アフガニスタンへの道⑤〜タリバン政権・故中村哲医師・麻薬問題〜 | Travel is Trouble 109カ国目

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トラブルに塗れた旅行記
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医大生達の宿舎に戻った時には
時刻は夜中の23時を回っていた
$1=85アフガニ

宿舎に到着すると
まずハキムが出迎えてくれた
今日は一体どうしたんだい。連絡をしたのに返信がなかったから心配したよ」
すると家族の帰りを待っていたかの如く20人程の医大生達が続々と宿舎から降りてきて出迎えてくれた
時刻は夜中の23時を過ぎていたのに皆寝ずに待っていてくれたというのか
どこの馬の骨かも分からない、イスラム教徒でもない奴のために
仲間
幼少期から野球に打ち込み高校まで野球部に所属していたが、こんなに一体感のある仲間を感じたのはこれが生まれて初めて
一時は友人の暴走族の結成時に偶然鉢合わせてなぜか円陣を組まされて無理矢理仲間にならざるを得ない状況に陥ったことはあったが、こんなに自然に仲間を感じたことはない
窮地に陥った仲間を助け、励ます
まだ1日も滞在していないというのにここまでしてもらうと親父は泣いてしまうよ

部屋に戻ってからは事の顛末を事細かに説明
早朝にお祈りの時間がやってくるというのに24時を回っても話に付き合ってくれた

途中から政治の話になり、
タリバンは米国のコントロール下だ」
とんでもない発言が飛び出した
それを主張する組とそうじゃない組に分かれて議論はヒートアップ!
喧嘩になる一歩手前までいくのだが必ず誰かが落として笑いになる
笑いの基本である緊張と緩和はアフガンでも一緒なのだなとお笑い好きとしては嬉しかった

ここで深く聞かなかったが、私のツイッターを参考にアフガン入りしてくれたNaoさん(男)が現地で聞いた話だと
アメリカはタリバンに毎週数100万ドルの支援金を送金しているらしく、アフガンはアメリカのコントロール下にあるのではないかという
しかしそうだとしたら、我々や世界の人々が得ている
タリバン=反米
という話は一体どこへやら
この話を他の欧米人の友人にしても
そんな訳ない。タリバンは絶対に反米で危険な存在だ
と言われる
しかし腑に落ちないのが米軍の撤退時
撤退して間もなくタリバンがカブールを占領
あたかも示し合わせたかの如く
その時にニュースで我々が観たのは、悍ましいBGMと共にカブールを占拠する極悪非道なタリバン
あの演出なら例えばさかなクン
のような善人でも極悪非道な仁義なき戦いの組長みたいに映ってしまうのだろう

アメリカがタリバンを支援しているならなぜそれを堂々と公表できないのか
アメリカが旧政府軍を支援していたはずが実はそもそもタリバンを支援してたという裏の事実が隠されているのか…
これ以上踏み込むと、影で蠢いている闇に葬られ兼ねないのでとりあえずここまでにしたいが何か面白い見解をお持ちなら是非ともコメントで教えていただきたい

続いてナカムラ」の話に
皆様、分からなかったかと思うがこのナカムラとは、中村俊輔でもバン仲村でもなく、アフガンで用水路を掘るなど尽力し、65万人もの人々を救ったとされるアフガニスタンのヒーロー
故中村哲医師のことだったのだ!

…。

そういえば薄っすらとだけ記憶にあったが彼がタリバン所属の男に銃殺された2019年12月はアフリカ旅の真っ最中。一ヶ月にも渡るフランス人女性との旅で毎日彼女の自由奔放というかわがままというか糞ビッ○な言動に振り回されていたのでほとんど日本のニュースをチェックできていなかったのである
マリー・アントワネットが一夜にして白髪になったという逸話はあるが、彼女との1ヶ月で中村哲さんか?と思える程に白髪を蓄えた


そんなことはどうだっていい
中村哲医師は、アフガンで長年医療活動や用水路建設などに携わり、タリバンにも評価されている
その功績を称えられ、中村哲医師が殺害されたアフガン東部のジャララバード近くに総工費約900万円をかけてナカムラ記念庭園が作られた
中村哲医師としてはその900万円を貧困に喘ぐ人に使って欲しいなんて思っているかもしれないが、ムスリムでもない人の名前が使われた庭園ができるなんてよっぽどアフガン国民から愛されていたのだろう

中村哲医師の残した遺産は私にも影響を与えている
アフガン市民やタリバンの人達から
「お前は日本人か! ワオ! 中村!」
「日本人は勤勉で好き」
と幾度となく「ナカムラ」と言われただろうか
日本人であることを打ち明けると途端に態度が変わる
これまで約100カ国を旅したが、こんなに1つの国に影響を与えたのは中村哲医師意外に見当たらない
そういえば大学時代にタイへ行ってタイ人の子供達揃いも揃って
「そんなの関係ねぇ~。おっぱっぴー」
って言ってたけどあれは記憶から消しておきたい
中村哲医師のおかげでなぜか私が尊敬の眼差しを浴びる事になったのだが満更でもないなとこの日は眠りについた



翌日はカブールの中心街を観光
カブールの全景を見ようとひとたび高台に登ると
驚いたことにビル群が建ち並んだ都会が広がっていた



私の知っているカブールはこんな都会ではない
負の側面ばかりが報道されていて気付かなかったがこんなに都会だとは
実際に行って自らの目で見なければ分からないことって多い
もちろん行かなくても凄腕の記者達が事細かに教えてくれることもあるがやはり人はそれぞれ視点や感受性が違うので100%を知り得ることはないと断言できる
時事問題や歴史、文化に関心のある人もいれば私みたいにおもろいことばかりに目を向けている駄目人間もいる
小さい花や大きな花、一つとして同じものはないから
今思いついた格言です

カブールのモスクに到着

中に入ると
またタリバン!
略して「マタリ!」
モスクを見たいと言ったが
「お前は帰れ」
と追い返されたんですけど!
山越えて5kmも歩いてきたのに!

しばらく歩いていると何やら橋の下で蠢いめいている
これはまさか!
BBCでよく見た麻薬問題の現場ではないか!!
聖地巡礼ではないが、テンション爆上がり!
あのBBCで見ていた場所に来れるなんて

橋の下から上に上がってこようとする人もいたが上のアフガン人に石を投げつけられ上がれずにいた
なんだこれは
下界の人間は上界に戻れないのか!?
謎すぎる
ここはジャーナリスト魂を見せるしかないと、現場取材や撮影に試みるも英語通じん、撮影怖いで断念!
どっかから撮影できないものかと辺りを見回したら近くに良い感じで撮影できそうな露店を発見
チップを渡すと快く場所を貸してくれた
橋の下をまじまじと覗くと大体20人くらいはいる

薄暗くてあまり良く分からないが恐らくアヘンやヘロインを吸引している
タリバンが公式には禁止しているケシの栽培がアフガンで蔓延していることが根底にある
これを欧米諸国に密輸して資金を確保しているという話
医大生の寮に帰宅してからハキムに詳しく話を聞いたら、
・麻薬を使用する人々をタリバンは家族のもとに送る
・家族は彼等を更生施設に送る
・更生施設から逃げ出して再び橋の下に戻る
という悪循環が発生しているのだという
果たしてこの問題に終止符が打たれる日は来るのだろうか
最悪なシナリオにならないことを祈るが…

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