愛の告白から復讐のお手伝いまで!中国の食品配達員の苦労 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国では数年前から出前サービス市場が急成長しており、利用者数は約4.6億人まで拡大。市場規模は6500億元(約10兆4000億円)に達し、中国の主要産業の一つとなりつつあります。出前の配達員の数も現在、約300万人を突破しており、コロナ禍を追い風に、業界はさらに勢いを増しています。

現在『美団外売』  『餓了么』『百度外売』  の3社が主要企業として凌ぎを削っており、他社との差別化を図るため、梱包の工夫や価格の引き下げがこぞって行われてきました。

さらに最近では配達員によるサービスも差別化が進み、その内容が多様化しているようです。中国メディアはこのほど、これまで配達のみを行ってきた配達員が昨日のバレンタインデーに代理告白サービスを提供したと、が報じました。

バレンタインデーのこの日、福建省福州市で食品配達員の男性が路上を歩いていた別の男性に突然花束を渡し、男性に向かって「好きです!」と告げると男性に手紙を渡し、立ち去ったというのです。手紙を渡された男性は何が起こったのか理解出来ていませんでしたが、知人の女性が渡された手紙を見て、配達員が代理で告白を依頼されていたことが分かり、周囲は笑顔に包まれたといいます。






歩合制の配達員にとって固定客の獲得は非常に重要で、配達員によってはこうした配達以外のサービスを行うことが珍しくありません。過去には女性客から依頼された配達員が、彼女の元恋人の顔にヨーグルトを塗りたくるという出来事や、復讐に配達員を利用されるという出来事も起こっています。

配達員にも影響が及んでいる出前市場の競争の激化。何とか一歩抜きん出ようと、顧客の無理難題にも対応しようとする姿が伺えます。顧客獲得のため、中国の配達員は便利屋へと変わりつつあるのかもしれません。