
「さよなら私の光、私の悪夢」
1930年代京城
小説家を目指していたセフンは
ヒカルという死んだ女流作家が
最後に書いた小説の出版と共に
その正体も明らかにされるという
衝撃的なニュースを耳にする
セフンはかつての仲間で
今は留置場に囚われている
小説家イ・ユンを探し
遺稿集の出版を
中止してほしいと頼む
しかし彼は出版中止の理由を
明らかにしろと迫り
小説家キム·ヘジンが
愛する彼女に残した
最後の手紙を持っていると
明らかにする
結局セフンは隠してきた
キム·ヘジンとヒカル
そして自分についての
真実を話し始める...
(インターパークより)
上演後に撮影したので、棚の上の写真がソワレのキャストに変えられてしまった。
それも含め、凝ったディスプレイに感心する。
3月20日
ギョンス・ヘジン先生は血の気がなくて、私にもひょいっと抱え上げられそう。
普段は穏やかなのに、ヒカルに対する妄執が激しい。実在しないことを微かに悟っていたのがわかる。目を背けて、耳を塞いでいただけで。「聞きたくない!」と言って。
ヘジンはヒカルを愛しているというより、しがみついているかのよう。創作のため?
ヒカルが先生を駆り立てているように見えるが、その存在を能動的に必要としたのは実はヘジンだったのではないか?だから徐々に真実を感じ始めても目を背けていたのだろう。
余韻の残る作品。
ソホ君のマッコン挨拶。
「キーワードはミューズではないか。そんな存在に出会えたら良いと思う。」
芸術/創作のために霊感を与えてくれるミューズでも、命をすり減らすことになるなら、私は会いたくない。
ギョンス氏が挨拶で、ソホ・セフンのことを「人情のある顔をして実は利己的な人」と紹介していた。
2人の間にある種の共鳴があったのは確かだが、結局2人とも文学を前に利己的な部分があった気がする。ミューズは残酷な存在というのが納得できる。
イ・テジュン役の俳優さんがコロナ感染のため、ヤン・スンニさんが急遽ピンチヒッターとして登板。そうでなければ中止の危機だったそう。ありがたい。
ソホ君が舞台で顔を合わせる時わざと驚くリアクションをして笑いを誘っていた。スンニさんにとっては、マチネがチョッコンでソワレがマッコン。
同性愛的要素に関する感想を読んだことがあるが、あまり感じなかった。文学と創作活動においてお互いの存在が重要な感じ。
親日的な表現に対する批判もあったそうで、今回その辺のカットとか変更があったらしいけど、以前と比較できないので残念。
7月4日
8月14日
〈キング・アーサー〉でメレアガンを演じた2人がどう変身するのか気になり、ソウルの西隣にある高陽市へ地方公演を見に行った。
黒いオーラに包まれて冷たい鋼のようなメレアガンのペク・ヒョンフン氏は、知的で繊細で情感豊かなヘジン先生だった。
この作品を見ていると、100%そういう人にしか見えない。素敵。
真ん中のキム・ジヌク君は私の「息子」である。
やはり声の響きがたまらない。美声だ。
この長身でセフン役?と思ったが、姿勢も気持ちも縮こまって小さく見える。
しかし特筆すべきはカン・ヘイン
プレスコールの映像からも予想してたけど、凄かった。
デアとかやってる場合じゃない
あのちっちゃい彼女が
でっかいセフンに
うむを言わせず操る姿…
死にゆくヘジンにペンを握らせる冷酷さ…
凄みが半端ない
〈アイーダ〉でギョンア・アムネリスから受けた衝撃に似ている。
実はチケットを押さえた時点では別キャストだったのが、何かスケジュールの都合で彼女に変更になったため見ることができた。
超ラッキー。
当日のカーテンコールの映像。お借りしました。
会場は高陽市オウルリム劇場。
だだっ広いイメージの劇場。間口の広い舞台に〈ファンレター〉のセットがこじんまりと作られていた。音の反響が少々残念だった。