中国でも深刻なイジメ問題 警察が8人の中学生を拘留 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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日本では2022年に自殺した小中高生は514人と統計開始以降、過去最多となりました。子供たちが自殺する原因として学業不振が最も多いと指摘されていますが、子供は学校でのいじめを周囲に伝えることで報復されたり、更なる事態の悪化を招く可能性があり、恐怖心からSOSを出すのが非常に困難です。こうしたことから、いじめが原因であっても学業不振ということで処理されている可能性が高いのです。


中国でも学校内でのイジメ問題は非常に深刻です。こうした状況を打開すべく、中国ではイジメを犯罪行為として認識し、警察力の介入による解決が図られることが増えてきました。





中国メディア・広西チワン族自治区南寧市(4月29日)は、市内の中学校で壮絶なイジメが発生していたことを報じています。中国のネット上に今月投稿されたのは、市内の公園で撮影されたイジメ動画でした。この動画には、女子中学生が複数の同級生から殴る蹴るの暴行を加えられ、無理矢理服を脱がされたりと集団暴行する様子が収められていました。


こうした事態を受け、南寧市公安局は公式声明を発表し、女子中学生への暴行に関与した同じ学校に通う男女8人を拘留したことを明らかにしています。公安局は重大な傷害罪で刑事事件案件として現在、取調べを行っています。


「イジメ」、「パワハラ」、「体罰」という言葉を使用した場合、本来であれば犯罪行為として処罰の対象となる行為が柔らかく伝わってしまうことがあります。今回、中国の公安局はイジメという言葉を使用せず「犯罪行為」であると明確に説明しています。イジメ問題が発覚しても、学校や教育委員会が隠蔽したり、イジメ自体の存在を揉み消すなどのニュースも日本では伝えられています。児童の命を救うために、こうした警察力の積極的な介入も議論されてはいいのではないでしょうか。