パリオリンピックでも露呈したアスリートへの卑劣な誹謗中傷問題。国際オリンピック委員会はこうした行為を強い言葉で非難する声明を発表し、日本でも開示請求の動きが進んでいます。
中国でも今回のオリンピックで、特に誹謗中傷の被害に遭っていた選手がいます。中国陸上界の女神こと呉艶妮（ウー・イエンニー）選手です。可愛らしい外見を持つ呉選手は選手としての実力も一流で、国際大会でも数々の優秀な成績を収めてきました。
しかし、中国のSNS上では呉選手の外見に対し、「化粧が派手すぎる。アスリートなら化粧する必要はない」「こいつは整形だ」「化粧する時間を練習にあてろ」など、信じられない誹謗中傷の言葉が飛び交ってきました。
観察者網など複数の中国メディアは、呉選手に対しSNS上で大量の誹謗中傷コメントを投稿していた男が摘発されたことを報じています。警察に逮捕されたのは広西チワン族自治区の47歳の男で、これまでに呉選手の外見を揶揄する投稿をしたり、「世界の笑い者」「広告の仕事が欲しいだけか」などの言葉を投稿していました。
今回の逮捕を受け、呉選手は「悪が正義に勝つことはない。社会の正義は永遠に」とコメントを発表しています。
私もメディアに出演する度に誹謗中傷されることが少なくありませんが、誹謗中傷する人物からは「誹謗中傷ではなく正当な批判をしているだけ」という言い訳をよく聞かされます。誹謗中傷と建設的な批判の区別が出来ない人はSNSには向かないのではないでしょうか。