お母さんが日帝時代の名門校に通っていたお婆ちゃまに話しかけられた話 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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先日ソウルで地下鉄に乗った時のこと。私は立派な交通弱者だと思っているので、空いていれば優先席に座るのだが、その日は空席の隣のお婆ちゃまが少々はみ出しているようだったので、そのまま横に立っていた。

 

次の駅でかなりの人が降りると、後ろからコートをつんつん引っ張る人がいる。振り返るとお婆ちゃまだった。座れと合図してらっしゃる。そこまで言うなら…と横に座ったら、何やらしきりに話しかけてくる。

 

「電車は揺れて危ないんだから、年寄りは自分で自分の身を守らなきゃだめ。立ってちゃいけない。座らなきゃいけない。」

 

どうやら120%年寄り認定してくださったらしい。お婆ちゃま、そのまま話が続いていく。

 

早朝から聖堂に行ったとか何とか言っているらしいのだがよく聞き取れない。「私は日本人なので(よく分からないんです)…」と言う感じでお伝えしたのだが、話はさらに続く。だが、日本人と知り話題が変わった。

 

「子供の頃にお母さんから『モモタロさん』を教わって、私が歌うとお母さんが褒めてくれた。だからいつも歌っていた。今でも覚えている。旅行で東京に行ったとき『モモタロさん』を歌ったらみんなが拍手して、どうしてそんな歌を知っているのかとびっくりしていた。」

 

「お母さんは、日帝時代の名門校の出身で、他の日本語も教えてくれた。私が『감사합니다』と言うと『ありがとう』でしょと直された。」

 

ざっとこんな話を自慢げに楽しげになさるので、舞台でいつも見ている言葉を奪われた悲しみ、苦しみ的な事はなかったんだろかと思い、「お母さんは学校が好きだったんですか?」と尋ねてみたら、「そりゃあ、名門校だったんだから」とおっしゃる。実はもう少し複雑な質問をしたかったのだが、しどろもどろで伝わらなかった。

 

ある韓国人ユーチューバーのお婆ちゃんが、日本人の先生の方が優しくて好きだったと語る動画を見たこともある。

 

日本を含めどこでも嫌な人は一定数いるから〈無名、チュニ〉の吉田先生(だっけ?)のように厳しい(意地悪な)先生も当然いただろう。でもなんとなく違和感を感じていたから、いきなり聞かされた『モモタロさん』の話が印象深かった。



追記:母国語と外国語では使っている脳の部分が違うし、感情と繋がるパイプの太さが比較にならないそうだ。まして特有の情緒、特有の単語や言い回しは外国語では置き換えられない。言語を奪う行為自体はとてつもない蛮行だと思う。