モーツァルト
私の幼い日々は
あの ご立派なモーツァルトのせいで
めちゃくちゃだった
練習しないのか！ルードビッヒ！
早く弾くんだ
弾けと言ってるだろう
楽譜どおり弾け 楽譜どおりに
モーツァルトみたいに天才と言ってもらえるのか
モーツァルトを超えるんだ！
僕 モーツァルトじゃない！
天才じゃない！
天才じゃない？
天才じゃないだと！？
お前のような子供は 自分が誰かなんて
選択することはできないんだ
いいだろう、天才でないなら
いって天才のようなフリでもしろ
早く！
楽譜を弾き間違えるたび
気が遠くなるほど殴られた
それだけされれば この地獄のようなピアノが
虫酸が走るほど 嫌いになるはずなのに
おかしいだろう？
私はピアノが好きだった
♪♪♪
心が語りかける
時には強く 時には弱く
時には静かに 時には踊るように
指先が 踊る
時には 一緒に
時には 別々に
時には 違って
時には 同じに
似合わないように見えても
こんなに僕に似合う
僕の心 あの遠くへ 空に届くほど
僕の心 風に乗せて送り出す
♪♪♪
傷で染まった屋根裏部屋に 夜が訪れれば
涙に染まったピアノの旋律が流れる
屋根裏部屋のピアノは 私を打ち
そしてまた私を慰めた
私の大きな (宿題)
私の恐ろしい (地獄)
私の楽しい遊び場
愛すべき天国
涙と愛が 心と指先が
別々に 一緒に
苦痛と 喜びの ピアノ
屋根裏部屋の (一緒に 別々に)
屋根裏部屋の (違って 同じに)
屋根裏部屋のピアノ
屋根裏部屋のピアノ