前日に〈ベア〉のピーターで見たパク・ジョンウォンと3日前に〈クローザー〉で見たイ・ジニが主演。一番左下のキム・ジへさ前日のソムに出てた。芸達者な方。
予習無し。どこまで分かるか?とまず初回。
とにかく驚くのはナナのセリフ量!主にナナの状況描写で場面が展開していくので、言葉を理解する脳が疲れて途中から頭が真っ白に。
次々と変わり続ける銃パンヤの主人たち。改めて韓国界隈ってどれだけ紛争が多かったんだろうと思う。日本だったら学生運動とか成田紛争とか?クーデター的な事件は思いつかない。
7/6
満州の関東軍あたりは状況が想像できるのだけども、日中韓の勢力関係や小規模な紛争が良く把握できたらもっと理解できそう。
2番目の持ち主のエピソードなんかは見てるだけで号泣だし、歌声が꽝(クァン)!になってしまうのとか切なすぎる。
台本読んでから3回目見たら号泣するかも。
それにしても、170分の演劇はなかなかに脳が疲れる。
パンヤ役のホン・スンアンは歌声も好きだし、切迫感のある演技も好きなんだけど、私の気に入らない役柄もある。純粋さや善意や弱さのあるキャラクターだ。〈スモーク〉の「海」とか、(見てないから予想だけど)〈死の賛美〉の「ウジン」とか。
つまり、パンヤもそれに該当してしまったという話。
どちらかと言えば〈R&J〉の「学生2」もそうだけど、これは超強いキャラに変化してたのが面白かったので合格。
一番右下のクァク・ダイン君は変質者みたいな演技がハマる一方、すごく明るくて暖かいキャラもできるので面白い俳優だ。
マルチキャラを担当する他のどのメンバーも、一瞬でキャラクターに成りきって、ほんの数分のシーンを印象深いドラマに作り上げてしまうのが、本当に凄い。
8/17
前日の〈もしハピ〉も泣きすぎて大変だったが、今日の涙はもっと強く、重く、激しい。頭が痛いほど。(台本を読んだからね!)
〈ソム(島)〉に続いて見て欲しい名作!音楽劇のソムと違って純粋に演劇なので、誰にでも勧めるにはハードルが高いのが残念。
日本占領下の仁川の造兵廠に始まり、朝鮮戦争を経て現代まで。題材的に日本での上演は難しそうだし、お勧めなのに本当に残念。
銃の持ち主が10人ほど入れ替わる。国vs国、勢力vs勢力の戦い。
突き詰めれば存在するのは加害者と被害者。その加害者も、別の時と別の場所では被害者かもしれない。持ち主一人一人のドラマに胸が痛む。
各自の信念や状況によって対立し殺し合う人々も結局は誰かの親であり、子供であり、誰かに好意を持つ人間たちだ。結局のところ被害者しかいない気がする。
かつては美しい音楽を奏でるホルン、動物たちに安全な場所と食べ物を与えるどんぐりの木、家を守る門扉、登校の自転車、米を炊く釜、井戸のポンプだった銃パンヤ。
銃になってしまった自分に苦しむパンヤのセリフ。
「わけもわからず連れてこられて銃になってしまった」
時代に巻き込まれ戦わざるを得なかった人間を描写しているみたい。
「人を殺すために撃つ銃より、人を生かすために撃つ銃はマシなのか?銃は銃だ。」
チョン・ソンウ君を見たくて捩じ込んだ回だが、その甲斐があった。本来甘めの彼が殺伐とした雰囲気を醸し出しているのが、パンヤの本質とマッチしている感じ。
楽器になりたかった彼が音楽に合わせて音を出そうとしても、発せられるのは鋭い銃声だけ。今日は特に泣けた。
キムセファンさんとかめっちゃ面白いし、笑いもたくさんある作品。
多分演技は勿論、まず演出がすごく効果的なんだと思う。素晴らしいので見て欲しい作品No.1。
8/24
前回感動がクライマックスに達したので、今回は一旦ニュートラルにして、無心に見ようと思う。
キルナム、ソルグ、ソンニョ、ムグンと家族、ソルファ、みんな愛しい。
包み込むソルグ、ハーモニカ、天女の岩、すり減った指紋、手が綺麗だ、幼いソルファの歌声…エピソードてんこ盛り。
銃口を自分に向け撃ち続けるパンヤを落ち着かせて、武器を洗う銀河の詩を語って聞かせるナナ。楽器たちの善良な話を穏やかに聞きながらも、自分のことは語らないパンヤ。最後に微笑むパンヤ。
これでもか!と私を泣かせる演劇〈パンヤ〉ともこれでお別れ…と思ったら、永登浦アートセンターの企画で10月19日に上演されるとのこと。グローバルでは売らなかったが、知人の助けで行かれることに。ありがたい。
待ってろよ!長男!!