中国で世界各国の警察官を育成 来年には3000人 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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今月9日、中国江蘇省で開催された「世界公共合作安全フォーラム」で中国は海外の警察官の育成を行っていくことを発表しました。香港メディア・東網(9月11日付け)は、今回のフォーラムには世界122の国と地域から警察関係者が参加しており、中国側は今後、警察業務で助けが必要な国家があれば中国から警察官を派遣していく計画だと報じています。



中国はすでに昨年だけで2700人の警察官を各国から受け入れ、育成を行なっています。フォーラムでは来年、アジアを中心に3000人の警察官を受け入れ育成を行う計画も発表しています。特に、マレーシアやミャンマーから警察官を多く受け入れる計画だとし、運命共同体として各国の安全や治安維持に寄与していくとしています。

中国側の狙いとして、現在中国国内でも社会問題となっている特殊詐欺の存在があります。インターネットや電話を使った特殊詐欺の多くが、マレーシアやミャンマーを拠点にしており、こうした犯罪の撲滅に向け他国の警察力を自国で育成していきたいという思惑があるのです。

一方で、今年3月には東欧ハンガリーの都市部で中国の警察官と地元ハンガリーの警察官が合同でパトロールする姿が報じられており、ハンガリー政府は、中国人観光客の安全のために中国と合同でパトロールしていることを認める発言をしています。

一部海外メディアからは、こうした警察力の世界への拡大によって中国に否定的な言論を行う人物の取り締まりも行われるのではないかという懸念の声も寄せられています。