「FIFAワールドカップ26アジア最終予選」で中国代表は0-7という歴史的大敗を喫し、選手や監督に対し厳しい批判の声が多く寄せられています。
中国では数年前から、中国サッカー協会の幹部や選手、監督経験者などが汚職で逮捕されたり、八百長事件も発覚するなどしサッカーファンの怒りが限界に達していました。今年3月には、中国サッカー協会前主席が収賄罪で無期懲役の判決を下されるなど、政府も厳しい対応で改革を進めています。
こうした中、中国では怒りに沸くサッカーファンの暴徒化を懸念する動きも見られています。中国メディア・騰訊新聞(9月8日)は、今月10日に中国大連市で開催される中国VSサウジアラビアの試合について、現地の大連警察当局が観客に対し通達を発表したことを報じています。
大連警察当局は、試合終了後の禁止行為を発表。そこには「試合後、順序を守り会場から離れること。試合後、選手や監督、チーム関係者を取り囲むなどの行為を厳しく禁止する」とし、違反した場合には刑事責任を問うと通達を発表したのです。
こうした当局の発表にサッカーファンからは、「もうファンは諦めている。大敗負けしなければ勝ちという気持ちでいる」「警察も負けること前提に警告してるのが面白い」「もう何点差で負けるのかということにしか興味ない。怒りも沸かない」などのコメントが寄せられています。
今回の日本対中国の試合では、中国国歌斉唱の際に日本側スタンドが起立し敬意を示したり、中国側スタンドからも能登半島地震の復興を応援するメッセージが寄せられるなど、試合結果以上に大切な民間交流があったことを忘れずにいてほしいと思います。