9/13 ①
〈ダチョウ少年たち〉第1回目。
原作の日本語翻訳タイトルは「ロス、君を送る旅」だそう。
青春ロードムービーと聞いた。ナンバーも演技も半端ない躍動感。男声4人による幕開けナンバーのスピード感と声の厚さに圧倒される。
久しぶりにチョン・ジウ(と長男)の歌声をたっぷり聴けたのも良かった
ジウは自信に満ち溢れてるし更に魅力的な歌声になってる気がする。〈今夜、世界からこの恋が消えても〉で、シン・ウンチョンとダブルで歌唱力パートを担当(したんだと思われる)。あまり大劇場方面に行かないことを祈る。
キム・ジュンシクは勿論としても、〈女神様〉で出会ったリュ・ドンフィ君もやはり只者ではない。みんなすごい。
大爆笑の割に後半泣かされる。これはリピートしなければ。
自分たちが突然事故で亡くなったロスの1番の親友であり理解者だと思っている3人は、生前ロスを苦しめた人々に復讐さえ試みる。
その自分たちがロスに何をしたか向き合うようになる過程で、各自の心情が重く迫ってくる。
最終的に私が流す涙の、涙ボタンを押したのがどの要素だったのか、見終わってふと考えた。
良いシーンやセリフはたくさんあるが、旅の途中で出会った女の子が「ロスはどんな人だったのか」とブレイクに質問する。
続く質問は「それをロス本人に伝えたことがあるか?」答えは「ない」。
自分に対するブレイクの言葉を聞いてロスが涙を流していたのが印象的だった。自分が愛されていたことに涙したのか、知っていたらあんな選択はしなかったのにという、悔し涙なのか…。
とても苦い「青春ロードムービー」だった。
自分たちだけの葬儀をするために、遺骨と共にロスまで旅してきた彼らだが、ブレイクは何もせずに帰ることにする。(後から勉強放送で聞いたが、遺骨自体がロスではないと悟ったからだそうだ。)
ロスが自分たちをここに連れてきた気がする、と語るブレイクにグッとくる。
後悔や自責の念は、生きていればいつ誰でもが抱えるかもしれない苦い想い。
「罪悪感だけに囚われていないで」「4人はいつも冒険物語の主人公だった、これからも思い出と一緒に4人はいつも一緒だ」そんなロスの声が聞こえたのかもしれない。
ジウ・ロスは特に、暖かい視線で彼らを包んでいるように見える。
怯えたダチョウのように頭を砂に突っ込んでいた少年たちは、傷ついたかもしれないが前を向いた。あとは前に進めばいい。
シムのようにより長い時間が必要だとしても、前進したのは確か。
結局ロスが事故だったのか自殺だったのか、私としては事故だったと思いたい。
10/3 ②
葬儀は残された人のためにあると思っている。儀式を手順通り行うことで、今までいた人が消えてしまったのを受け入れるための。
少年たちの目的はスコットランドのロスでロスの葬儀をやり直す事だったが、この冒険そのものがロスの不在を受け入れるための弔いの旅のようだ。
「この瞬間一緒だったら」の切なさよ
シムが無意識に「俺たち4人」と言うと、ケニーが「でも今は3人だね」…。
映像を貼り付けようとして気付いた!(これはジウ・ロスだけれど)一歩下がって見ていようとしたブレイクの手をさっと取って木馬の台の上にいざなう。
ロスはいつもそうやってみんなをまとめていたんだろう。罪悪感で萎縮しているブレイクを励まそうとしているのかもしれない。(涙)
スンアン・ロスは、不思議な場所に来たみたいな様子で登場。死後に見る初めての世界なのか、キョロキョロしている。
「死んじゃったのか、俺」って顔で、フッとシニカルに笑う。面白がっているのか、冷めているのか。
生前と同じように、4人で楽しい時間を過ごしたがっているロス。屈託なさげにさえ見える。
キム・ギョンロクはシムそのもの。今まで見た色々な役の中で、シムの彼が1番好き。
前回のキム・ギョンシクは素敵な俳優だけれども17歳にしては大人すぎに見えるかな。カッコ良すぎとも言う。
とは言え、台本に定められたそれぞれの個性に縛られることなく、どの俳優でもそれぞれの在り方で楽しめる気がする。
あと、個人的な話だが、「娘より男の子がかわいい」てのは正しい。男の子ってほんとに可愛い。おバカで。その辺も私にはたまらない。
舞台上に散らばっている全員を見たいので、目が足りなくて困る!
ソファンとスンアンでは、性格がだいぶ違うんだろうと思われる絵柄だ。
10/8 ③
言葉の一つ一つを全部書き留めておきたい。
台本出ないかな。
「未成熟」「未完成」がキーワードだと言う。日常のふとした行動で知らず知らずのうちに人を傷つけてしまうのは少年たちだけでなく大人も同じ。
ロスは何度か「運が悪かっただけ」と口にする。
恋人に振られたこと。教師からイタズラの犯人と誤解されたこと。本当の犯人たちに公園で殴られていても誰も助けてくれないこと。(目撃者がシムと知っているかどうかは、その回によって違うらしい。)ロスの宿題を真似て出したのはシムなのに盗作を疑われたこと。父親が何よりも大事にしている小説の原稿を消してしまったこと。ケニーは電話でアドバイスしてくれるだけで、来てくれないこと。
シムが言う。「死にたいのは俺の方だ!」理想的とは程遠い父親のいる、貧困のループから抜け出せないような家庭。かなり深刻かもしれない。
パソコンのことでロスに助けを求められたケニーはその場でロスの元に駆けつけなかった。駆けつけられなかったと言うべきかもしれない。翌日行こうとした時、ロスはもういなかった。
一つ一つの出来事を取り上げてみると、死を選択するほどの理由ではなかったかもしれない。
一気に押し寄せたのがいけなかったのか?何があっても大丈夫、友達がいるから。そう思っていたのに、友達も自分を見放した(ように見えた)から?
最初、あっけらかんと一緒に遊んでいるロスだが、次第に表情が固くなってくる。確かに涙をこらえているようではあるが、後悔なのか悲しみなのか、まるで悟られまいとするかのように無表情を保とうとしている。
スンアン・ロスはいったいどんな思いを隠そうとしているんだろう。
もしかすると一番運の悪かったのは交通事故だったのかもしれない。パソコンから消した遺書も、小説を書くような気持ちで書いただけかもしれない。私は事故だったと思いたいから。
自らの選択だったのなら、一番愚かな子はロスだ。
ポラデーだった。
연뮤덕ロッカー店に貼られていた垂れ幕。