反腐敗を国家の重要目標に掲げる中国。この数年で政権幹部や中央政府の官僚、地方行政の幹部、国有企業の幹部など、様々な大物の逮捕が報じられてきました。こうした流れは、政財界に関わらずスポーツ界でも進んでいました。中国サッカー界でスターレベルの人気を誇ってきた元中国代表監督の李鉄（リー・ティエ）は、2022年11月、八百長疑惑や監督職を多額の金で買収したことが明らかとなり逮捕起訴されています。
香港メディア・東網（1月14日）は、李鉄が賄賂などで不正蓄財した資産を現在、李鉄の妻が管理しており、さらに返還を逃れるため資産の移動を行なっていたことが明らかになったと伝えています。
現地メディアは、李鉄の妻は2.7億元（約50億円）の資産を海外に移動させ、現在アメリカに移住しているとしています。この妻は、夫が逮捕されるとすぐに離婚を申請。子供と共にアメリカに渡り、夫との裁判などから巻き込まれないよう一切の関わりを断とうとしていました。
中国メディアは今後、この妻についても不正蓄財した金を不正に持ち出したり使用した容疑で当局による捜査が行われると報じています。中国最高のスター選手だった李鉄。違法行為によって地位のみならず家族まで失うことになりました。