こうした中国側の動きに台湾側も対抗措置を採っています。シンガポールメディア・聯合早報(8月26日)は、中国出身の人気男性歌手・王以太が来月9月に予定していた台湾コンサートを巡り、台湾当局が王以太の訪台を却下したことを報じています。
メディアは、王以太のコンサート宣伝に使用されているポスターが「中国台湾」と記載されていたことから台湾側が訪台を拒否したと伝えています。台湾当局の説明によると、今回の措置については「台湾政府として両岸(台湾と中国)が音楽交流することは歓迎するが、台湾の地位やイメージを貶める表現は容認出来ない」としています。
今年4月には中国広西チワン族自治区で活動するロックバンド・回春丹が、台湾の音楽フェスに参加することをSNS上で表明した際、「中国台湾」と表現したためフェスへの参加が見送られる事態となっていました。
10年ほど前までは、中台の文化交流は政治的な対立とは関係なく行われてきました。政治や外交関係が悪化している時こそ、民間交流は重要です。文化交流を政治が阻害するようなことはあってはなりません。