悲しい歌、古い歌、愛の歌
はるか遠い時代から伝えられてきた話
夢想家オルフェウス
ミューズ・エウリディケ
夏の太陽を照らすペルセポネ
そして地下世界の王ハデス
信頼に対する疑心と愛に対する恐れ・・・
不完全だが美しい2つの神話
あなたの運命を変える歌があるところ
〈ハデスタウン〉
絶えず愛を想起させる
古い神話の中の物語を
時代の不安と疑心
希望を伝えるメッセージで
現在を生きる皆が共感できる物語で再解釈
典型的なブロードウェイミュージカル音楽から脱皮して新しさを倍加させたジャズ、フォーク、ブルースなど多様なジャンルの音楽
トロンボーンの演奏とデュエットダンサーのダンスで始まる躍動感あふれる舞台
古典と新しさの完璧な調和
今会える最も新しいミュージカル
韓国初演を率いる完璧なハーモニーの豪華キャスト12人
ミューズと人間の混血で絶対的威力を持つ音楽的才能の持ち主であり、春を呼ぶ歌を作っている夢想家オルフェウス チョ・ヒョギュン、パク・ガンヒョン、シウミン
<ハデスタウン>の始まりと終わりを知らせ、観客を新しいミュージカルの世界に導くヘルメス チェ·ジェリム、カン·ホンソク
見慣れた女神の姿とは程遠い、茶目っ気たっぷりで慈悲深いが時には鋭い姿を見せるペルセポネ キム·ソニョン、パク·ヘナ
自ら新しい道を開拓していく、強靭でありながら独立的な魂を持つオルフェウスのミューズエウリディケ キム·ファニ、キム·スハ
地下鉱山を運営する地下世界の主人公であり 王ハデス チ·ヒョンジュン、ヤン·ジュンモ、キム·ウヒョン
2000年から2022年まで韓国ミュージカル授賞式で席巻したトロフィー23個受賞の記録で証明される、名実共に韓国ミュージカル界を代表する俳優たち
以上インターパークから。
韓国初演を成功させるため最高レベルのキャスティングを揃えたと思われる。〈アンナカレーニナ〉も初演時はアンサンブルまで見たことないほど高レベルだった。いったん成功すると再演でちょっと力が抜ける場合があるので、再演時も頑張って欲しい!
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私の数少ない観劇経験からすると新しいスタイルの舞台。
オルフェウスはミューズの息子だが、ヘルメスの保護下にある。(ミューズは子育てするような存在ではないらしい。)
彼が歌えば人々はもちろん動物や木々さえも共に歌う。とても純粋な存在で感情を隠すことができない。
神話の冥界のような所に行くのかと思いきや、ブラック企業の炭鉱といった趣。ハデスは炭鉱で富を築いた王。
結末を知っているので、どうかそうならないでと祈りながら見守っているんだけど、やっぱり運命は変わらなくて、でもいざ直面するとショック。うまい具合にショックを受けるような効果的な演出とも言える。
最後ヘルメスが「悲しい歌は悲しいものなんだ…悲しいと分かっていても歌は歌わなきゃいけない。何度も繰り返して。次は違う結末かもしれないと一縷の望みを抱いて」みたいな事言うと、オルフェウスとエウリディケが出会って恋に落ちる初めのシーンに戻る。
ブロードウェイのあらすじを読むと変わっている箇所もあるようなので、マッコンでは思い切って結末を変えてくれてもいいんじゃない?ハッピーエンドに変えてくれ〜
ところで、運命の女神たちが地下世界を歌う歌詞にこんなのがある。
「出勤!出勤!出勤!」「退勤はない」
「ハデスの慈悲で与えられた永遠の命、終わることのない残業」
これは本当に地獄だー。
とにかくナンバーが素晴らしい。聞くほど中毒する。歌唱力ある俳優たちの良さを拡大して聞かせてくれる。
オルフェウスの歌声には本当に手で触れられそうな物理的な力を感じる。ハデスの築いた障壁も歌声で開いてしまうのが不思議じゃない。
最初ガンヒョン君は地声と裏声の切り替わりが気になると思ったけど、それが割と気にならないヒョンギュンさんに比べると、中音の張りが素晴らしくてクセになる。ちっとも力んでいる風には見えないのにどうしてあんな声が出るのか不思議だ。凄いパワー。やっぱりガンヒョン君は最高。
かと言ってヒョンギュンさんも独自の魅力があって捨て難い。なかなかの少年ぶりで可愛らしい。情が深くて愛を感じた。(初見のファニ・ガンヒョンのカップルは恋心がちょっと演技ぽかった。)
エウリディケのファニちゃんが凄くうまいと感心して見ていたけど、スハちゃんが歌い出した途端に、おっ!となった。ちょっと気の強いエウリディケで、辛く孤独に生きてきた女の子が、オルフェウスの温かみに触れて恋に落ちていく様子がとても説得力ある。演技の深みがさすが。
歌だから音程の上下や強弱があるわけで、でもそれは歌じゃなくて、そこにあるのは感情。感情が動くから音も動く。それを受けてるガンヒョン君も前回より役に没頭してたように私には感じられてとても惹きつけられた。
見るたびに理解が増えていくから、見るたび更に面白く感じられるのか?
ハデス役を3人とも見た結果、1番のお気に入りはウヒョンさん!
低音がいい!そして鋭利で冷たい雰囲気。シャープさが光る!ずっとこの路線で行って欲しい!素敵!
アンカレのブロンスキーみたいな女たらし役はやめた方がいいと思う。
ボムレさんのハデスも低音の魅力がさく裂しそうだ。見てみたい。
ジェリムさんはもちろん上手いんだけど、語り部のヘルメスにしてはダイナマイト過ぎるので、ホンソクさんくらい(声が)枯れてる方が合ってるような気もする。
思った通り、ホンソクさんは砂糖、醬油、ミリンと塩がうまい具合に調和する感じで、舞台が美味しかった。ジェリムさんだと美味しい醬油なんだけど多すぎて舞台全体の味バランスが崩れる気がする。
この役のホンソクさんはとても好きだ。そしてホンソクヘルメスは思いやりを強く感じた。死神とかルキーニみたいに狂人チックなイメージを修正します。
毎回舞台が楽しくてたまらないと語っていたヘナさん。言葉通り歌って踊って弾けまくり。そんなペルセポネが、愛し合う若者たちを送り出してほしいとハデスに切々と訴える場面は余計に感動的。
物語自体は神話ベースなので単純だし、あらすじで読むと数行で終わりかねない。だけどそれをどう表現しているかがこのミュージカルの凄い所で、何度も言うがストーリーを引っ張るナンバーが素晴らしい。
結局はまってしまったハデスタウン。
誰に当たっても間違いのないキャストの中で、ガンヒョン君が麻薬レベル。拍手喝采でショーストップ…を超えて、全身痺れて拍手できない時があった。
笑う男(グィンプレン)が2,3曲とすると、ハデスは歌う曲が軒並みキラーチューンかのように最初から最後まで攻めてくる。
これなんかはMVだけ聞くとやたら裏声で「なにコレ?」と思わなくもないが、ストーリーの中で聴くと鳥肌なのである。
もう1人酔ってしまうのがスハちゃん。
運命の女神たちはエウリディケに冷たい風を吹かせたり、愛を取り戻したハデスに「本当に良いの?これまで築いてきたものを失うわよ」って囁いて、振り返ってはならない条件を付けさせたり。意地悪な神。
しかし、アカペラ含むコーラスは最高芸術❗️
舞台の両脇にバンドが陣取っているので、演技に使うスペースは比較的少ないのだけど、3重の回転舞台を活用して動きのある演出だった。
照明の力が大きくて、ハデスタウンの障壁が開く時には裂け目から迸るように客席に光が降り注いだり、ノートルダム・ド・パリの鐘よりはもっと小さいけどそんな照明をアンサンブルが揺らしたりして、目を奪われる。
この冬チケット取れなかった公演は、作品にかかわらずホン・グァンホ氏が出るもの。ドンソク・ウンテペアのフランケンシュタイン。
そして、パク・ガンヒョンのハデスタウン。熾烈とまでは行かないけど、呑気にしていては買えない感じ。今後ますますチケットパワーが大きくなりそう!
ガンヒョン君はこの作品が大好きと語ってたので、再演もぜひお願いします!その頃には渡韓できるようになっていて欲しい。〈ハデスタウン〉お勧めします