中国大手自動車メーカーでサービス残業を強制か  | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国の大手自動車メーカー・奇瑞汽車では違法労働に関する内部告発が寄せられ波紋を呼んでいます。奇瑞汽車は中国5大自動車メーカーとして知られ、今年上半期の販売台数は110万台を突破し、前年比48%増という好調ぶりが報じられたばかりでした。



中国メディア・IT之家(7月2日)は、同社で働く社員が内部告発をしたことを報じています。記事によると、奇瑞汽車では週に20時間以上の残業が課され、残業代の代わりに10元(約200円)の食事補助が支給されていたと言います。また、休暇申請の禁止が言い渡されており、タイムカードは17時に強制的に打刻されていたとしています。

また、「896」と呼ばれる勤務システムが事実上導入され、朝8時〜夜9時まで週6日の出勤が常態化していたことが指摘されています。中国のネット上では「こんな会社潰れてしまえ。従業員の労働力を搾取して売上を立ててる企業なんて存在価値がない」「残業代の代わりに10元?毎週20時間も残業させてスイカ一個分かよ」「奇瑞汽車が世界企業になれない原因がこれだ」などの声が寄せられています。

今回の告発には、こうした労働体制により新型車の製造過程に安全上の大きな問題も発生していることが指摘されています。大きな事故が起こる前に従業員が安心して働ける環境を整備するべきではないでしょうか。