"デビュー5年、運が良かった…放棄しなかったのが一番嬉しい"
「こんなに大きく有名な作品の10周年に参加するのはとても大きな負担だが、やりがいがあります。 感無量です。」
ミュージカル〈モーツァルト! 〉の10周年記念公演に、自由を渇望する天才作曲家モーツァルト役で新しく合流したパク・ガンヒョンはタイトルロールを獲得した感想をこう述べた。
〈モーツァルト! 〉はミヒャエル・クンツェ脚本家やシルベスター・ルベイ作曲家の作品で1999年オーストリアのウィーンで初演。以降、ドイツ・スウェーデン・日本・ハンガリー・韓国など9ヵ国で2200回以上公演し240万人余の観客を動員した。国内では2010年に初めて披露され、5度の変化を経て、3バージョンとして紹介された。
パク・ガンヒョンはオーディションを通じて今後の10年間を導くモーツァルトとなった。彼は「これまで参加した俳優たちが全部『最も大変な作品』と言うほどナンバーが多く、難易度も高い」「そして舞台にいる時間が長くて体力的にきついと聞いた」と話した。
さらに、「〈笑う男〉初演のとき、パク・ヒョシン兄にも聞いたが、兄さんも〈モーツァルト〉を大変な作品に挙げた」「『パク・ヒョシン兄が大変というなら、よほど大変なのだろう』と思って、さらにプレッシャーが大きくなった」と告白した。
それでも挑戦を決心した理由は「個人的な欲」だった。彼は「難しい問題や仕事にぶつかったとき、それを超えようとする欲求はさらに大きくなる」「これを『やりこなしたい』欲求でプレッシャーに打ち勝ったようだ」と気丈な回答を示した。
パク・ガンヒョンは「何よりも今は舞台に立てること自体が最も大きな幸せ」とし「状況がこうなってしまったので日常がより大切になった。以前より慎重に幸せに生活している」と舞台の上の労働者としての幸福を明らかにした。
さらに、マスクをつけた観客たちの拍手と歓呼に感謝するという言葉を忘れなかった。「嬉しくて涙が出るほど感動的だ。拍手してくださるだけでも十分だから喉は少し節約したらいいですね。」(笑)
次は、ミュージカル俳優パク・ガンヒョンとの一問一答。
-オーディションの雰囲気はどうだったか。
「審査委員が知り合いなので余計に負担だった。最初に指定曲『私は私は音楽』『私の運命から逃れたい』の2つを持っていった。最初は感情を排除したまま歌っていると怒られた。キム・ムンジョン音楽監督が状況と葛藤を説明してくれて、もう一度と言われたので感情を入れて再び歌った。そうして合格した。二回目に歌ってから外に出た瞬間にも確信はなかった。受かるなら受かるんだし、違うなら落ちるんだし、選ばれる選ばれないは運命だと思って大きく意味を置いていなかった。」
-本人だけのモーツァルトを完成するため、神経を使った部分があるのか。
「悩みはしたが兄たちがどのように表現したのか知らないし、同じような演技をしても違う人間なら違って見えると思った。私が台本を見てあえてどの部分を変えようと思わなくても、自然に違うようになるだろうと信じて、ただそのまました。」
-人物を理解するのに困難はなかったか。
「状況的に大きく理解できない場面はなかった。私が経験したことのない状況がほとんどだが、感情はある程度理解できたので、そう表現した。どのミュージカルもそうだったが、シーンやシーンをどのように自然に連結するかがカギだ。人の一生が3時間以内に入っているため、中間中間ジャンプする部分が多い。次のシーンで急に感情や状態がずいぶん変わった状況で『果たして観客たちは時間の経過を理解できるだろうか』と悩むことになる。」
-モーツァルトと似ている点があるとしたら?
「劇中のいたずらな部分が似ている。私も気楽な人たちの前ではいたずらが上手だ。しかし、天才である点は接している部分が全くない。(笑)目上の人にたてついて『私が最高』というのは私と全く違う。私は礼儀を重視する人だ。」
-初演から参加したパク・ウンテ、キム・ジュンスと同じ配役で助けられたようだが。
「すごくたくさん刺激を受けた。ジュンス兄さんとは〈エリザベート〉と〈エクスカリバー〉に続き、今回が3回目の共演作品なのに、同じ役は初めてだ。パク・ウンテ兄は今回初めて会ったが、あまりにも名声がよく知られているので、合流したら兄たちからたくさん学びたいという考えが最も大きかった。ウンテ兄は老練さが感じられる。そして練習する時に意見をとてもたくさん出している。そばで見ながら間接的にたくさん助けられた。ジュンス兄は体を顧みず歌って演技する人だということを知っているため、エネルギーを発散する部分を学びたい。二人とも作品についてあまりにもよく知っていて、兄たちが出す意見で私が知らなかったものを多く見つけている。」
-初公演の時気分がどうだったか。
「〈笑う男〉が終わってから舞台に立つまで空白期間があった。それで久しぶりに観客の前に立つという緊張と初公演の緊張が一緒にあった。マスクをつけ苦労して見に来てくれる観客たちには恩返ししたい気持ちと、彼らの大切な時間が無駄にならないことを望む心にプレッシャーもあった。」
-キムソヒャン・キム・ヨンジ・ヘナ・三コンスタンツェとの呼吸も気になる。
「ソヒャン姉はとても多く呼吸を合わせてきたからすごく楽だ。お互いによく通じた部分があってとても頼れる。ヨンジ姉は何か素朴ながら純粋な感じがある。それでその純粋さがすごく美しく感じられる。ヘナはとても溌剌としている。今回初めて会ったにもかかわらず、いたずらをたくさんして、私を楽にしている。大変目立つ魅力があるコンスタンツェだ。」
-芸術をする人として共感する台詞や歌詞があるのか。
「ミュージカルは総合芸術であり公演芸術だが、実は私は芸術をしていると考えたことがない。芸術をしている自分に浸っているのをあまり好まない。私は舞台の上の労働者だと思う。私が音楽がそんなに上手いわけでもなく、何かに見聞が広いわけでもないのに、偉そうに芸術をすると言うには生意気すぎて、そこまでは考えたことはない。」
-政府のコロナ19防疫強化措置によって開幕が5日延期された。いろいろな感情を味わったと思うが。
「『何をすればいいのか』とも考えた。公演がストップしてすでに他の仕事をなさる方もいたので、その時とても現実的に考えるようになった。本当に最悪の状況には何でも他の仕事を探さなければと思ったりもした。いつも薄氷の上を歩く気持ちだ。それで余計に現在がありがたく感じられる。俳優・スタッフ全員の生計がかかった問題だから劇場閉鎖という話が出た時、みんな心配していた。公演開始が5日遅れるだけと聞いた時は安堵のため息をついた。」
-まだ〈モーツァルト! 〉を見ていない観客たちのために観戦ポイントをまとめてほしい。
「ナンバーがとても良いミュージカルだ。作曲家が心血を傾けてとてもよく書いたと思う。パク・ガンヒョンのモーツァルトは今回合流したので新しい。舞台の上の俳優たちは普段も熱心だが、今は倍に熱心に感謝して心を込めているから、機会があって健康が許せば一度は見に来られることをお勧めする。」
-デビュー5周年を迎えた。この5年を振り返ってみるとどうか。
「本当に運が良かったし、一番胸がいっぱいなのは放棄しなかったということだ。私の学校(成均館大学の演技芸術学科)は演技専攻が25人だが、同期中に今演技をしている人は5人にもならない。1年生が終わる前に進路を変えてしまった人も多く、少しやった後だめだと思って変えた学生たちもいる。私は学校を卒業し、オーディションを準備し、遊び好きのように暮したが、漠然とした未来に対する不安感があまりなかった。『挑戦してだめでも、なんとか生きてはいけるのではないか?』という考えを持っていた。望むことを大きく実現できなくても些細な日常の幸せを楽しみながら暮らせばいいと思った。」
-最近の最大の悩みは何か。
「『どう生きていくか』だ。人間としてたまには腹を立てることもあるが、どのようによくコントロールしながらもっと正しく、正しい方向に行くのか、私が本当に望む欲求は何かについてもたくさん考えている。私には公演が1番重大事だが、公演を終えるととても空虚で考えが多くなる。だからそんな時間をどうやって送ればいいのか悩みも多い。人に良くしてあげなければならないと思うし。」
-他の人より優れた自分だけの強みを挙げるならば…。
「昔から運が良かったようだ。くじ引きのようなこともやってみると1等もあった。平均的に見ると高音もそこそこ出る方だ。それから自分に対する信頼が少しある方ではないかと思う。自ら高く評価するわけではないが、粘り強いのでやりこなすことができるという信念を持って、何でもおこなってしまう。そんな点が少し違うんじゃないかと。」
-大衆の愛と関心をどう受け止めるか。
「私は愛をとても求める人ではない。元々いつも一人でいるし、寂しくても家で独りでいるのによく耐えながら暮らしたようだ。そのために急にたくさんの愛を受けた時はとても気持ち良かったが、身分不相応だ。 ユーチューブのコメントを見ると、笑ってしまうことも多くて、褒めすぎが多かった。『私をとても可愛がってくれるんだな』と思ってありがたいが、いいコメントも心に留めないで流してしまう。抱えていてはいけないような不安さがある。『今からこの賞賛の味を覚えてはいけない』といつも思っている。たまに写真をみると、インターネットだけに存在するパク・ガンヒョンがいる。(笑)現実にはそんなパク・ガンヒョンはいない。そういうことにはあまり執着しない。舞台の上の姿だけ愛してくださっても感謝する。」
-俳優として目指す方向を話してほしい。
「別に特別な目標は決めなかった。時間が解決してくれる部分が大きいと思う。今ミュージカルを一生懸命にしているから、将来映画もする計画だ。映画がしたくて演技を始めたため、カメラ演技を一生懸命に習ってみたい。公演をしながら演技をよくして映画も並行する役者になりたい。」
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さすがに学生時代はNASAに就職するのが夢だったというだけあって、思考回路が涼やかに理科系だと思います。冷静。
なのに感性豊かな切ない演技も上手。ランスロットに撃ち抜かれた乙女が38万4950人はいるはず。(適当)
声楽専攻ではなかったと聞いていましたが、映画出演に興味があるとは知りませんでした。ミュージカルが一段落したら、ドラマや映画でも会えるようになるんでしょうか想像すると今後の活躍が怖いくらいだ。