コロナ禍と制作側の都合で上演が2年ほど伸びたEMKの創作ミュージカル。
当初の上演予定の2~3年前から制作報告がされており、トータル5年くらいは首を長くして待ち望んだ作品。(ざっくりで)
しかも昨今のチケット代高騰の波に乗って170,000ウォン…だったか?
長〜い準備期間と高額チケット。ミュージカルファンの期待は極限まで高くなっていたと思われる。どんな素晴らしい作品になっていることだろう。
そして開幕してみると…、これまであまり目にしたことのない、レジェンド級の低評価!
「芸術家ベートーベンである意味がない」「単なる不倫」「ほとんど無いと言えるストーリーライン」「無理やりはめ込んだベートーベンの音楽」「陳腐な歌詞」「新鮮さの無い舞台セット」「俳優の無駄使い」等等。
一方「そこまで悪く言われる理由が分からない」「私は好きだ」「リピートする」という口コミも見られた。
シッツプローブで披露されたナンバーを聞くと、歌うために作られた曲ではない印象を持ったし(つまり、しっくりこない)、音符に乗せられた言葉が不自然なようでもあり…。
という訳で、出したお金の元は取れない覚悟で臨んだ〈ベートーベン〉だった。
2月24日
ミュージカルツアーで観劇。センターブロック3列目という、自分だったら絶対に取れない席でヒョシンさんを拝む。(なにせ私は똥손) ありがたや、ありがたや。
自分の目で見た感想は…。
言うほど酷くないけど?
ゴーストたち、見応えある。
全体的に普通に大劇場で目にするレベルじゃない?
確かに刺激的なストーリーではないし、〈デスノート 〉のように革新的な演出でもない。オールドファッションと言われればそうかもしれない。
あまりにも期待値が上がりすぎていたため、あそこまで悪く言われたんじゃないだろうか。
3月24日
金曜マチネがこれしか無いし、ウンテさんが見たいと言えば見たいし…という低めのモチベーションで観覧。
何だかんだ言われながらもチケットセールは快調な〈ベートーベン〉。
ほぼ埋まっているしカーテンコールでは拍手喝采ヒューヒューの盛り上がりで、すっかり人気作?
ウンテさんの高音のハリと深くて広い中低音も痺れるけど、なんと言ってもロマンスが素敵だった。2幕が自分的体感であっという間に終わってびっくり。(1幕はちょっと目をつぶっちゃったけど。) 結構面白く観覧した。
どうせなら、この2人の切ないロマンスは〈ベートーベン〉じゃなくて〈マディソン郡の橋〉で見せて欲しい気もしたりはするが。
馴染んでみるとカスパーの「兄弟じゃないか」、トニーの「マジックムーン」、「絶望よ」とそのリプライズとか結構染みてきて好きだ。
セットは豪華に作っている割に舞台がだだっ広く感じるのは何故なんだろう。何か散漫な感じを受けた。大劇場なので仕方ないのかも。
SEASON2は新ナンバーを投入し、シーンをカットするなど手を入れて、キャラクター造形を強化したとのこと。ちょっと期待している。
(札束のバスタブは絶対カットだよね?残ってたら逆にビックリだ)
(230601追記:この記事を頷きながら読んだ中、特に「舞台セットはどんなに豪華でも、物語がなければただの装置」と言う表現にハッとした。そうなのだ。こんなにしっかり作ってるのになぜ迫って来ないのかと不思議だったのだ。なるほど〜。)
https://toto8796.hatenablog.com/entry/2023/05/20/213748