『シルバーバーチの霊訓』から、前回は以下の「宇宙の摂理」の一つをご紹介しました。
■突飛な主張が共感を得られない理由
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内容を要約すると、人類は持ちつ持たれつ進化向上するのであって、特定のずば抜けて優れた国家、人種などの集団は存在しない。従って何の発想にしても、その時代の社会常識内の中からアイデアが生れ、新たな思想として発展していくという法則です。
ところが『シルバーバーチの霊訓』では時として、現代社会の常識を超えた「宇宙の摂理」が述べられています。例えば「肉食はいけない」、「輸血・臓器移植は移植者に悪影響を及ぼす」などという内容です。
これを現代社会でそのまま主張・実践すると共感を得られず、カルト宗教の扱いを受けかねません。この理想と現実のギャップにどう対応するか、というのが今回の課題です。
まずシルバーバーチは、これら語った内容は究極の理想であり、「宇宙の摂理」はこうなっていますよ、という原理原則を述べているにすぎないと弁明している部分があります。
ですから一般社会で、シルバーバーチの思想を生かした意見を述べる場合、その時代の社会常識に従った解釈をとったほうが人からの共感も得やすくなることになります。(シルバーバーチを理解している者同士はまた別)
こうするとシルバーバーチの話を曲解している、と思われるかもしれません。しかし前回述べたように、大方の人類が理解可能な常識内で話を語り、争いを避け協調せよ、という「宇宙の摂理」が存在しているのですから、これを活用すればよいのです。
これだけでは話が抽象的で分からないと思いますので、具体例を述べてみます。
【宇宙の摂理1】肉食は良くないので避ける。
シルバーバーチは、動物もいずれ人間に昇格する近親的存在なので、動物の肉は食べるべきではないとしています。
ところがベジタリアン思想が浸透している欧米諸国はともかく、日本では肉だけを避けるにしても、かなり難しい状況です。食品の中にも色々な動物性食品が含まれています。
この件に関して私自身は、もともと肉が嫌いで食べられないため、結局あらゆる場面で肉を避けざるを得ません。
では肉好きな方が、肉食をやめようと決心した場合はどうするか。中には仕事のお付き合い等で、肉食をせざるを得ない場合もあるかもしれません。
例えば家庭にお邪魔して肉料理をご馳走された場合。断ると相手の好意を踏みにじるようで、心苦しいですね。そんな場合は料理をいただき、自宅では肉を食べないようにする、そんな具合に食事を調整してもよいのではないかと思います。
いかに「宇宙の摂理」を実生活に生かし、かつ他人と争わずに協調していくか、その兼ね合いが個人によって違ってくると思います。
【宇宙の摂理2】輸血・臓器移植は移植者に悪影響を及ぼす
輸血や臓器移植をすると、その提供者の幽体(目に見えない非物質でできた身体)まで一緒に移植されてしまうと言われています。時々臓器提供者の性格や記憶が、移植者に引き継がれたという話を聞きますね。
このような問題があるため、シルバーバーチは輸血や臓器移植に反対なのですが、それらを治療の一環としている現代社会では、どうにも避けようがない場合があります。
例えば大怪我をして病院に担ぎ込まれ、輸血をせねば助かりませんという場合、輸血をせざるを得ないでしょう。
また通院患者の病状が悪化して輸血が必要となった場合、それを拒否すれば、それ以上の通院は不可能になるかもしれません。
病院とは治療をする所であり、治療を拒否すれば医師は何もできませんから、もう病院に来ないでくださいということになります。
このように「宇宙の摂理」も、現代社会では生かしがたいケースがあります。そんな場合は「輸血・臓器移植は身体に悪い」という法則は念頭に置きつつ、現代社会の常識に従って他人と融和を図った方がよいのかもしれません。
取れる選択肢は、輸血をしなくても何とか大丈夫な場合は輸血を避ける、というケースくらいかもしれませんね。
「輸血はすべきでない」という「宇宙の摂理」は現実的ではない。従って「輸血はやむを得ない場合は行う」といった、常識の範囲内、かつ出来るだけ「宇宙の摂理」に近い先進的レベルでの発言・行動を心がける。