名場面その2、その3〈2021エクスカリバー〉 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

名場面その2

【忘れるなこの夜を】

新王として即位するアーサー

国民の前で公正な世界を作ると誓うシーン


【目には目を】

結婚式で命を落とすアーサーの父

サクソン族に復讐を誓うシーン



女性司会:最初のシーンは戴冠式です。勇壮なナンバーにはアーサーが運命を受け入れる気持ちが込められているそうですね。



カイ:そうです。平凡な人間だった自分が運命を受け入れ、王として力を尽くすと誓う部分ですね。


重要なのは、初演時は戴冠式のシーンが1幕の最後でしたが、再演は敵に父親が殺された苦痛の中で復讐を誓うところで終わります。


インターミッションの間、観客の皆さんに期待を持たせる目的で。



女性司会:観客の立場としては、テレビを見ていて「ここでコマーシャルです」ってことあるじゃないですか。うわー、何、なんでここで切るの?インターミッション何分なの?早く2幕を見たい感覚。


こんな期待感いっぱいで2幕を見たら、そこにカイさんが登場するんですよ。



ヨンスク:すごく素敵。セクシーな感じで。



女性司会:先程見たように、黒いマントを着て。



カイ:だから今日の衣装が



女性司会:そうですよ。黒化したアーサー。ものすごく強烈な。真面目な話、ここで落ちない女性はいません。4人のアーサーそれぞれの魅力を一番引き出した演出がこの2幕最初のシーンですよね。


このシーンが本当に!うちの夫は2日間、ずーっとその雰囲気を引きずってました。俺がアーサーだ!って感じで。男性の理想型だと。


でもここで、私は見ました!初日に。


登場してカッコいい〜って見ていたら、(カイ、悲しい予感)


かがんで剣を抜くじゃないですか。かがむとどうなりますか?マントが下がります。剣をバッと握ったけど、マントも一緒につかんだんですよ。


その瞬間、オモ!どうするの?って心配してたら、指をそっとこうやって外したんですよ!さすがカイアーサー。



カイ:今一番決まりが悪いのは、まさしくその通りだったって事です。まざまざと思い出します。瞬間的にどうしよう?と思って。



女性司会:皆さんも劇場においでになれば、こんな妙味を感じることができますよ。




名場面その3

【欲望】

アーサーに奪われた物を

取り返そうとするモルガナ


モルガナの欲望を鎮めようとするモーリン



女性司会:鳥肌が立った!


カイ:いつもこう言ってるんです。ミュージカル界のカン・ソク&キム・ヘヨンだって。(33年間一緒に司会を務めた国民的司会者)



ヨンスク:ちょっと!!



カイ:何の説明もいらない、シン・ヨンスクさんとミン・ヨンギさん。練習室の初日から最終日みたいでしたよ。息もぴったりで。シーンの説明をお願いします。



ヨンスク:モルガナはどうにかしてアーサーから奪い返すために、まだ習っていないモーリンの魔術が必要なんです。だから彼の部屋に忍び込んで、黒魔術を盗もうとします。でも見つかってしまうんですね。


そこでお互いの欲望について言い合います。アーサーもモルガナも、ペンドラゴンには龍の炎があるわけですね。欲望がとても強いんですが、私はそれをコントロールできず、アーサーはできるから王になれるわけです。


私は、人生は欲望だ、欲望無しには生きていけない。モーリンは欲望をコントロールしなければいけないと言います。


この対話を、声量対決、エネルギー対決と同時に繰り広げる、そんなシーンです。



カイ:見てるだけでも汗が出ませんか?



女性司会:鳥肌が立ちました。モルガナのキャラクターがすごく好きなんですが、1幕に「父の罪」があるなら、2幕にはこのシーンがあります。


このメロディーが、歌えないけど、出ちゃうんですよね。


魔法で心臓の運命が結び合わされているので、「やってごらんなさいよ」「死ぬのは私だけじゃないのよ」そんな気迫が激しく迫ってきますね。



ヨンスク:そうです。私が死ねば、あなたも死ぬのよ。


モルガナは幼い頃から父親にひどく扱われて、モーリンだけが唯一の愛でした。窮屈な修道院で20年間暮らした、気の毒なキャラクターですよね。理由もなく悪役になったわけではなく、モルガナがなぜあんな風になったか理解できるし、可哀想で共感できる悪役だから、さらに魅力あるキャラクターなんだと思います。



カイ:ヨンスクさんは悪役を演じても、どこか共感できる、納得できる悪役、それを上手に表現してくれるから、憎みきれない



女性司会:それとヨンスクさんは指の先まで神経を使ってらっしゃるんですよね。モルガナの指先の演技が魅力的だと思います。



ヨンスク:細かく見てらっしゃるのね!



女性司会:指が閉じている時が一瞬も無いんです。絶対に。



ヨンスク:上手だわ。(カイ:舞踊専攻なんです)どおりで!



女性司会:でもエネルギーを使うから、舞台が終わると疲れませんか?



ヨンスク:悪役に何があるかと言うと、ストレス発散できるんですよ!


ファントムでカルロッタをやった時も、コミカルな悪役なんですけど、ストレスが吹き飛ぶんですよ。よそでストレスを受けたら、舞台の上で「ヤー!」


激しくやるほど観客は大喜び。あくどくやればやるほど拍手してくれて。すごく幸せです。


だから疲れると言うよりは、逆にエネルギーをもらえますね。




「つかもうとしても 」


「父の罪」