資生堂の人気ブランド 中国からの撤退を発表 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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昨年の福島第一原発の処理水放出を巡る一部の中国メディアやネットユーザーによるデマの拡散は今も続いています。こうした実害はすでに多くの日系企業に悪影響をもたらしています。

中国メディア・中国商報(7月7日)は、2020年に誕生した資生堂の新ブランド「BAUM(バウム)」が、中国からの撤退を発表したことを報じています。同ブランドは、20代〜30代の若い男女をターゲットにした資生堂の新ブランドで中国には3年前からECサイトでの販売を開始。中国国内でも人気を集めてきました。



こうした中、6月26日にBAUMは中国オフィシャルサイトで7月10日を以って新規の注文受付を停止すると発表しました。事実上、中国市場からの撤退となった訳ですが、中国メディアは一部のネットユーザーからの誹謗中傷が影響していることを指摘しています。

中国では、処理水を「核汚染水」と呼んでおり、これまでに「商品の成分に核汚染水が混入している」などの悪質なデマを投稿する者がおり、さらにこうしたデマを拡散する者も多くいました。実際にこうしたデマの影響で、日系企業の中には今回と同様に中国市場からの撤退を余儀なくされた企業もあったのです。

コロナ禍以降、中国の経済成長も鈍化が続いており現在、中国政府は外資企業の誘致を積極的に進めています。しかし、こうした状況が続けば外資企業の誘致どころか外資企業の中国離れが進んでいくことになるでしょう。