飼育！
私は飼育されていた
嫌だ！
与えられるままに
音楽を噛み砕き飲み込むしかなかった
苦痛から解放されるには
それしかないと思ったのだ
与えられるままに音楽を飲み込んでいるうち
私は 気付かぬ間に 急速に成長していた
音楽も 私自身も
私は父の元を去り ウィーンにやってきた
ルードビッヒ・ファン・ベートーベン！
そして私の 初演奏会が始まった
ブラボー ブラボー！ベートーベン！
ずっと前から注目していたんだ
君はなんだ
怪物が現れたな！怪物だ！
モーツァルトみたいだぞ、モーツァルト！
君もモーツァルトのように
神が君に曲を授けるのかね？
いいえ。私はモーツァルトではありません
私の曲は神が書いたのではなく
私が 自分で書いたのです
そうか そうか
もっとすごくなるだろう
今 どこもかしこも 君の噂で持ちきりだ
貴族の娘たちの顔を見てごらん
君を見る目つきを見てごらんよ
♪♪♪
僕が話題の的に
僕は思い切り
することができる 全てを込めて
作曲し 演奏し 全てに集中する
僕の全てを
ピアノソナタ (ハイドンぽい感じ)
チェロソナタ (？？)
セレナーデ (とても愛した美しい音楽)
<耳鳴り>
シンフォニー (自分だけの色を表した)
ピアノコンチェルト (時は流れ ハイドンもモーツァルトも飛び越えた)
君 もしや体の具合でも悪いのか？
人が噂してるんだが…
そんなことは
そんなはずないな
音楽家の耳が聞こえないなんて
あるはずないな
そんな噂があって良いことはない
気をつけるんだ
さあこれを受け取ってくれ
君の音楽に対する 私の贈り物だ
演奏準備はうまくいってるんだろう？
ご心配なく
私は ルードビッヒ・ファン・ベートーベンです
曲の記号番号は全てギブアップです！ご了承ください