〈3日間の雨〉を見るために、東大入口駅から坂を登って(エスカレーターだけど)着いた先は「イヘラン芸術劇場」。
初めての劇場は新鮮にドキドキして良い。
1階正面のカウンターでチケットを受け取り、地下の客席入口へ。
(あらすじ)
「見て、また降り始めたわ! 土砂降りよ」
ウォーカーは、アメリカの有名建築家ネッド·ジェーンウェイの息子だ。ウォーカーは父親ネッドが死んだ直後に突然姿を消したが、ある日マンハッタンの狭くてみすぼらしい父親のアパートに戻ってくる。このアパートは、父親のネッドと友人テオがかつて住んでいた場所だ。
ウォーカーと姉のナンは、父親の遺産を相続するため、幼なじみのピップ(テオの息子)と一緒に弁護士を訪ね、父親ネッドの遺言を聞く。しかし驚くべきことに、ネッドは彼が残した建築物の中で最も有名で高価な「ジェーンウェイハウス」を子供たちではなく、テオの息子ピップに譲る。遺産相続をめぐってウォーカーとピップは対立し···
ピップに会う前アパートで偶然見つけた父親ネッドの古い「日記帳」で、ウォーカーはナンと共にあたかも暗号のように記録された内容を解釈し過去の真実に近づこうと努力する。
1960年4月3日-5日
3日間、雨。
父ネッドの日記にはどんな真実が盛り込まれているのだろうか···
8月20日
インターバルで変わるキャスボ。
1幕で、
どこかがこじれてしまった子世代の現在を描き、
2幕は、
子世代が知っている親の昔話と、日記からわずかに知り得た知識が、実際にはどんな出来事だったのか明らかになっていく。
誰かが言ってたように、ジグゾーパズルのようにだんだん全景が見えてきて、
おお!ここに繋がるのか!って
最後のピースがピタッとハマるのが気持ちいい。
「3日間雨が降った」
口数の少ない父親の、日記の一行に隠されたドラマ…
私は好きだ。
甘さと、それよりも多い苦さ。
しっとりした系の昔のトレンディドラマの味わいを思い出したりした。
「私に 3日間の 雨が 降った」
10月1日
マチネ。 2幕のキャスボを取り損なった!
ディズニーシーみたいな街角のセットと、煮え切らないフランス映画みたいな雰囲気が気に入って2回目。
ベテラントリオと言って良いのだろうか?とても安定感がある。
寡黙な有名建築家の父親と、ウォーカーとナンが幼い頃から精神を病んでいた母親。家事をするナンが10歳の頃、突然家の窓を突き破って飛び降りた母親はそれ以来精神病院に入っている。
子供でいられなかったナンと、親からの安定を得られなかったウォーカー。10代の頃、好きあっているのをウォーカーに言えなかったナンとピップ、実はピップを好きなウォーカー。
親世代の方もこじれている。仕事のパートナーとして上手く噛み合わなくなるネッドとテオ。テオは頭を冷やしにしばらく実家に帰る。テオの恋人ライナに密かに心を寄せていたネッドだったが、テオとの関係にじれていたライナはネッドに意外な安らぎを感じる。
饒舌なライナは精神的に不安定なようにも見えた。ライナはネッドと結婚するが、子供が幼い頃から異常な行動を見せていたことが1幕で明らかになっている。
結局ライナを失ったテオは、傷心の中雨の中で出逢った女性と結婚することになる。ピップの母親だ。テオはネッドと仕事を続け、2人は建築家として成功する(らしい)。
舞台で明らかになる以外にどんな出来事が続いたのか、じっくり小説で読んでみたくなる。
2回目マジックでもう少し理解できるかと思ったらそうでもなかった!
総マッコンの俳優挨拶で、練習中に掴みきれない部分が多くて、演じながら日々発見が続いた作品だったと。そんな作品を私が掴み切れるわけない。
でも素敵だった…って事にしておこう。