中国北京市にある観光地・円明園で今月7日、日本人観光客らが中国人動画配信者に暴言や罵声を浴びせられる事件が発生しました。
中国メディア・騰訊新聞（9月9日）は、事件を起こした男について、日本人観光客やその通訳に対し、「なぜ日本人のために（写真を撮るスペース）を空けないといけないのか」など怒りを露わにし、日本人観光客を追いかけ回すなど威嚇行為を行なっていたと報じています。さらに信じられないことにその後、駆け付けた公園の警備員も「日本人をこの公園に入れることはない」と、動画配信者に賛同する言葉を口にしたのです。
今回の事件について、9日に開かれた中国外交部の報道官がコメントし「中国政府として如何なる国家の市民に対して差別的な行動は容認しない」と今回の配信者や警備員の行動を批判する声明を発表しています。
今回、事件を起こした男は過去にも今回同様、航空機内で白人男性を故意に挑発し、「中国人を差別した」などとする動画を配信し、アクセス数を稼ぐ典型的な「愛国ビジネス系配信者」の顔を持つ人物でした。
中国のSNSでは圧倒的に多くのネットユーザーが「中国国家の恥晒しだ。ゴミクズ以下だ」「こいつの行為こそ騒動挑発罪で逮捕されるべき」などのコメントが寄せられています。
外資企業離れや外国人観光客離れが加速していることが指摘される中国。靖国神社への器物破損も立て続けに発生しています。こうした自称愛国者による犯罪行為を中国政府が黙認すればいずれ中国の国際的な地位までも失う事態になるでしょう。