iPhoneを購入した金メダルが誹謗中傷の被害に | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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アスリートへの誹謗中傷の問題は中国でも社会問題となっています。中国では今回のパリオリンピックでも活躍した女子高跳び込み代表・全紅嬋(17)選手への常軌を逸した誹謗中傷被害が大きく報じられています。



中国メディア・新浪財経(8月23日)など複数の中国メディアは全紅嬋選手がネット上で誹謗中傷の被害に遭っていると報じています。全選手はパリオリンピックで金メダルを獲得し、その後実家のある広州市内の携帯電話ショップで「iPhone 15 Pro Max」を購入する姿が目撃され、その様子がSNSで拡散されていました。

メディアによると、全選手は母親へのプレゼントとしてiPhoneの最新機種を購入していました。中国のネット上ではこうした全選手の行動について、「なぜ中国の国産機種ではなくアメリカの機種を購入したのか」「中国の国家代表選手なのだから国産機種を購入するべきだ」「反愛国的行為だ」など、iPhoneを購入した全選手を反愛国者であるとする誹謗中傷のコメントが大量に寄せられたのです。中国では3年前にも人気男性俳優・呉京がiPhoneを使用していたことから反愛国的とであると誹謗中傷の声が寄せられネット上で炎上する事態となっていました。

iPhoneの製造には多くの中国製部品が使用されている他、その組み立て工場の多くが中国にあり、数十万人の雇用を生み出しています。自称愛国者が望む通り、中国からiPhoneを駆逐すれば国内の大幅な税減収のみならず、大量の失業者を生み出すことになることは火を見るより明らかです。自称愛国者のこうした行動こそ反愛国的と言えるのではないのでしょうか。