中海世界史』合阪學訳 京都大学学術出版会 1998年 p.218 冒頭()引用者補足)」

 

ここでアンティゴノスのあだ名にケクロプスというそれがあるという記述がある。

 

書き方的に独眼というあだ名であるモノプタルモスの別の言い方として、ケクロプスというそれが言及されていて、アンティゴノスのあだ名にケクロプスというそれがあるという事が把握できる。

 

ケクロプスという語は一つ目の巨人であるキュプロクスのことではなくて、また別の神話上の存在の名前でもあって、Wikipediaにケクロプスの記事もあるのだけれども(参考)、アンティゴノスのあだ名が"一つ目の巨人キュプロプス"であると言及があるテキストがある。

 

「ピリッポスの子アンティゴノスは隻眼で、そのため「一つ目入道(キュプロープス)」と綽名された男であるが、もとは自作農であった。(アイリアノス『ギリシア奇談集』松平千秋・中務哲郎訳 岩波文庫 1989年 p.339)」

 

岩明先生がこのテキストを読んだかどうかは定かではないけれども、隻眼がためにキュプロプスであると言っているのだから、アンティゴノスには一つ目の巨人を意味するあだ名があると考えて良いと思う。

 

アンティゴノスが正体を明かした場面でフィリッポスに関連する何かではなくてディアドコイのアンティゴノスに関連する何かに比されるところを考えると、やはり、あのシーンを描いた時点ではフィリッポス=アンティゴノスという予定だったのだと僕は思う。

 

なんというか、漫画表現的にフィリッポス=アンティゴノス以外あり得ないのではないかと僕は思う。

 

その話を抜きにしても、アフタヌーン掲載分でフィリッポスに子供が生まれていて、その生まれた子供はアンティゴノスの息子であるデメトリオスと同い年で同じ年に生まれていたりする。

 

メナンドロスは原作だとアンティゴノスの部下だし、11巻現在の時点でマケドニアにアンティゴノスという将軍は居ない様子があるし、フィリッポスは1巻でアンティゴノスと名乗っていたし、どっちも独眼だし、アンティゴノスの父親はフィリッポスだし、原作の『英雄伝』だとアンティゴノスの性格がフィリッポスそっくりだし、ちゃんとデメトリオスと比定出来る年齢の子供が『ヒストリエ』作中でフィリッポスに生まれたし、少なくとも『ヒストリエ』の作中のある段階まではフィリッポス=アンティゴノスとして想定していたのではないかと思う。

 

じゃあ、今月掲載分や次の掲載分でフィリッポスが生き残るかについて言えば、分からないということになると思う。

 

まぁ漫画家が予定を変更するなんて良くある話だし、アンティゴノスとフィリッポスだと失明している目が左右違うらしいし、フィリッポスの墓が最近見つかったりしているので、「やっぱ殺そう」と思って予定変更してフィリッポスは普通に死ぬのかもしれない。

 

結局全ては岩明先生の匙加減だから、連載が終わっていないものの話をしようとすると、最終的には分からないとしか言いようがなくなるし、巷で「フィリッポス=アンティゴノス」という話が広まりすぎて、やっぱやめようと思ったりすることも十分あり得る話になる。

 

…『名探偵コナン』で阿笠博士が当初は黒幕だったけど、そのネタバレが広まりすぎて変更したって話、あれ本当なんですかね?

 

岩明先生にしてもそういう風聞が作品に影響を与えるという可能性もあるのであって、実際にどうなるかはその事が描写されるまでは分かるところにはないと思う。

 

さて。

 

残りで、パウサニアスが見たライオンの貌の話とかをしようと思っていたけれども、ここまで書いて疲れてしまった。

 

しっかり引用して色々書く予定ではいたのだけれども、そういうことはしないで簡単に書くとして、パウサニアスのライオンに見た貌はおそらくアレクサンドロスのものだろうという推論がある。。

 

まぁ原作の『英雄伝』でアレクサンドロスは獅子と関連付けられているし、実際にパウサニアスが見たライオンの貌はアレクサンドロスに似てますし。

 

…一応引用するか。

 

「 伝えによると、フィリッポスはまだ若かった頃、サモトラーケーでオリュンピアスという娘と一緒に密教に入門し、両親のいないこの娘に恋して、その兄アリュッバースを説得してそのまま婚姻した。ところがこの花嫁は結婚式を挙げる前の晩に、雷が鳴ってそれが自分の腹に落ち、そこから沢山火が燃え上がり、やがて炎となって辺りに広がってから消えたという夢を見た。その封印の彫は獅子の像を持っていると思った。他の予言者はこの夢を解いてフィリッポスは結婚生活を厳重に警戒する必要があると云ったが、テルメーッソスの人、アリスタンドロスは空虚な場所には封印をするわけがないから、その女は懐妊しているし、そこに宿した子供は天性獅子のように勇ましいと云った。(プルタルコス『プルターク英雄伝 9巻』河野与一訳 岩波書店 1956年 p.8 文語調は口語調へ 注釈は省略)」」

 

このようにアレクサンドロスは獅子と関連付けられているし、パウサニアスが獅子に見た激情はアレクサンドロスのものなのではないかと思う。

 

そうと言えども、実際の暗殺の場面で何が起こるのかは僕には分からないし、パウサニアスがそのままその場で死んでしまった場合、心の座のくだりが宙に浮いてしまうのであって、そこら辺がどう解消されるのかは実際に描かれるまではもうどうしようもないと思う。

 

それと引用した部分のオリュンピアスの話は、劉邦という古代中国の漢帝国の初代皇帝にも似たようなエピソードがあって、彼が生まれてくる前に母親の腹に竜が乗るという夢を見たという逸話があって、それを劉邦の母親の不貞というか、種が別にあるという話であると解釈する場合があって、『ヒストリエ』のオリュンピアスの不貞に関しても、雷が落ちたというのを何らか不貞の暗示と解釈するという話があってそこから来ているのだと思う。

 

ここで言う密教はオルフェウス教のことで、オルフェウス教はかなり性的に放蕩な宗教と僕は聞いたことがあるので、そういうところからの邪推もあると思う。(参考:Wikipedia「オルフェウス教」)

 

ていうか多分、西洋世界に先の話をオリュンピアスの不貞の暗喩とする話があって、それを知った人が劉邦の竜の逸話も同じ話だと推論しただけなんだろうなと思う。

 

というフィリッポスとかについての話。

 

大分推論が多くなってしまった。

 

本当はこんな確実性に欠ける記事は作りたくなくて、次に予定している『ヒストリエ』の記事だと推論の部分はほとんどないからそっちを優先して書きたかったのだけれども、どうしても言い訳の記事が今月必要だと思ったので用意した。

 

だって、フィリッポスが作中で本当に死んだら、昔書いた内容が間違っているということになって、そうなったら過去に書いたものをどう修正すればいいか分からないし、その作業を考えると言い訳の記事を作った方がまだ相対的にマシなクソだと思ったから…。

 

まぁ予定している記事、作る前からこの世界で誰一人とも得をしない内容だって分かっているから、どちらの方がよりアレかはまぁ…ね。

 

仕方ないね。

 

・2021年8月追記

フィリッポス…死ななかったね…。

 

まぁせやろうなとしか思わないけれど。

 

・追記2

この追記は2024年に書いているのだけれども、『ヒストリエ』の12巻が発売された結果としてこの記事に訪れた人の中で、僕が2020年の時点でフィリッポス=アンティゴノスの話をしているということに何らか驚いていた人が多少なりとも見受けられた。

 

ただ、その反応を見て僕の方で思う所があったので、少し追記で補いたいと思う。

 

なんというか、2015年の時点で僕はその話してるんだよなぁ…って。

 

これは一切関係のない他の漫画の解説記事についたコメントへ僕がした返答で、上の方にはその漫画の話があって、ただ今回はそこは関係ないから『ヒストリエ』の話だけを切り取ったけれども、2015年の時点でziro_irisaという人物は、つまり僕はアンティゴノス=フィリッポスの話はしている。

 

ちなみに黒塗りの部分には『ヒストリエ』のよろしくないネタバレがあったので、ペイントで塗りつぶしました。

 

そもそも、アンティゴノス=フィリッポスであるという予想自体は昔からネット上にあって、その上でどっちにするんでしょうねと言う返信をした記憶がある。

 

加えて、このコメントを返した頃にちょうど『ヒストリエ』の9巻が発売されたということがあったらしくて、その9巻の発売の時点で僕はアンティゴノス=フィリッポスを確信していたらしい。

 

先のコメントを返した後に僕は続けてこのようなコメントを、さっきのコメントの40分後ぐらいに返していた。

 

 

アンティゴノスという将軍がマケドニアに居たならば、エウメネスはフォーキオンに自分の主人がアンティゴノスであるとは言えないはずで、そこからマケドニアにアンティゴノスという将軍は居ないということが分かる。

 

更にはアンティゴノス将軍の年齢はフィリッポスと同じである以上、既にそれなりの役職でなければならなくて、それなのにそんな名前の将軍がいないということは、今後フィリッポスと同じ年齢の人物が大王が東征に出てるのにマケドニアに新たに仕官して、新参者なのに大王の死後の領土分割で大きな領域を獲得するという出来事が必要になって、それはおかしな話になる。

 

更には、ディアドコイ戦争で覇者の如く権勢を誇ったアンティゴノスは、年齢的に9巻の時点で中年で、それが未だにマケドニアに仕官しておらず頭角を現していないのも奇妙な話で、そうしたところからアンティゴノス=フィリッポスと考えた方が妥当だろうとこの日の僕は言っているのだと思う。

 

メナンドロス云々は、『ヒストリエ』でフィリッポスの部下として登場した彼は、原作の方だとアンティゴノスの部下で、もしアンティゴノスがフィリッポスと別人だった場合、先王の腹心で古参で地位の高いメナンドロスが新参者のアンティゴノスの配下にいるということになってしまう。

 

けれども、アンティゴノス=フィリッポスとするならば、『ヒストリエ』の描写で何も問題なくて、それが故に具合がいいと僕は言っている様子がある。

 

なんというか、昔の事はよく覚えていないけれど、9巻の時点の情報でアンティゴノス=フィリッポスと僕の中でするには十分で、ただ僕の方で自己評価が低すぎるから、自分の判断に自信が持てなくて、言い訳の記事を2020年に用意したという話らしい。

 

まぁこういう記事を書いた結果として不安に苛まれてビクビクと怯えるのはいつもの事なので、いつも通り不安になって、いつものようにこの記事を書いたという話らしい。

 

自分に自信があったなら、2015年の時点の理解で十分で、こんんな記事作らなくても良かったわけで、まぁそういう所は自覚ある話だから色々ね…。

 

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