周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
公式ホームページ:http://zhoulaiyou.jp

今年の8月15日で77回目の終戦記念日を迎えた日本。この時期になると中国でも日中戦争に関する議論が交わされ、メディアやネットユーザーからは日本に対する厳しい意見が寄せられます。こうした中、中国では和服を着ていた女性が警察に連行されるという許しがたい事件が発生しました。

事件が起こったのは今月10日、江蘇省蘇州市でした。この日、市内にある淮海街では和服を着て記念撮影をしていた若い女性が公序良俗に違反したとして警察に連行されるという事件が発生しました。事件の起こった淮海街は、日本料理店などが集まる「日本風情街」として知られ、日本文化を好む若者が集まる場所として知られています。

中国メディアが公開した映像には、浴衣を着た女性に現地の警察関係者と思われる男性が詰め寄り大声で怒鳴りつける様子が確認できます。男性は次のような言葉を発していました。



「もしお前が漢服(中国の伝統衣装)を着ていれば俺はこんなこと言わない。しかし、お前が着ているのは和服だろ。一人の中国人として言わせてもらうが、お前はそれでも中国人なのか?公序良俗に反している。お前を連行する」

動画の中でこの女性は、自身はただ浴衣を着て写真を撮りに来ただけであることを説明し、連行の理由について男性に説明を求めていましたが、男性は中国人が和服を着ることは公序良俗に違反することになると大声で怒鳴りつけ、女性の浴衣を無理矢理引っ張り、連行する様子が確認できます。



その後、女性はネットに「事態がここまで大きくなってしまったことに責任を感じています。皆さんにご迷惑をお掛けし申し訳ございません」と、謝罪文を投稿したのです。

今回の事件に、中国のネット上でも賛否両論の大きな議論が巻き起こり、「この警察官は一生、日本食を食べるな。日本のアニメや漫画も見るな。日本車にも乗るな」「中国人が使ってるスマホの重要な部品は日本製だよな。中国の警察はスマホ持ってる国民全員を取り締まるのか?」「歴史の写真見ると、魯迅や秋瑾、章太炎などの中国人の偉人たちは好んで日本の和服着ていたんだけど。墓でも掘り起こして逮捕する?」など、当局の対応を批判するコメントが多く寄せられています。一方で、中国の国民感情を傷付ける行為はするべきではないという意見も寄せられていますが、女性を連行までした当局の行為についてはやりすぎとのコメントが多く寄せられています。

歪んだ歴史観からは何も生まれず、それどころか今回のような事件を生み出してしまう元凶ともなるのです。今回の事件について、多くのネットユーザーが警察官の行動にNoを示したことはせめてもの救いだったと思います。