映画 「セブン」を見た。1995年制作のやや古い映画だが考えさせらるものがあった。
連続殺人犯とそれを追う2人の刑事を描いた物語だが、この映画が本質的に
問うてるのは「人間としての尊厳・良心」と「憎悪・内に秘めている卑劣な凶暴性」の戦いである。
連続殺人犯は当然後者の部分が強いのだが、世の中の全ての人が多かれ少なかれ両方の
性質を持っている。一見綺麗で誠実な人生を送っているかに見える人でも実は汚い部分を
持っている。100%潔白な人などこの世にはいないのかもしれない。それでも人生を生きていかなくては
ならない。
最後のシーンでブラットピット演じるミルズが、妻が殺されたことを知り苦悶の表情をしながら
殺人犯に銃口を向ける。一瞬理性的な表情になり、引き金をひく。ほんの数秒のシーンだが人間が
内面に持つ正義と悪が壮絶なるままに戦っているさまが垣間見れる。素晴らしい演技だと思う。
老齢のサマセットが最後にヘミングウェイの台詞を用いて
「それでも人間は戦っていかなくてはならない」とつぶやく。
この映画を見て感じたのは、自分などは人生において大きな失望も成功もしていない。
幸運にも大きな不幸に見舞われたことがない。ただ世の中には実に多様な人が生きているという
こと。他者と接する際は、相手の上辺だけでなく、それまでの経験や内面まで考慮して接していきたい
そんな器の大きい人間になりたいと感じた。
むろん今後自分にもいかなる事態が起こりうる。がそれもまた人生。
強く生きていきたいと思う。