〈ソルゴンチャン〉広報放送 (1幕) | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中


1幕のあらすじ。


(21:04)

〈ソルゴンチャン〉とは、実際に朝鮮時代に禁書とされた本。民衆のみならず、王宮でも隠れ読まれた人気作。その著者がチェス。


チェスは最高の文人で、王が変われば臣下も無事では済まないものだが、驚くべきことに、8人の王に仕えて天寿を全うした。


政治的な立ち回りが上手かったのではなく、常に正しい道を歩んでいたためだ。


仕えた最後の王、燕山君(ヨンサングン)が今で言うクーデターで倒された。暴君であろうとなかろうと王として仕えたチェスはそのままでは断罪されてしまう。


その日、反乱軍の集まりがあり、そこに出席していない者は燕山君勢力として排除される事になった。チェスは頑固に出席を拒んだ。娘婿が彼に酒を飲ませて酔い潰れたところを背中におぶって行き集まりに参加させた。


結果としてチェスは功臣となるが、虚しさを感じ退官し、故郷に戻る。


清廉潔白なあなたがなぜ暴君の燕山君に誠実に仕えたのかと尋ねられたチェスは、「民が天を気に入らないとしても、天を取り替えることはできない」と答えた。竹を割ったような人物だったが、人には誤解されることもあった。


「暴力は政権を立てることができても、正義を立てることはできない」



(29:18)

「ソルゴンチャン」という本はハングルで書かれた最初の本だと1996年に明らかになった。それまでは「ホンギルドン」とされていた。


30年前イ・ムンゴンという人の日記帳の裏に誰かが書き写した物が発見された。なぜなら「ソルゴンチャン」は禁書なので全部燃やされてしまったから。


こうした事実が公演に出てくる。

(パク・ヨンス) 最初この興味深い話が台本に無いからもったいないと思って、演出家に話して入れてもらった。ゴンチャンのセリフに「もしかしたら、話がとても面白いから、誰かが日記帳に書き写すかもしれませんよ」と追加された。


実際のチェスが当時の社会に関して書くのは無理そうだから、チョスン(あの世)を持ってきて書いたものだ。朝鮮版「神と共に」のように。


チェスが書いたチョスンは、階級、性別そうしたものは全て関係なく、誰もが平等な世界として書かれている。彼の夢は身分の貴賎のない「太平の御代」だ。


そこに書かれたチョスンの話。

① 反逆で王になった人は地獄に行く。

② 女性も文字を覚えればチョスンでは出世する。

③ 正しいことを言ったために死んだ人はチョスンで官職を得る。

④ 両班でも間違った行いをすれば地獄に行く。



(34:53)

それなら、ミュージカルの〈ソルゴンチャン〉が現代の設定を加えたのはなぜか?


ミュージカルは2025年の高校で幕を開ける。そこにはソル・ゴンチャンという名の生徒がいる。歴史の時間は寝る時間と決めている生徒だ。


教室に入ってきた歴史の教師はそんな様子を眺めると教科書を閉じ、面白い幽霊の話をしてやると言い語り始める。


すると生徒たちは皆、まるで魔法のように過去に入り込んでいく。タイムスリップではなく、演劇遊びのような感じ。そうして本格的な「ソルゴンチャン」の物語が始まる。


なぜ学校の制服の上に昔の服を羽織ったような衣装なのか疑問に思う方がいる。


完全に時代風の衣装の人は本から出てきた人で、衣装が混ざっているのは現代から飛び込んできたキャラクターだ。着替える時間がないからではない。学生たちが物語にハマっていくと、段階的に衣装が完全になっていく。



(39:04)

家系図の説明。虚構の話ではないかのような設定がされている。

ソル・チュンランの娘がチョヒ、息子がゴンチャンで2人は姉弟。

チュンランの弟チュンスの息子がソル・ゴンチム。


ゴンチムが悪い奴でチョヒをひどくいじめる。だが、ゴンチムの言うことは当時は正しいとされていたことだ。女は文を書いたりせず、おとなしくしていろ、というような。


チョヒは望まない結婚をした後すぐに病死し、ゴンチャンも跡を追うように亡くなる。


チョヒとゴンチャンは優れた人だったので、閻魔大王の両腕として働くようになる。


閻魔大王にチョスンはどうかと聞かれたゴンチャンは、イスン(現世)と違って平等なチョスンはとても良いと答える。


生きるのは刹那で死は永遠だ。閻魔大王の前では誰もが平等で、その人の生き様だけが審判される。だから閻魔大王は、誠実に生きるよう人間に伝えろとゴンチャンに命じる。


ゴンチャンはイスンに下るが、メッセージを伝えるためにゴンチムに憑依する。


ゴンチムを苦しめようとした訳でなく、あまりに既成概念に囚われているから、まず目を開かせるためだ。


ゴンチャンはゴンチムの口を借りて伝えようとするが、人々は怯えてしまって話を聞かない。


(チョヒも下ってきて憑依するので、ゴンチム役は1人3役を演じると言える。)


そこにチェスが現れ、怯えながらもゴンチムを救うため幽霊(ゴンチャン)と言葉を交わす。そこでゴンチャンは自分が言葉で伝えるよりも、本で広める方が得策だと考えチェスをチョスンに招待する。


1幕終わり。