〈モーツァルト!〉レビュー動画 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカル
自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中

今回ご紹介するのは홍악가 (ホンアッカ)さんの〈モーツァルト!〉レビュー動画。


【※至極個人的な意見です※】

という断り書きで始まるように、同じ感想を持つとは限らないので、自分は自分という想いで配信を楽しみたいと思います。


では、断り書きの背後に聞こえる囁き声でスタート!


EMKのミュージカルはつまらない〜」

(EMK 뮤지컬은 참 재미가 없어〜)


こんにちは、ホンアッカです。今日はミュージカル〈モーツァルト!〉のレビューで戻ってきました。


以前のシーズンは逃したので今回初めての〈モーツァルト!〉観覧になりました。


個人的に良かったところもありますが不満もあります。なので今日は私の好き嫌いポイントのレビューで進めてみたいと思います。


まず良かったところから。


音楽

まずは私たちがモーツァルトに期待するすべて、すなわち音楽です。とても有名な歌が多いですね。


「黄金星」「僕の運命」「僕こそ音楽」などなど。こうしたナンバーはやはりとても素晴らしかったです。演出から俳優たちの力量まで不足な部分はありませんでした。


ただ私にはナンバーが登場するタイミングが少し突然に感じられたかな。


ストーリーの流れが小川程度だったとすると、ナンバーの感情とダイナミックさがイグアスの瀑布だと言うべきか?


「ここで?もうこのナンバーが?」という感じが続いて気になりました。


舞台

EMKの舞台はいつでも失望させないですね。今回もお金のにおいがプンプンする華麗な舞台でした。確実な裏付けをしてくれる舞台が目を楽しませてくれました。


中央にある階段式の回転舞台は俳優たちが上がるたびにビヨンビヨン揺れるんです。これがまるで、モーツアルトが鍵盤を走り回るトムとジェリーみたいで、それなりに面白かったです。


私は〈ジキルとハイド〉のチグミスンガンのように、観客に向かって降り注ぐ大掛かりな照明が好きなんですが、「黄金星」にそんな照明が登場します。黄金の星が降り注ぐような照明が観客席を含む劇場全体に降り注ぐのですが、その時はまるで自分がストーリーの中にいるようで良い気分でした。


キャスティング

私の初観覧はパク・ウンテ、キム・ソヒャン、キム・ソヒョンというキャスティングでした。キャスティングはこれ以上言うことは無いほど良かったです。


モーツァルトが消化しなければならないナンバーは突然のハイジャンプが多いので、低い音を出していたかと思うと突然高音を出さなければならない部分がたくさんあります。


そのたびごとにパク・ウンテさんが、この物凄い音をフラット1つなく鮮やかにすぱっと出すので、そのたびに鳥肌が立って、正直な話インターミッションあたりでは半分ニワトリになりそうでしたよ。


パク・ウンテはさすがにパク・ウンテだ!と思ったわけです。


キム・ソヒャンさんは、コンスタンツェにとても適合した演技を見せてくれました。


悲しんだり、明るかったり、怒ったり、憐れんだり、くるくると変わるローラーコースターのようなコンスタンツェの感情をとても自然に溶かし出していました。


ただし、キム・ソヒャンさんが音を押し出して歌う方ですが、その日に限って喉の調子が良くなかったのか、割れたような声の時が多くて、ナンバー消化に不安を感じた記憶があります。


男爵夫人役のキム・ソヒョンさんは暖かい助言者としての優雅な演技を信じられないほど消化していました。キム・ソヒョンさんが台詞を言うときはこちらまで心が安らかになるんです。


「黄金星」を語るように楽々と歌って、後半部の歌詞はあふれる感情をバンと爆発させます。キム・ソヒョンさんの解釈は私の心にとても響きました。


良かった点をたくさんあげたので、今度は不満な点を申し上げます。


ストーリー

これは正直言って、EMKミュージカルが持っている慢性的な問題だと思っています。


ストーリーがちょっと面白くありません。


絶妙で興味深い起承転結ではなく、モーツアルトが生まれてから死ぬまでの物語を全部聞かせてくれるんですが、後半に行くとこれがとてもルーズになりました。


実際以前にモーツァルトを扱った作品が無かったわけではありません。例えば映画アマデウスの場合、モーツァルトとサリエリの関係を中心に、劣等感をテーマにした物語を興味深く解き明かしたからこそ、対立構造が明らかで、没入することができました。


しかしこのミュージカル〈モーツァルト!〉にサリエリは登場せず、私たちに馴染みのあるモーツァルトのプロットとは程遠いです。


断片的に見ればトロール(迷惑な存在?)のような行動ばかりする発ガン王モーツァルトと、そのために心を痛める父親と姉、どんなキャラクターなんだかとりあえず舞台でくそったれの大司教の、気狂いパーティみたいな印象でした。


起承転結がハッキリしない一代記を見ているような感じが続いて、名曲の多かった1幕までは面白かったんですが、2幕の中間からはかなり中だるみしていました。


アマデ

しかし、あのハードなポパイ(お菓子の名前)にも金平糖が入っていますよね。モーツァルトにも金平糖のように可愛いヤツが登場します。


モーツァルトの内面を表現するキャラクター、アマデです。アマデを演じる俳優たちはとても幼いので手足が短いです。ちょこちょこと世宗の大劇場を歩き回るのを見ていると、とても可愛くて腹が立つほどでした。


細長い俳優たちの間で巨大な階段を一生懸命登る姿がまるで、クレヨンしんちゃんの劇場版を見ているようで、本当に可愛かった。


カーテンコール

カーテンコールではその可愛いアマデが「ヨロブ〜ン」と言いながら、かわいい声で黄金星を歌い始めます。


その瞬間このストーリーが退屈だった??実はすごく面白くてしっかりしたストーリーだったんじゃないか?そんな記憶操作が始まります。


結局劇場を出る頃には、ああ凄く面白かった。見応えがあって、来てよかった。そんな気持ちになっていました。


さすが賢いEMK…稼いでいるのには理由があるな。こんなことを考えながら劇場を後にしました。


これでモーツァルトのレビューを終わります。このコンテンツがうまくいけば、また違った作品を扱いたいと思います。有り難うございました。