あんたは 約束を守るのが
どれほど難しいことなのかわかってない
それが人をどれほど
つたなく 卑怯に 汚くするものか
あんたには わからない
あなたが行ってしまったら
わたしは
生きていけるかしら
わたしが戻る場所
わたしがいるべき場所
わたしが休める場所
全部あなただったのに
その本には名前がない
一度も読まれたことがない
埃の積もった一巻の本
絶望を生き
希望を追い求めていた天才が残した
人生の記録
私のようなものなど
捨てて生きていれば
初めから私がいなければ
少しはましだったろうか
なぜお互いに 罰を与えて生きるのか
なぜ自分に 嘘をつくのだろうか
なぜ私を 捨てないのだろうか
いつか
今ではない 遠い日に
あなたの愛を受ける人
それは わたし
わたしの神に祈る
毎日が誕生日のような日
暖かい部屋で眠りについたあの頃へ
戻ることを
あなたにまた会えるまで
原稿を守るのが
私たちの約束だったから