オンライン公演に込められた血·汗·涙 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

「カメラだけで13台」…。
オンライン公演に込められた血·汗·涙


新種コロナウイルス感染症(コロナ19)により劇場が閉鎖され、オンライン公演が大盛況だ。単に公演実況を無料で中継するだけでなく、専門的なレベルの撮影、編集を加えて観客を集めるなど、ますます有料化の体系を整えつつある。


ネイバーによると、昨年、約600点の作品がオンライン公演ライブを開催した。2019年に比べ7.5倍の作品が観覧客とコミュニケーションを取り、累積視聴数は約1500万回と12.5倍増加した。最も多く視聴されたジャンルはミュージカルだった。


このように多数のミュージカル作品がネイバーだけでなく、YouTube、オンライン中継専門プラットフォームなど多様な窓口で観客に会った。コロナ19以前のオンライン中継が、事前に撮影した実況映像を無料で中継し公演広報の手段に使われるだけだったとすれば、コロナ19以降のオンライン中継は、専門的なレベルの撮影と編集でクオリティの高い結果を出し、オフライン公演に代わって収益を出す手段に浮上した。



「コロナ19」の拡大が続き「社会的距離を置く防疫規則」のため、公演場内で座席間のスペースを確保しなければならなかった昨年下半期から「オンライン有料中継」が本格的に導入された。 それぞれの作品は多数のカメラを利用して場面の味を生かすアングルを試み、公演場の鮮やかさを伝えるため音響作業にも力を入れた。分割編集を通して、公演会場では接することのできない魅力を披露した。


その中でも特に観客に深い印象を残したのは、ミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」と「シデレウス」だった。


「有料だからこそ力を入れなければ」


「伝説のリトルバスケットボール団」(制作アイエムカルチャー)は各場面のキャラクターの感情線を繊細に描くアングルはもちろん、舞台裏にカメラを設置して既存の客席では見られなかった場面を捉えて好評を博した。このように成功した結果を見せられたのは、多くの努力が集約された結果だった。


公演のライブ感を最大限生かすために、製作会社、演出、撮影監督などが数回の会議を行い、撮影に先立って撮影監督全員が自ら公演を観覧し、作品を熟知した状態で撮影を進めた。撮影時は演出、制作PDが直接各場面別にディレクティングすることにより、さらに完成度の高い結果を出すことができた。


また「伝説のリトルバスケットボール団」は400席規模の劇場で公演されたにもかかわらず、13台のカメラを動員し、より多様な角度から公演を披露することができた。同じ製作会社で披露した演劇「尊敬するエレナ先生」のオンライン中継では、150席規模の公演場にもかかわらず、10台のカメラを設置し、音響作業も10回以上マスタリングするなど、最後まで力が注がれた。


アイエムカルチャー側はニュースカルチャーに「映画一つを撮るのと変わりがなかった」と語り「有料公演は言葉通りお金をもらって売るコンテンツだ。それだけ努力をすべきと思った」と強調した。


続いて「生中継で好評だったので、有料中継でもその期待に応えたかった。演出家ともエネルギーがよく合ったし、多くの方々に助けられて可能となった。観客の皆さんの反応が良かったので、監督たちも喜んだ」と伝えた。


「新しい視点を探すために努力」


「シデレウス」(制作ラン)は作品の持つ雰囲気をオンライン中継でも成功裏に表現し、分割編集で俳優たちの熱演を一目で確認できるようにし、没入度を高めた。実際の劇場では感じられなかった新たな感動を与えたのだ。


特に「シデレウス」は照明、映像を効果的に使う作品だけに、この部分を中継で披露するために大変な努力が傾けられた。ラン側はニュースカルチャーに「照明と映像が美しい作品ではないでしょうか。画面で見てもきれいだろうと思いました。悩みや心配が多かったが、一度試してみようと心に決めた」と伝えた。



「シデレウス」も演出、撮影監督などはもちろん照明監督まで集まりオンライン中継を準備した。数回の会議の末、本公演より照度を明るくして劇中で使われる映像、照明がよりよく見えるようにし、舞台の床に使われる照明を捉えるために天井にもカメラを設置した。こうして「シデレウス」は出演俳優がたった3人でありながら10台のカメラが動員された。


撮影の際も、キム・ドンヨン演出をはじめ、制作チームが重要な部分を取り仕切り、多方面に気を配ったため、観客が満足できる結果を披露することができた。編集過程でも数回の修正を経て分割編集を試み、音響作業にも力を入れた。このように皆の汗が盛り込まれた映像は、来る18日に再度オンラインを通じて観客に会い、映画館でも上映される予定だ。


ラン側は「公演を映像で見るのは退屈ではないかという悩みがあった。オンライン中継をすべきかどうか本当に迷った」とし「観客の皆さんが公演会場で見られなかったものを見せようという考えだった。新しく違う視点で見ることができる部分を探そうと考えた」と説明した。


続いて「臨場感のない状態での観劇は楽しさがあまりないですね。観客の皆さんがそれだけを見て評価し、劇場に来なくなる悪循環にならないかという懸念がありました。そのため、そのような憂慮を払拭するために、より良い結果を出すために努力しました。今は映像を見た後、劇場で実際に見たいと言ってくれる意見が多いようです。製作会社の立場で肯定的な結果を得ることができました」と伝えた。


収益的な面では「今回はお金を稼ごうとして始めたわけではないので、良いクオリティーで評価を受けただけでも感謝しています。お金がもったいないと言われるよりも、お金を払っても見たいという評価の方が気楽ではないでしょうか」と愉快に語った。


そして「とても大変な時期に公演をしましたが、観客の皆さんが本当に多くの力をくれました。皆が一つになったような感じでした。それで「シデレウス」の公演をしながら、観客の皆さんに「何かしてあげたい」と思いました。楽しい作業でした」と付け加えた。


「公演の本質は現場にあります」


もちろん、オンライン公演が実際の舞台の現場性をそのまま活かすわけではないという見方もある。ある公演関係者は「公演の本質は現場性です。オンライン公演は、大変な状況でもなんとか舞台を守るための努力の一環だと思います。公演の楽しさを完全に伝えることは難しい」という考えを明らかにした。


収益面でもまだ未知数だ。オンライン公演を行った別の関係者は「撮影や後半作業など投資費用が非常にかかります。しかし、まだオンライン公演市場が大きく拡張されていない状態なので、高い収益は出ていません。かかる努力と費用に比べれば、本当にようやく損しない程度です。オンライン公演は無料という認識があるじゃないですか。そのため、オンライン公演の敷居を下げ、市場を開くことができるスタートだと考えて準備しました」と述べた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ドレスリハーサルの「モンテクリスト」を見た時に思ったこと。当たり前のことながら、実際に目の前で見る舞台と映像に収められる舞台の照明が同じでうまくいくはずがない。


「モンテクリスト」の中継では照明が効果的でなかった。リハーサルだと断っている以上、そこまで気を遣って撮影していないのだろうと察しがつきました。


余計なコストをかけたらチャリティとしてスタッフに分配する金額が減ってしまいますし。(中継目的は苦しい俳優やスタッフのための援助金捻出。)


カメラワークも安定性がなくて今ひとつ。音楽番組のようにクレーンが大きく動きながら映すので酔いそうだった。


だから本番の有料中継に向けた練習というか、リハーサルだったら良いなと思ったわけ。


それに比べて「シデレウス」は、バッチリな距離感とアングルで、ここぞ!という場面を逃さないし、ケプラーとガリレオの2人を同時に見せる画面分割もとても良かった。


すごくストレスフリーだ〜と感じたのは、やはりそれだけの努力が払われていたからなのだと納得。


「もしかしてハッピーエンディング」も画面割など工夫されていましたね。


高いくせに何だよと思ったのは「エクスカリバー」


ギネビアへの想いに悩むランスロットを真下から捉えたのは、1列目に座っているかのような気分にさせるためだったのか。でも私は好きじゃなかった。


龍が飛び出さなかったのも不満だし。もっとも、その場面はものすごく繊細な調整の結果だそうなので、映したくても映せなかったのかもしれないと思ってはいます。


さて、本文中にもあったように、18日(月)に「シデレウス」のアンコール中継があります。生態系崩壊の危機にある韓国ミュージカル界を応援できるかも?後援申し込みのリンクは下に。↓


当日は夜10時までに入場すれば、配信終了の24時まで観覧できるそうです。